- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784105070618
感想・レビュー・書評
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政治・経済学習の一環。民主主義のあり様が危惧されている昨今、それを守っていくことの難しさと、それを維持していくことの困難さを強く再認識しました。独裁的な体制に対して同じ様に、排他的、暴力的な方法を用いることの愚かさはアメリカや香港の未来で明らかになる可能性があるかもしれません。そうならないことを願うのみならず、それを対岸の火事とすることなく、自分たちのこととして常に考えていかなければならないと痛感しました。75
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現在進行形の怖さ
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今、民主主義は危機的状況にある。トランプ政権がようやく倒れたのは良かったが、世界的に見ればまだまだ油断はできない。
選挙は民主主義を護れるのか、日本は民主主義を護れているのか。一人ひとりが考えなくてはならないと思う。 -
合法的な独裁化。
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民主主義の死に方:二極化する政治が招く独裁への道。スティーブン・レビツキー先生とダニエル・ジブラット先生の著書。世界中で民主主義が崩壊に向かっている。大衆迎合主義者や極端な過激派勢力が権力を手中にすると、合法的な独裁化で民主主義が危機にさらされる。アメリカのトランプ大統領のようなタイプの政治家が世界中で生まれている事実。民主主義を守って、独裁政治を防ぐには、きちんと選挙に行くこと。
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かなり面白かった。
日本の場合に当てはめてみたらどうなるだろう?とずっと考えている。 -
〈かつて民主主義は革命やクーデターによって死んだ。しかし、現代の民主主義の死は選挙から始まる〉――アメリカの事例を中心に、民主的に選ばれた代表が「独裁者」になっていく道筋を提示している。
本来、民主的な制度のうちには「独裁者」が生まれるのを防ぐためのしくみが備わっているはずだ。ところが独裁者は巧妙にその「たが」を外していく。それをサッカーにたとえている部分(p105)が秀逸だ。
●審判を抱き込む
公務員や非党派の当局者をこっそり解雇し、支持者と入れ替える
裁判所を支配する
メディアの買収
●対戦相手を欠場させる
対立している相手を捜査、逮捕、投獄、訴訟
実業家を標的にする
文化人を抑圧する
●ルールを変える
選挙区の変更
投票の制限
●「危機」を訴えてこれらを正当化する
こうして並べてみると、安倍晋三がやっていることと驚くほど一致している。
また、本書が「民主主義のガードレール」と呼んでいる2つの規範、「相互的寛容」と「特権の乱用を避けること」についても、「執拗な民主党政権批判」「臨時国会開催の義務を履行しない」「恣意的な解散権の行使」など、ぴたりと当てはまる。
本書の定義によれば、日本ではすでに民主主義は半ば死んでいて、安部独裁が完成間近であるということになる。暗澹とした気持ちになる。 -
民主主義を守っているのは憲法や法律よりもむしろ本書でやわらかいガードレールと呼ばれる規範や慣習であり、独裁者はまずそこを攻撃する、という指摘は説得的。