生物学の「ウソ」と「ホント」: 最新生物学88の謎

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104231119

作品紹介・あらすじ

ホンマでっか!? 「生物のルール」をめぐる言説の真偽を読み解く88講。シーラカンスはなぜ進化しないのか。哺乳類はなぜ長生きしないのか。女心と秋の空が移ろいやすいのはなぜか。ナマケモノはなぜ怠け者なのか。人間の能力を決めているのは遺伝か環境か――。生物をめぐる根源的な疑問から、目の前で起きている不思議な現象のしくみまで。最新の知見を尽くして明快に説く、腑に落ちる生物学講座。

感想・レビュー・書評

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  • 「ホンマでっか!? 「生物のルール」をめぐる言説の真偽を読み解く88講。シーラカンスはなぜ進化しないのか。哺乳類はなぜ長生きしないのか。女心と秋の空が移ろいやすいのはなぜか。ナマケモノはなぜ怠け者なのか。人間の能力を決めているのは遺伝か環境か――。生物をめぐる根源的な疑問から、目の前で起きている不思議な現象のしくみまで。最新の知見を尽くして明快に説く、腑に落ちる生物学講座。」

  • ふむ

  • 進化や遺伝子、オスとメス、恐竜、昆虫など多岐な話題が2ページづつのトピックで記載されており、楽しく読んだ。それぞれ2ページの軽い内容だが、興味深い内容が多い。生物学への興味を喚起するのに良い本。

  • 読書録「生物学の「ウソ」と「ホント」」3

    著者 池田清彦
    出版 新潮社

    p51より引用
    “ 別言すると、ルール通りに動かなくなっ
    たらクラッシュしてしまうものが機械で、い
    ざとなったらルールを適当に変えて、動き続
    けることが可能なものが生物なのだ。だから
    生物は時々別の種に進化するのだ。”

    目次から抜粋引用
    “生物進化の謎
     生命とはなにかー遺伝子と細胞の謎
     環境と生態の謎
     ヒトの謎”

     生物学者である著者による、現在の生物学
    の知識をまとめた一冊。
     生命の誕生についてからヒトの寿命につい
    てまで、新聞に連載されたコラムをまとめて
    あります。

     上記の引用は、生命と機械の違いについて
    書かれた項での一節。
    生命というものは、案外大雑把でいい加減な
    ものなのかもしれませんね。しかし、自然の
    中に見られる、機械のような緻密な造形は、
    いざとなったら変化してしまうような柔軟さ
    を備えているとは、なかなか思えません。
     科学というものは、常に新しく書き換えら
    れているもののようなので、時々新しい知識
    を仕入れるようにした方が良いのかもしれま
    せん。まあでも、普段から科学の最新知識ば
    かり追いかけていられるヒトばかりではない
    かもしれませんが。
    定期刊行の科学雑誌を読むのが、手っ取り早
    い方法でしょうか。

    ーーーーー

  • 請求記号 460/I 32

  • なかなか面白い先生だが,専門は昆虫かなぁ~史上最大の生態系破壊者はシアノバクテリアで,光合成を始めて有毒な酸素を造り出した。花粉症の仮説①花粉と排気ガスが反応した②道が舗装され落ちた花粉が再び舞う。アレルギーの原因であるIgEと呼ばれる抗体は対寄生虫用の武器だったが,回虫がいなくなって花粉に反応している。哺乳類が長生きできないのは,テロメアという染色体の末端が細胞分裂の度にきれて,ヒトだと50回(ガラパゴスゾウガメのヘイフリック限界は100回,ウマ30回,マウス10回)分裂するとなくなるから。哺乳類は爬虫類単弓類の一種。双弓類は多様性を持っている。トンボは原始的で翅脈が複雑,アリ・ハチの膜翅目・ハエ・アブ・カの双翅目の模様は単純で飛ぶのは双翅目が上手。金魚は液体窒素に漬けて瞬時にフリーズさせ,常温の水の中へゆっくりリリースすると泳ぎ出すが,人間は瞬間冷凍できるほど小さくない。水鳥についているウイルスは滅多に発病せず,ニワトリに入ったものとヒトに入ったものが同時にブタに感染すると新種のウイルスに変貌する。ストレスで免疫力が弱くなる。雄なしで作られたコモドドラゴンの子が雄なのは,雌の性遺伝子がヘテロでZWだから。雌は遠い雄に惹かれる傾向があるため,世界の日本人妻は見た!となるのだ。牛はバクテリアや原生動物を使って草をタンパク質に変え,馬は炭水化物を摂りすぎるので運動してカロリーを消費する。人間は元々肉食であったが,炭水化物を摂るようになって休みなく働くようにならざるを得なかった。セーラー服はミューラー型擬態で,このパターンに手を出してはいけません(鳥もオジサンもバカだということ)。ダイオウグソクムシというのは海底に棲むダンゴムシの仲間だが体長45cmになる。都市部ではスズメやツバメが減少しているが餌の虫が減少しているせいか。カラスは増え,オオタカもカラスを餌にすることを覚えて増えている。オオタカは追ってくるカラスが一羽になったところで襲いかかり,水の中に突っ込んで溺死させる。生まれたての赤ん坊の脳細胞は1200億個,2歳児は200億,刺激を受けた細胞は大きくなり他は働かなくなり,成人の脳細胞は120億個。結核菌は9千年前に出現し日本には3世紀に到来。ガンは悪性なら転移しているし,良性なら転移しないので,放っておく方が良く,医者に通わない方が長生きできる。日本の百歳以上の高齢者は今や6万人~DNAの話とか免疫の話はややこしく,専門的なカミキリ虫の名前は判りにくくて困ったが,エッセイだから,野暮に,細かく内容は書きたくない。おっ,と思わせるおもしろ話題がある。この先生はどうやらカミキリ屋らしい。養老孟司も出てくるがムシ仲間だ。夕刊フジに「今宵学べる生物学」で2013.4.6~2014.12.27連載

  • 人間の能力は遺伝と環境両方によってきまる。
    才能があっても環境が悪ければその能力は開花しないのである。
    例えば、赤ちゃんを4歳まで目隠しして育てると目が見えなくなる。8歳までに言葉の刺激を与えなければ言語野が昨日しなくなりその後どんなに頑張っても話せなくなる。
    それらの年齢は臨界期という。
    よって、こどものうちに脳に対して刺激を与えなければ能力はうしなわれていくのである。

  • 虫の話も面白かったが,やはりヒトに関連するものが目を引いた.38億年前にバクテリアが登場し,多細胞生物が出現するまで32億年かかった由.さらにミトコンドリア・イブが出現するのが16万年前.凄い年月だ.人間の寿命が114±2歳というのも面白い.ガンの近藤説についても的確な意見を述べていると思った.楽しい読み物だ.

  • これ!良いんです。またまた読みたい。

  • ■書名

    書名:生物学の「ウソ」と「ホント」: 最新生物学88の謎
    著者:池田 清彦

    ■概要

    シーラカンスはなぜ進化しないのか。「女心と秋の空」が移ろいや
    すいのはなぜか。ナマケモノはなぜ「怠け者」なのか。etc.生物を
    めぐる根源的な疑問から、フシギな生命現象のしくみまで。最新の
    知見を尽くして明快に説く、ホンマでっか!?な生物学講座。
    (From amazon)

    ■気になった点

    なし

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著者プロフィール

池田清彦(いけだ・きよひこ) 1947年生まれ。生物学者。

「2020年 『ポストコロナ期を生きるきみたちへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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