暗い林を抜けて

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104444106

作品紹介・あらすじ

会いたいときは、あの林に来てくれ。まだそのあたりをほっつき歩いているから――。五十を前にして病を得た記者の三十年の歳月。京都での学生時代、駆け出し記者だった頃の結婚、十年後の離婚、新たな家庭と四十代にして初めて儲けた息子。東日本大震災の激務を経ながら癌を患い、現役記者を続けて六年。いよいよ最後の日々が近づいてくる――。『鶴見俊輔伝』で大佛次郎賞を受賞した作家が、ままならない人生のほのかな輝きを描く最新長篇。

感想・レビュー・書評

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  • 静かに進む。

  • ひとりの男の生。重いが読んでよかった。
    自分の一生をこんなにも深く詳しく記すことなどできる人はそうないだろう。実在の人物、あった事件、作者が本当に主人公とともに歩んでいるような、主人公自身であるような、そう感じさせる筆力だ。

  • 帯の通り、死を含んで続いていく生と世界の営みを淡々と綴った良質な小説であった。

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著者プロフィール

作家。1961年京都市生まれ。同志社大学文学部卒業。1999年、初の小説『若冲の目』刊行。2008年『かもめの日』で読売文学賞、13年刊『国境[完全版]』で伊藤整文学賞(評論部門)、14年刊『京都』で毎日出版文化賞、18年刊『鶴見俊輔伝』で大佛次郎賞を受賞。主な作品に『もどろき』、『イカロスの森』、『暗殺者たち』、『岩場の上から』、『暗い林を抜けて』、『ウィーン近郊』、『彼女のことを知っている』、『旅する少年』、評論に『きれいな風貌 西村伊作伝』、『鴎外と漱石のあいだで 日本語の文学が生まれる場所』『世界を文学でどう描けるか』、編著書に『〈外地〉の日本語文学選』(全3巻)、『鶴見俊輔コレクション』(全4巻)などがある。

「2023年 『「日本語」の文学が生まれた場所』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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