鎖 (新潮ミステリー倶楽部)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 222
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (549ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106027666

作品紹介・あらすじ

誰も描かなかったブラインド・スポット-孤絶の空間を舞台に、音道貴子の刑事人生は最大の危機に突入した。ここは一体どこなのか。犯人グループの次の一手は何なのか。たった一人で敵と対峙する彼女の脳裏を、期待と絶望が交錯する。このデッドロックをくぐり抜ける手段が果して存在するのか。『凍える牙』に続く久々の書下し大作。

感想・レビュー・書評

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  • 主人公の女刑事音道の監禁以外、内容はすっかり忘れていた長編を、16年ぶりに読み返した。
    16年前の作品でありながら、古くささが全然なく、良質のエンターテイメントは、やはり時の流れにも耐えるのだろう。
    このシリーズは、この後も続くのだし、主人公が救出されるのは自明の理。それでも、ハラハラドキドキ、彼女はどうなるのかとの思いで、549頁をあっという間に読み終えた。

    数か月前にドラマ化されており、主役の音道貴子役を演技派の小池栄子が好演していたが、原作のイメージからすると、やはり天海祐希が適役ではないだろうか。

    • hs19501112さん
      16年振りの再読にも耐えうるハラハラドキドキ・・・納得できます。

      たしかに、時代を感じさせる点は熱海の描写の荒廃ぶりくらいでしたものね...
      16年振りの再読にも耐えうるハラハラドキドキ・・・納得できます。

      たしかに、時代を感じさせる点は熱海の描写の荒廃ぶりくらいでしたものね。

      ※映像化にあたってのキャスティング・・・自分なら、音道は木村佳乃さんのイメージが・・・。
      2016/09/23
    • honno-遊民さん
      hs19501112さん、コメントありがとうございます。
      う~ん、音道貴子は、木村佳乃さんのイメージですか。彼女が刑事役のドラマあったと思...
      hs19501112さん、コメントありがとうございます。
      う~ん、音道貴子は、木村佳乃さんのイメージですか。彼女が刑事役のドラマあったと思いますが、音道役もありましたっけ?
      2016/09/23
  • 鎖。いろんな意味の鎖。

    マーティン・セグリマンの犬に行った実験を思い出した。
    電気ショックを用いたその実験で、犬はもう「何をしても意味がない」ということを学習し、
    逃れようとする努力すら行わなくなるというものである。
    中田加恵子を思えば、フィクションでよかったと心底思う。
    こんな人生が本当にあったらたまらない。

    読みながら闇の中の熱海の路地を必死で思い描き(行ったことはないけどね)
    音道刑事の心中を想像する。悔しさと、絶望。
    気力だけで恐怖と闘う女性刑事。
    エピローグにたどり着くまで、緊張の連続で時間を忘れる一冊でした。
    それだけに、昴一さんとのやり取り他にはこちらも救われました。

  • 音道貴子刑事シリーズ 第3弾。

    549ページの長編書き下ろしです。

    占い師殺人事件の捜査本部に招集された音道刑事。

    捜査一課の刑事とコンビを組むが、軋轢が生まれ、別行動になってしまう。
    それが悪夢の始まりだった。
    音道刑事は犯人グループに拉致・監禁されてしまう。

    長い監禁状態で、精神的にも、体力的にも限界を迎える音道。
    徐々に犯人グループに近づいていく捜査員達。
    その捜査員の中には昔コンビを組んだ滝沢刑事も。

    監禁された音道刑事の極限状態の移り変わりがよく描写され、滝沢刑事の音道を救いたい信念などがよく伝わってきました。

    また犯人の一人の悲しい過去などが事件に深みを持たせています。

    長いですが、一気読みでしょう。

    滝沢刑事、なんか良い感じ~。

  • 捜査や恋人との日常からの、単独行動を取らされ誘拐され出口の見えない貴子がみっちりと書き込まれ、それでいて厚さが苦にならないざくざくとした歯切れの良さ。容易く折れてはぎりぎりで顔を上げる事を繰り返す貴子が健気でつらい。刑事も只の一人の女性だった。救出後離れ難くてうろうろする滝沢が擽られるように可愛い。

  • 20180921

  • 凍える牙の続編。
    今回の作品の方がハラハラした。一気に読みたいけど、ちょっと長編すぎた。
    凍える牙をもう一度読んでみたい。

  • 音道貴子シリーズ3作目です。読み応え、たっぷり。その本の厚さは音道刑事の苦痛と比例しているので、読んでてちょっと疲れて来ます。滝沢刑事のシーンと音道刑事のシーンと交互に描かれますが、時間系列が揃ってなくて、展開が分かりづらかったです。電話したのに出来なかった事になってたり、いつの間にかした事になってたり。普通の刑事物は主人公が事件解決するのに、音道シリーズは主人公はあくまで1捜査員。でも今回は頑張ったね。

  • 2017_04_17-033

  •  音道貴子シリーズの中で一番読ませる本でした。
    海外の女性探偵物等も好きでよくよんでいますが、読んでいると力が湧いてくるんです。負けるものかっ!!っていう気持ち。
    あらすじや、文体も好みでしたが、一番は不屈の気持ちを湧き起こしてくれるところです。 

  • 図書委員のすっちゃんです。最近乃南アサさんの音道貴子シリーズにハマり、音道さんがかっこよすぎる!と言いまくっています(笑)
    この鎖では、音道さんが犯人に誘拐されるというとてもハラハラドキドキの展開になっています。
    大好きな音道さんの身に危険が迫る場面は読んでいて腹立ち、時には泣き感情移入しすぎて大変でした(笑)
    ぜひ読んでみてください!きっと音道さんに恋するはずです☆

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』『いちばん長い夜に』『新釈 にっぽん昔話』『それは秘密の』『六月の雪』など多数。

「2022年 『チーム・オベリベリ (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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