愛その他の悪霊について: Obra de Garci´a Ma´rquez1994
- 新潮社 (2007年8月30日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
- / ISBN・EAN: 9784105090166
感想・レビュー・書評
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五感に訴えてくる表現が多いので、するする読めるけど、なかなか理解するのが難しい内容に思われた。2人がともに見た夢の舞台、雪の降る荒野がおそらく同じ土地、サラマンカであることが印象的だった。それが決して報われない愛を象徴しているのかと思ったり、いつかその地で2人の愛が成就するのかと思ったり。
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愛だけでなく、孤独感や強欲さ、執着心もまた悪霊となりうること。
混沌とした植民地社会では誰もがその要因を胸に宿しており、少女を悪霊憑きにしようとした人々もまた悪霊憑きなのだろう。そうして悪霊が蔓延した世界では、愛が成就することのほうが異常であって、破滅への道を辿るのは必然に思えた。
だから尚更、少女と神父の見た夢は、鉛色の重たく陰鬱な空気が立ち籠めている現実に反し、無限に広がる純粋無垢な雪景色なのかもしれない。
どうか二人の雪原だけは誰にも踏み荒らされることがないように、あらゆるものから自由であるように、と願った。
《2014.08.13》 -
マルケスを好きになったきっかけ
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悪魔憑きとされた少女と、敬虔な男が恋に落ちる話。
どうしようもない人々の中で、愛だけがきらめいていた。
悪が作られる瞬間の虚しさ -
人はこんなにも孤独なのか…人々があまりに愛とすれ違い過ぎて、孤独と切なさに胸を打たれて本を閉じる。読み始めた時は、ただのジャーナリズム的な物語かと思ってなかなか引き込まれなかった。が、exorcismoを任されたdelauraがsierva mariaのもとの通うようになってからの、物語に血が通ったかのような魅力は魔法としか思えない。
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宝物
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マルケスが亡くなった。百年の孤独をあげる人が多いが僕はこれ。
ここ10年でベスト5に入る -
マルケスの中で一番好き
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結局、愛とは悪魔とは神とは何か、わからぬまま錯綜する人びとのお話。わたしにもわかりません。
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映画が凄く良かったので、原作も読みました。
それがマルケスを好きになるきっかけになりました。
一回読んだだけでは、この作品の良さは味わえないです。
印象に残っているのは、やっぱりマリアの悪魔的な魅力。
この作品は、まだ女性ではない、あの年頃の少女の悪魔的魅力を描いた、ロリータ芸術のようにも思えました。
マリアが悪霊に憑かれていなくても、マリア自身が悪霊なのかな。
デラウラがサタンと呼ばれた場面には鳥肌が立った。
マリアの父親は、不器用でどうしようもない。
もし、オリビアと結ばれていたならと思うと、悲しい。
やっぱり、当時のコロンビアはこんな感じだったのでしょう。
暑苦しくも哀愁漂うコロンビア、行きたいです。