太陽の塔

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104645015

作品紹介・あらすじ

何かしらの点で彼らは根本的に間違っている。なぜなら私が間違っているはずがないからだ、と宣う、ひねくれた学生の夢想を描いたデビュー作。第15回日本ファンタジーノベル大賞大賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 京都大学五回生の「私」は後輩の水尾さんに振られた。
    だが!水尾さん研究を重ね、240枚を超えるレポートまで完成させるほどの執着心と熱量を保っていた!

    そのエネルギー源は、男女交際に熱心な学生への嫉妬であり、大きすぎて四畳半に収まりきれない自尊心であり、水尾さんに熱を上げる遠藤への対抗心であり、じめじめとした盟友たちとの絆である。

    もんもんとしたストーカー行為のなかで、盟友のひとり、飾磨が引き起こした「ええじゃないか騒動」により、「私」はどうでもええわけがないことに気付く。
    「私」には水尾さんが必要なのだ、と。

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    ストーカー行為をしてるひとは自分がおかしいと気づかない。なぜなら自分を正当化しているから。

    自分を正しいと思い込み、周囲の人間を軽蔑するあまり、自分が周囲から軽蔑されていることに気付かない男、それこそがこの物語の「私」なのだ。

    突き抜けてる感が読んでいて爽快。

    初めてこの本を読んだのは大学生のときで、アニメ『四畳半神話体系』の予習のつもりだった。
    壮大すぎる自尊心と救いようのない妄想世界に魅了され、何冊もモリミー作品を購入したのはいい思い出である。

    再読した今回は『四畳半神話体系』のキャラクターたちのイメージで読んだ。水尾さん=明石さん的イメージ。
    飾磨が小津のイメージだったので、「僕なりの愛ですよ」が脳内再生されてていた。
    『四畳半神話体系』も読み直さねばならない。

  • ゴ○○○キューブはだめ!。

  • 森見さんのデビュー作ながら、すでに森見さん色が満開。そしてすごく直球。ストレートに苦悩が伝わり胸がいっぱいになった。後の作品のような豊かなストーリーがない分、心情が伝わりやすい。

  • おバカな青春を軽妙な言葉遊びで駆け抜け、飽きさせることなく常に心をつかみっぱなしにする才能はここで既に開花しています。冒頭の一言から既にぐいっと話に引き込みます。最高だし最低の冒頭文。いいですねー。
    小刻みに面白さを振りまく才能、一冊を読み通させる力が強いので本を読みなれていない人に特にお勧めです。かと思えば単純で一本調子という訳でもでも無いので、軽妙だけど読み応えも意外とあるんですよね。やはり才能にあふれた人なんだろうな。
    でもがっぷり嵌れないのは僕の素養なので本には罪が無いです。面白い事は保障します、単純に好みの問題か。

  • 面白かった。飾磨の「これは俺のゴンドラ」のくだりは特に好き。笑った。全体的に濃いキャラばかりだけど、みんな突き抜けてて良い。で、後半の切ない感じがホロリときて、いっそう良かった。男子では、ありませんが楽しく読めました。

  • 「夜は短し〜」を読んで森見小説にハマった直後に
    これを読んでしまったため精神ダメージを受けてしまった…

    似たようなノリで、面白いんですが
    結末は「夜は短し〜」と全く違うので
    「夜は短し〜」の前に読むことをオススメします。

  • チー牛の骨頂。キモいけれど、キモすぎて面白かった。言葉選びやフレーズが独特で、笑ってしまった。

  • 這本是作者第一本出道作,描寫五年級休學中的農學部大學生森本失戀後以及充滿男汁(作者用語)的生活。個人覺得很接近私小說,對於森本周遭的友人飾磨、高藪、井戸等人的描寫感覺很像是真有其人。整個故事的主軸是作者雖然失戀之後但還是不斷地在"研究"(其實根本就是跟蹤)前女友水尾,後來偶然發現另外一個對手遠藤(也是在跟蹤水尾)。作者的男性友人圈對於接下來即將到來的聖誕節戀人法西斯主義感到非常抗拒,想要辦一些活動來抵抗一下這些雙雙對對放閃的傢伙,於是竟然在四條河原重現ええじゃないか的活動。

    這裡面其實真的就是京大生的活動範圍、日常生活(連附屬圖書館都出現了....),例如鴨川等間隔の法則,熟悉京都的人讀起來應該有種莫名的熟悉與親切感,這點是有趣的。但就作品內容而言,大學生的荒唐無稽以外,文學性還有待成長(這似乎是作者的第一本作品),標題的太陽之塔,是作者帶水尾去過的地方,也出現在水尾的夢中,但這個意象在最後是不了了之,內容比較像羅列紀錄。就算如此,確實蘊藏著很多可以發展的故事性。

  • 初の森見登美彦さんでしたが、文体と人物の思考が面白くて笑ってしまった。ある意味突っ張った若い男衆の世界が新鮮だった。終盤ほろりとした。

  • とてもクセの強い登場人物たちが生き生きと躍動する。そしてみんながとても愛おしい。ストーカーの鬱屈としたお話とあなどるなかれ、恋をしたい若者の眩しさ溢れる楽しい作品だった。

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著者プロフィール

1979年、奈良県生まれ。京都大学大学院農学研究科修士課程修了。2003年『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。07年『夜は短し歩けよ乙女』で山本周五郎賞を受賞。同作品は、本屋大賞2位にも選ばれる。著書に『きつねのはなし』『有頂天家族』など。

「2022年 『四畳半タイムマシンブルース』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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