若い小説家に宛てた手紙

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105145064

作品紹介・あらすじ

創作とは多大な犠牲を強いるものであり、将来の保証は何もない。それでもなお小説家を志そうとする若い人へ、心から小説を愛している著者が、小説への絶大な信頼と深い思いを込めて宛てた、感動のメッセージ。

感想・レビュー・書評

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  • 作家がどのように小説を書いているのかが垣間見れて興味深い。

  • バルガス・リョサの小説論。
    世界中の文学を志す若者達へ向け、文学の厳しさを述べるとともに、力強いエールを送ってくれています。

    気分がおちたときにまた読もう!

  • ノーベル文学賞を受賞したバルガス=リョサ。「楽園への道」はまだ読む機会がない。本屋でこれを見かけて、そういえばオルハン・パムクがノーベル賞受賞したときも、小説は敷居が高かったので「父のトランク」を読み、それにいたく感動したことを思い出したので、それではこちらから読んでみるかなと思って購入。どんなひとなんだろーという興味から。

    読了。小説を書きたいと思う若者に向けて、優しい言葉で相談にのっている書簡の体裁をとってはいるが、ところがどっこい、これは作家になろうという多くの若者の願望に釘を刺すような、物書きになることの覚悟を問われる本であります。特に巻頭の2章。これを読んで、生ぬるい若者はさっさと断念してもいいと思う。

    それから先、中盤にかけては世界中の多くの名作がぞろぞろ取り上げられていて、勿論それらの作品は読んでいるのが前提として語られるし、(だってあなたははからずとも小説家になりたいと思ってるんでしょう?)、読んでないとこの文章の理解が全く深まらないし、しかし読んでいない本も、うわあ、これなんだか面白そうな作品だと知ることができたりもする。

    さあさああなた、この本を読んで、それでも小説家になりたいか?

    ペルーの作家がフローベールに影響されていたというのが意外だった。この本の前に「ボヴァリー夫人」が必読。読んでないひとには、作者の意図が充分に理解できないよ。

  • ペルー・アレキパ出身作家、バルガス・リョサの小説論。

    書簡形式(若い小説家との文通的な)なので、普通の文学論よりとっつきやすい。
    堅苦しくない。けど、すっごく難しい。
    ほんと、文学ってむずかしいわ・・・

    バルガス・リョサが技法の例に出してる小説を8割以上読んだことがなかったので、これらの小説を読んでからまた出直す!
    すごい量の本が出てきたからびびったー
    小説書きつつ、小説読みまくる、ってどんだけ文字にまみれた生活をしてるんだ。

    紹介文献メモ
    トマス・ウルフ『時間と河』『天使よ故郷を見よ』『ある小説の物語』
    ギュスターヴ・フローベル『ボヴァリー夫人』『感情教育』『聖アントワーヌの誘惑』
    ウィリアム・バロウズ『ジャンキー』
    ボルヘス『幻獣辞典』「隠れた奇跡」
    プルースト『失われた時を求めて』
    メルヴィル『白鯨』
    ジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ』
    ルイ=フェルディナン・セリーヌ『なしくずしの死』
    フォークナー『蚊』『サートリス』『死の床に横たわりて』
    サン=テグジュペリ『城砦』
    スタインベック『怒りの葡萄』
    アンブローズ・ビアス「アウル・クリーク橋の一事件」
    ミシェル・ビュートル『時間割』
    カルペンティエル「種への旅」『この世の王国』
    ロレンス・スターン『トリストラム・シャンディ』
    H・G・ウェルズ「タイム・マシン」
    ヘンリー・ジェイムズ『ねじの回転』
    アラン・ロブ=グリエ『嫉妬』『新しい小説のために』
    ヴァージニア・ウルフ『オーランドー』『ダロウェイ夫人』
    D・M・トマス『ホワイト・ホテル』

    訳者あとがき 文献メモ
    『カルヴァーノの文学講義』
    『エーコの文学講義』
    デイヴィッド・ロッジ『小説の技巧』
    ジョン・サザーランド『現代小説38の謎』

  • 文学論や文芸批評もまた文学である、とはこの本のことも指すと思った。表現が詩的で、比喩も面白い。
    そして結局、小説を書くことについては根性論なのも面白い。


    以下おもしろいと思ったところのメモ

  • 文学

  • 手紙という体裁が効果的で、分かりやすく、適度な長さで書かれていて、必要十分な内容。全体というのかな、まとまりの大切さみたいな。工夫も大事。でも不自然じゃなんにもならないっていうような。いろんな重要な基本的な仕組みや仕掛けについて書かれていて、今読んでる本もなんかよりよく読める気がした。書き手としても読み手としても学ぶところの多い本だったかな。

  • 文学は女性差別的である、という理解を深めた。

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:901.3||V
    資料ID:95110268

    ※2015年10月の「手紙」でも取り上げました。

  • 書かずにはいられなら作家になんかなるな、ってことですね。玉石混淆で溢れ返っている昨今の書店を見ると、ほんと、そー思うわあ。

    この手の本って、贔屓の作家が書いていると「こんなの書いてないでxxxの続編を書いてくれ~」と頭にくるので、このくらい距離のある作家だと純粋に贅沢を楽しめる。

    ただ読みたい本が増えちゃうんだよね・・・・
    当然ながらラテン系多し。

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