ストロボ (新潮エンターテインメント倶楽部SS)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 147
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106026478

作品紹介・あらすじ

キャリアも積んだ。名声も得た。だが、俺に何が残されたというのか-。過ぎ去った時、遠い出会い、苦い別れ。女流写真家と暗室で愛を交わした40代、先輩を凌駕しつつも、若手の台頭に焦りを抱いた30代、病床の少女を撮って飛躍した20代、そして学生時代を卒業した、あの日。時間のフィルムを巻き戻し、人生の光と影をあぶりだす名編。50歳のカメラマン喜多川の脳裏によみがえる熱き日々。閃光が灼きつけたせつない記憶いまも疼く5つのシーン。

感想・レビュー・書評

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  • 時系列逆にしない方がいい気がする。

  • 時系列に馴染めなかった。少し青臭い小説。
    写真は実際見てみたい。

  • オススメして貰った1冊。
    部活動でモノクロ現像をした当時を思い出したり、カメラを趣味とする自分としては面白かった。

    小説は、同じ主人公の短編で、どんどん年が若くなるので、最初は違和感を覚える。
    それに前半〜中盤の主人公にはカメラの事は良しとしても、浮気男でムカムカしてしまう…。
    浮気物はこれが初めてではないのに、何でムカムカするか考えて傾向が分かった。

    大前提としてどんな理由があろうと浮気は有り得ないと思ってるが、創作なら有りだと思えるのは、
    ・浮気されても仕方が無い状況である(パートナーがよほどのクズだとか、離婚を受け入れないとか)
    ・夫婦共に浮気してる
    ・それ以外の場合、浮気した人が相応の罰を受ける

    今回のように、相手が浮気に気付きながらも我慢していて、更にそれに甘えて好き勝手している、相手を傷つけながら若気の至りだとか、遊びだからと都合の良い言い訳してるのが大嫌い。

    それでも要所要所ウルッとくるような描写は有り、女性カメラマンの話は心苦しいものだった。
    腕があっても「美人カメラマン」の肩書を背負わされるとか。
    あとは何で体を許してきたのか、理解しきれずモヤモヤした…

    写真の、男の世界で渦巻く嫉妬が描かれていたのは新鮮で、嫉妬というのは男女差なく、根強い争いの火種になるんだろうなぁと思えた。

  • (収録作品)卒業写真/一瞬/ストロボ/暗室/遺影

  • 津市安濃図書館。

  • 実力のある作家という印象。
    ストロボで切り取った一枚の後ろには広がりのある人生がある。

  • 【走った。ひたすらに走りつづけた。いつしか写真家としてのキャリアと名声を手にしていた。情熱あふれた時代が過ぎ去った今、喜多川は記憶のフィルムをゆっくり巻き戻す。愛しあった女性カメラマンを失った40代。先輩たちと腕を競っていた30代。病床の少女の撮影で成長を遂げた20代。そして、学生時代と決別したあの日。
    夢を追いかけた季節が、胸を焦がす思いとともに、甦る】この本は第5章の50代のエピソードから大学時代の20代を描く第1章へと逆に続いていきます。すごく感動するお話ではないけれども、所々じ〜んとしたり泣けたりしました。個人的には「卒業写真」が好きです。

  • 2007年9月17日読了。中年に差し掛かったカメラマンが過去を振り返る短編が5つ。リアルタイムではなく、理想から遠くなった今の姿から昔の自分を見る視点がほろ苦い。いくつになっても人は夢を追えるものだ、というメッセージが読者に向けられているようにも思えまいか。この作者も、ほんとうに小説がうまい。ただ、ほかの人の感想にもあるように「卒業写真」が最終話では、なんだかしまりがない気がする。

  • ピンとこない話ばかりだった。2007.8.3

  • 女性カメラマンの章がグッときた。グッ。

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著者プロフィール

真保裕一(しんぽ・ゆういち)
1961年東京都生まれ。91年に『連鎖』で江戸川乱歩賞を受賞。96年に『ホワイトアウト』で吉川英治文学新人賞、97年に『奪取』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞長編部門、2006年『灰色の北壁』で新田次郎賞を受賞。他の書著に『アマルフィ』『天使の報酬』『アンダルシア』の「外交官シリーズ」や『デパートへ行こう!』『ローカル線で行こう!』『遊園地に行こう!』『オリンピックへ行こう!』の「行こう!シリーズ」、『ダーク・ブルー』『シークレット・エクスプレス』『真・慶安太平記』などがある。


「2022年 『暗闇のアリア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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