ナショナル・ストーリー・プロジェクト

著者 :
制作 : ポール・オースター 
  • 新潮社
3.62
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  • (5)
  • (2)
本棚登録 : 231
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (556ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105217099

作品紹介・あらすじ

爆笑もののヘマ、胸を締めつけられるような偶然、死とのニアミス、奇跡のような遭遇、およそありえない皮肉、もろもろの予兆、悲しみ、痛み、夢。投稿者たちが取り上げたのはそういったテーマだった。世界について知れば知るほど、世界はますます捉えがたい、ますます混乱させられる場になっていくと信じているのは自分一人ではないことを私は知った。オースターが全米から募り、選んで、編集し、「アメリカが物語るのが聞こえる」と感動した、180の実話。

感想・レビュー・書評

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  • ラジオ番組の企画として集めた130の実話。世の中、嘘みたいな本当の話というのはたくさんあるもんなんだな、とも思うし、何気ない普通の人生にも何かしら物語があるものだなと感じる。

  • アメリカに生きている人、一人一人のちがった物語が見えてくる。とてもおもしろい。

  • アメリカが物語を語るのが聞こえてくる。
    多民族国家だというのは知っていたけれど、イタリア系、メキシコ系、北欧系などなど、本当に様々な人々がアメリカには住んでいるんだなということが、ここからわかる。
    なにしろこのプロジェクトに選ばれる基準は、送られた文章が面白い内容かどうかだけで、文の上手い下手も、住んでいる場所も、職業も、肌の色も関係ないのだから。

    アメリカに住む様々な人々の持つ物語。
    あの広い国の何処かで偶然に旧い知り合いに会う、もしくは子供の頃無くした物と別の場所で再会する奇跡。
    少し時代を遡ればすぐに南北戦争なんかがあり、第二次大戦を機に移住してきた人達もあり、そういう大きな時代の動きも感じられた。

    アメリカという国の、ごった煮感とそのまとまらなさゆえのかなしみというかそんなものもそこはかとなく感じながら読んでいた。

  • ナショナル・ストーリー・プロジェクト

  • しみじみしたりへーと感心したり、あまりに不思議でスピリチュアルな方向へ行っちゃいそうだったり、オムニバスの映画を観ているみたいだった。
    あとがきで柴田元幸さんが一気読みを進めておられたが、わたしにはそれは無理だったなー。
    オースターの他人に対する温かい眼差しが存分に感じられてよい。文庫版を入手。

  • H28/4/5

  • 読むのに一週間以上かかってしまった。面白かったけれど時間がかかった。市井の人たちがオースターのラジオに投稿した本当にあった話。その人の話をしたらその人に会った的な不思議な偶然の話が多かった。人生というのは本当に不思議なことが起こる。映画に出来そうな話もたくさんあった。

  • 10/24 読了。

  • 信じようと信じまいとー

  • アメリカのラジオ番組で、リスナーから寄せられた「ホントにあった嘘みたいな話」を中心に、愛や戦争、家族などをテーマに、選りすぐられたショート・ストーリー。

    朗読したポール・オースター曰く、「アメリカが物語を語るのが私には聞こえた。」確かに、当時の市井に生きるアメリカ人の喜びや悲しみ、後悔、歓喜の声が聞こえてくる。

    「ホントにあった嘘みたいなの話」は、ややもすると俗に言う「深イイ話」「泣ける話」であっさり終わってしまい、まぁ良くある話だと、片付けられそうな感じもする。

    実際に経験した「ホントにあった嘘みたいな話」という条件設定では、一般的な枠組みでは、その物語の良し悪しを判断できないことは当然で、やはりそこには個人の感情が無条件で露出される。

    つまり、だれもが自分だけの「とっておきの話」を一つや二つは持っていて、それに勝る魅力的な物語はない、ということか。

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著者プロフィール

1954年生まれ。東京大学名誉教授、翻訳家。ポール・オースター、スティーヴン・ミルハウザー、レベッカ・ブラウン、スチュアート・ダイベックなどアメリカ現代作家を中心に翻訳多数。著書に『アメリカン・ナルシス』、訳書にジョナサン・スウィフト『ガリバー旅行記』、マーク・トウェイン『ハックルベリー・フィンの冒けん』、エリック・マコーマック『雲』など。講談社エッセイ賞、サントリー学芸賞、日本翻訳文化賞、早稲田大学坪内逍遙大賞を受賞。文芸誌『MONKEY』日本語版責任編集、英語版編集。

「2023年 『ブルーノの問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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