月の砂漠をさばさばと

著者 :
  • 新潮社
3.71
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本棚登録 : 344
感想 : 69
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  • Amazon.co.jp ・本 (138ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104066032

作品紹介・あらすじ

あの日子どもだったわたしと、いつかおとなになるあなたと、ともに暮らす日々のきらめき。せつない想い、あたたかいまなざし…9歳のさきちゃんと作家のお母さんの毎日を描く、カラーイラスト40点入りの12の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 9歳のさきちゃんと作家のお母さんの毎日がやさしい文章とイラストで描かれています。
    さきちゃんがとてもかわいい。そしてお母さんがおもしろい。
    こどものおもしろくてかわいい発想に対するお母さんの返しが楽しいです。
    大人がこどもの理屈を理解できないこともあるし、こどもが大人の理屈を理解できないこともある。
    切なくもあたたかいお母さんのまなざしを感じます。

    「お母さんと子ども」という生活のチームが、≪親子≫の縦のつながりというより≪友だち≫の横のつながりに近いのではという、北村さんが抱いている感覚はとても的を得ているなと思いました。

    さばの味噌煮のお話がすごい笑えました…!

    いつのまにか忘れてしまった、小さな頃の日常のきらめきを思い出させてくれる一冊です。

  • あの日 こどもだったわたしと
    いつか おとなになるあなたと
    ともに暮らす 日々のきらめき
    作家のお母さんと、その娘さきちゃんのふんわりした日常を描く12の物語。

    この2人のやりとりがやわらかすぎてかわいい。
    こんな親子、憧れるなぁ。
    心が安らぎました。
    おーなり由子の絵もかわいい。

  • さきちゃんとママの話、という形態のお話集

    子育てって無駄なことばっかり、なんだよね。
    無駄で一銭にもならないいっぱいの時間に 心がふっくりとふくらむことがたくさんあるのですね。

    さばさばと、今度うたおう♪

  • 「月のー砂漠を さーばさばと
    さーばのみそ煮が ゆーきました」
    クスッとしたりほんわかしたり、でもちょっと切なくたくましい母と娘の物語。

    想像力って素晴らしいなと思える作品。
    そして、ちょっと工夫するだけで日常は少しだけ色づいたりするもんだなと思えた。

    2015.6.22

  • 「さて、お母さんは、こんなことを考えました。
    子供のやることにも、理屈があるのね。あなたのことはとっても可愛い。でも、あなたの理屈が見えないことは、これからだって、きっとある。そちらから、こちらが見えないことも。いい悪いではなくて、そういうものよね。」p.87

    この文章がとてもよかった。

    作家のお母さんとさきちゃん。ふたりの会話がもう可愛くて可愛くて!さきちゃんの子どもらしい想像力がほほえましく、またそれに負けず劣らず子ども心に溢れているお母さんもステキ。ときどき大人目線でさきちゃんを傷つけてしまうお母さんだけど、またそこも人間らしくていい。こんなお母さんになりたい。

    おーなり由子さんのイラストもぴったりで、理想的な本です。こんな本が書ける北村薫さんすごい!これは、子育てのバイブルにしなくては!借りて読んだけど購入決定。

  • 「猫が飼いたい」がよかった。今もだけどこのくらいの頃も猫が大好きだったなあ。切ない
    「善行賞のリボン」・・・写真撮ってって言うお母さんが可愛い。
    最後の、イスで本を読むさきちゃんの挿絵がお気に入りです

  • 『月の砂漠をさばさばと さばのみそ煮がゆきました』
    いつかおとなになったとき、幼かったある日に母がくちずさんでいたでたらめ歌を、ふと思い出すこともあるだろうか――。そんな「さきちゃん」と「お母さん」の、小さな日々のものがたり。

  • 小学3年生のさきちゃんとお母さんの日常が淡々と描かれている物語です。
    友達の様な関係の2人ですが、お母さんは時々さきちゃんの未来に思いを馳せます。
    「あるあるこんなこと・・・」小学3年生って不思議な時間ですね。
    クスっと笑い、ホロリと切なくなる物語です。セイジュ

  • めちゃんこ可愛いお話でした!
    お母さんとムナカタくんのやり取りが可愛かったです。
    お母さんになるならこんなお母さんになりたい!

  • 心温まる母子の話。簡単に読める。ちょうどプラネタリウムの「銀河鉄道の夜」の待ち時間に読んだ。タイムリー。

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著者プロフィール

1949年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。大学時代はミステリ・クラブに所属。母校埼玉県立春日部高校で国語を教えるかたわら、89年、「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。著作に『ニッポン硬貨の謎』(本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)『鷺と雪』(直木三十五賞受賞)などがある。読書家として知られ、評論やエッセイ、アンソロジーなど幅広い分野で活躍を続けている。2016年日本ミステリー文学大賞受賞。

「2021年 『盤上の敵 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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