ホワイトアウト (新潮ミステリー倶楽部)

著者 :
  • 新潮社
3.92
  • (78)
  • (58)
  • (84)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 454
感想 : 47
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106027413

作品紹介・あらすじ

日本最大の貯水量を誇るダムが乗っ取られた。人質は発電所員と下流域の市町村。残された時間は24時間。同僚と亡き友の婚約者を救うべく、ダムに向かう主人公・富樫のもう一つの、そして最大の敵は、絶え間なく降りしきる雪、雪、雪…。吹雪に閉ざされ、堅牢な要塞と化したダムと厳寒期の雪山に展開するハードアクション・サスペンス。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 読了後、これは映画化されますよねーと思った作品でふ。
    映画化前に読了出来たのは少し自慢でふ。

  • 膨大な貯水量を誇るダムがテロリストに占拠され、下流域の住民を人質に50億円の身代金を要求する前代未聞の事件が勃発。
    そのなかで1人のダム保安要員がテロリストに立ち向かうアクション小説と書きたいところですが、雪山の雄大さや怖さを感じられる描写やダムの構造の解説、登場人物(主人公もテロリストも)の作りこまれた背景など、ただのアクション物ではない深さがあります。
    映画化もされて当時話題になった一冊です。

    田湯正法(薬品製造化学)

    https://bit.ly/3hg71OZ

  • どうしよう…
    私も奥遠和行って、冨樫さんを讃えたい!
    読みながら、本を持つ手が力むほどにハラハラしたり感極まったりした。
    真保さんの筆力がもう…
    完全に私の脳内は、奥遠和ダムと二千メートル級の雪山に占拠されました。

  • 大好きな「ホワイトアウト」を再読(実は暑い真夏に涼を求めて読み始めたのですが、様々な誘惑の果てにようやく本日読了なのです)。
    いや、これは本当に、まじで、驚くほどに、心の底から、やばいくらいの傑作。であり、名作なのです。硬派で練りこまれたストーリーや文章も素敵ですが、なによりも主人公の一途な情熱や執念や思いがこれほどまでに伝わってくる小説は他にないのではないでしょうか。吹雪に閉ざされた奥遠和のダムで繰り広げられる、圧倒的なまでの自然と人間の戦いの描写が凄すぎます。これは富樫の精神的&肉体的な戦いの物語です。ダムの占拠とか、犯人グループの仲間割れとか、重要なファクターではあるものの、あくまでも背景にしか過ぎないのです。決してあきらめないという強い心。愛した友人を思う強い気持ち。胸を打つのはそこなのです。
    ラスト20ページほどは、もう涙なしには読むことはできません。

    映画に騙されないで。原作は本物の傑作ですから。

  • 圧倒的な状況描写力に感服。
    ダムの構造が複雑すぎて全てを頭の中で思い描きたい私にとっては何回も読まないと理解できない箇所もあった。

    一介のダム所員が自分の職業知識を生かしテロリストに立ち向かう中で雪と幾度も対峙し、過去の自分と向き合い乗り越える、そこに奇跡も偶然もほとんどなかったのでは?

    丁度夏にダムの近くに行くことがあり、その時に蓋道などというものも知ったため、少し身近に感じられて読む時に想像がしやすかった。

  • 真保裕一氏の作品がこの本で好きになり、以来、発売された本はすべて購入し、読破してきました。

    のちに織田さん主演で映画化もされました。

    私は雪国の出身ですので、ホワイトアウトはなじみがあります。
    行きなどで視界が白一色になり、方向・高度・地形の起伏が識別不能となる現象。
    ホワイトアウトの状態に陥ると、錯覚を起こしてしまい、雪原と雲が一続きに見える。太陽がどこにあるのか判別できなくなり、天地の識別が困難になる。また、太陽光が遮られ、足元の風紋も見えなくなる場合もある。航空機の場合には墜落の原因ともなり得る。(wikiより)

    作品は、

    日本最大の貯水量を誇る超巨大ダムが占拠される。

    このダムが決壊したり、水が大量放流したりしたら、ふもとの住民などが危険にさらされる。
    犯人の要求は、50億円
    タイムリミットは24時間、

    外は猛吹雪、その極限状況の中、富樫が立ち上がる。

    人質の中には、なくなった親友、吉岡の恋人も含まれている。
    今は亡き友人の恋人を救い出すべく、テロリスト集団に果敢に迫る

    圧倒的な描写力、その場にいるのではと錯覚するくらいの描写、そして心の内を描いた
    心情描写


    ハラハラドキドキを描いた本作は脱帽の一言。

  • 水力発電所の構造を多少知っているので、内部の描写がすっと入ってきた。
    それにしても雪山での臨場感が凄い。
    こちらまで歯の根が合わなくなった。

  • この小説は、ダム発電所でいきなり従業員が捕えられて、その事件を主人公が解決へと。

  • 日本一のダム職員の話。ラストは痺れる。

  • 読み終わったのに、余韻が消えないです。

    どうなるの?そう思いながらページが進みました。

全47件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

真保裕一(しんぽ・ゆういち)
1961年東京都生まれ。91年に『連鎖』で江戸川乱歩賞を受賞。96年に『ホワイトアウト』で吉川英治文学新人賞、97年に『奪取』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞長編部門、2006年『灰色の北壁』で新田次郎賞を受賞。他の書著に『アマルフィ』『天使の報酬』『アンダルシア』の「外交官シリーズ」や『デパートへ行こう!』『ローカル線で行こう!』『遊園地に行こう!』『オリンピックへ行こう!』の「行こう!シリーズ」、『ダーク・ブルー』『シークレット・エクスプレス』『真・慶安太平記』などがある。


「2022年 『暗闇のアリア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

真保裕一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×