別れの季節 お鳥見女房

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 104
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104235162

作品紹介・あらすじ

大人気シリーズ『お鳥見女房』ふたたび。黒船来航に大地震で世情騒然。でも、あの人の待つ家さえあれば、何も怖れることはない。次男二女も独立し、孫にも恵まれ、幸多い日々を過ごしていた珠世。が、浦賀に黒船が来航し、雑司ヶ谷の居宅にも激震が。またかつて居候していた石塚源太夫の郷里、小田原は大地震に見舞われた。珠世は思い知る、時の流れは出会いとともに、別れを連れてくることを。不穏な時代を生き抜く人の知恵と日々の歓びを描く連作短篇集。

感想・レビュー・書評

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  • 6年振りに久々のお鳥見女房珠代との再会。
    しかし、これが最後、もう会えないかと思うと、頁を捲る手も滞りがち。
    「ほこほこと温かくて、おそばにいるだけで安心でき」「来るものは拒まず、あるがままに受け入れて良いところを見つけてゆこうとする」この主人公は、著者の理想像と、あとがきで書いている。
    読者にとっても、心癒される存在だった。
    「○○ロス」とよく言われるが、まさに珠代ロスに襲われている読者も多いことだろう。書くいう読書子もその一員。
    他のレビューにも書かれてあったが、嫁の恵以か誰かを主人公にして、新シリーズができないものか。時々、珠代さんも登場させて。

  • これが最後かと思うとお仕舞が近づくにつれて
    読むスピードが遅くなる。珠代のホンワカした笑顔。そんな母でありたいと
    自分を戒める。長い間ありがとう。出来ればお嫁さんに代替わりでも「お鳥見女房」続きを希望です。

  • お鳥見女房、完結。もう、珠世さんに会えないなんて……。珠世さんのあたたかさとでもしっかりしているところが愛しくてたまらんシリーズでしたが、珠世さんもお年を召されて、次の世代に、ということで完結です。このシリーズで、時代小説にはまったといっても過言ではないので、さみしい。また面白いシリーズ読みたいです!シリーズは歴史上の人物が登場するわけでもないのに、なんか面白いです。じわっとくる面白さ。おすすめです。

  • 小説新潮2018年1月号:嘉永六年の大雪、4月号:大鷹卵、7月号:黑船、10月号:御殿山、2019年1月号:天狗の娘、4月号:別れの季節、掲載のものを2019年11月新潮社から刊行。シリーズ8作目。最終巻で、もう読めないと思うと、とても残念ですが、20年楽しませて貰いましたから、満足です。

  • シリーズ第八弾。

    黒船来航など不安な事が続いても、えくぼが素敵な珠世さんが居るかぎり、矢島家の安心感は変わらないですね。
    個人的に新選組が好きなので、「試衛館」の名が出てきて胸が高鳴りました。
    あとがきで、“「珠世さんのお鳥見女房」を締めくくる”と書かれていましたが、本書をもってシリーズ完結なのか、今度は恵以さん等をメインに再始動するのか、大好きなシリーズだけに気になるところです。

  • 2018〜19年に小説新潮に掲載された6話の単行本化で、シリーズ8作目にして最終作。

    前作が2013年だったので久しぶりだが、20年たって完結してしまった。とても好きだったシリーズなので残念。

    源大夫と多津の矢島家での呉越同舟から始まって、物語の中では15年が経っていて、その源大夫と多津が小田原に帰る。怨讐を超えさせた主人公珠世のすべてを受け入れる姿は今回もそれは健在で、嫁の恵以(鷹姫)に受け継がれることが最後に示される。
    久太郎たちの窮地を救ったのは、源次郎が通う試衛館の後の近藤勇だし、吉田松陰の黒船密航未遂や佐久間象山の連座の衝撃もストーリーの大きな流れになっている。

    このあとの尊皇攘夷の嵐の中で、源次郎は新撰組に加わるのだろう。鷹狩りどころではなくなって御鳥見役はどうなるのだろう。十数年後の幕府の瓦解を思うと彼らがとても心配になってしまう。
    どうか、明治の社会で明るくたくましく生きているスピンオフを書いて欲しい。

  • 安定の「お鳥見女房」シリーズ。
    秋も源太郎も結婚し、源太郎に家督を譲った石塚家は小田原に帰って行く。(だから「別れの季節」)
    黒船がやってきて日本も大きく変わろうとしているなかで珠世の周囲も変化してゆく。

  • 物語の中にも、黒船来航か…。

  • おもいがあればこその喧嘩

  • 【収録作品】第一話 嘉永六年の大雪/第二話 大鷹の卵/第三話 黒船/第四話 御殿山/第五話 天狗の娘/第六話 別れの季節

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著者プロフィール

諸田玲子
静岡県生まれ。上智大学文学部英文科卒。一九九六年『眩惑』でデビュー。二〇〇三年『其の一日』で吉川英治文学新人賞、〇七年『奸婦にあらず』で新田次郎文学賞、一八年『今ひとたびの、和泉式部』で親鸞賞を受賞。著書に『お鳥見女房』『あくじゃれ瓢六』『きりきり舞い』シリーズのほか、『四十八人目の忠臣』『波止場浪漫』『帰蝶』『女だてら』『尼子姫十勇士』『しのぶ恋』など多数。

「2023年 『其の一日 増補新版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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