失われたパリの復元: バルザックの時代の街を歩く

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104072026

作品紹介・あらすじ

あの特別な街を愛する人へ――「十九世紀の都」紙上旅行へのいざない。入りくんだ街路をはじめ、市場、劇場街、カフェや高級レストランなど、オスマン男爵の都市改造で破壊された街並が、幻の銅版画集と古地図からよみがえる。当時のパリを知れば、『人間喜劇』『レ・ミゼラブル』『悪の華』といった名作もよりリアルに。著者のライフワークにして比類なき一冊、カラー図版満載でついに刊行。

感想・レビュー・書評

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  • ナポレオン三世の発案で行われた、オスマンのパリ改造計画。
    多くの建物が壊され、広く真っ直ぐな道が通された。
    だが、それ以前のパリの街はどんな景観だったのか?
    街並みを描いた三百枚の銅版画を中心に、多くの地図、絵、
    そしてバルザックやユゴーたちの小説に登場する場所を辿り、
    パリ改造以前のパリの様子を探る。
    ようこそ幻想時間旅行へ!
    マルシアルの銅版画集「いにしえのパリ」の三百枚のパリの街並み、
    様々な地図、挿絵、「タブロー・ド・パリ」収録の図版
    (これが秀逸!ストリートビューですよ!)から、
    当時の名所や文学作品を彩る場所を訪ねます。
    過去を伝える銅版画集の素晴らしいこと!
    かつてのパリの街並みは、背の高い建物に挟まれた狭いうねった
    魅惑的で猥雑な通りが多く、場所によってはバラック小屋にも
    縁どられていました。
    マリウスが通った大衆食堂、「天井桟敷の人々」の犯罪大通り、
    ラスティニャックが訪れたカフェ・ド・パリ・・・それらは
    実在した場所なのです。
    巻末に地名・建物名索引と人名・作品名索引があるので、
    十九世紀フランス文学を紐解きながら出てくる場所を調べるのも
    楽しいと思います。

  • <閲覧スタッフより>

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    所在記号:235.3||カシ
    資料番号:10237569
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著者プロフィール

1949(昭和24)年、横浜に生まれる。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。2008年より明治大学国際日本学部教授。20年、退任。専門は、19世紀フランスの社会生活と文学。1991年『馬車が買いたい!』でサントリー学芸賞、96年『子供より古書が大事と思いたい』で講談社エッセイ賞、99年『愛書狂』でゲスナー賞、2000年『職業別パリ風俗』で読売文学賞、04年『成功する読書日記』で毎日書評賞を受賞。膨大な古書コレクションを有し、東京都港区に書斎スタジオ「NOEMA images STUDIO」を開設。書評アーカイブWEBサイト「All REVIEWS」を主宰。22年、神保町に共同書店「PASSAGE」を開店した。

「2022年 『神田神保町書肆街考』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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