ターン

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104066025

作品紹介・あらすじ

ターン、ターン、その繰り返し。でもいつかはリターンしたい。帰りたい。『時と人』の謎を探る書下ろし長編。

感想・レビュー・書評

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  • 北村薫「時と人」三部作の二作目 
    森真希は、売れない銅版画家。ある日、交差点で酷い交通事故に遭い意識を失ってしまう。 
    目覚めると、事故が起こる前日の昼下がりだった。 しかも1日を繰り返す自分以外の人は誰もいない孤独な世界だった。 
    偶然繋がった電話から、運命が動き始める。 
    繰り替えず時間をいう設定よりも、繋がらないはずの電話で結ばれた男女の恋愛に重きをおいたお話かな? 
    1997年の作品なので、まだ電話が固定電話メイン。 
    スマートフォン全盛の今だとかなり展開が違ったかも。 

  • タイムリープものは好きだけど、
    ここからどうやって広げるの?
    と最初は心配しましたが、とんでもない。
    SF要素に加え、感動あり、ラブあり、ヒヤヒヤありのてんこ盛り。
    また文体も素敵でした。

  • 時と人の三部作、第2弾。再読。十数年前なので、ほとんど忘れてた。でもタイヤを焼くシーンと、一番最後のセリフはなんとなく覚えてたかな。

    前半はちょっと退屈だけど、状況を理解するために必要。

    真ん中あたりで新しい登場人物が出てきてから話が展開し始める。

    シリーズ第一弾が17歳の多感な時期の話だったのに対して、知っていたけど会ったことのなかった運命の人との恋愛という感じか。

    最後、どう切り抜けることになるのかと思ったが、まあそういうことだね。

  • 再読。
    昔読んだのは、学生の頃。当時の私はラノベ好きのオタクで、この本を貸してくれたのは本物の「本好き」な友人だった。

    あれから15年ほど経った。

    ストーリーはほとんど忘れて、主人公が生ゴミを埋めるのと、東京に豪遊するシーンだけ無駄に覚えていた。けれど、読み返すと「ああ、この表現は」「このエピソードはこの本だったのか!」というシーンが多々あった。
    グラスに入った牛乳、泳ぐ蛇、あめんぼの影、「とろん」という言葉を使った水の表現。

    あれから何冊も本を読んだ。けれど、こんなにも私の言葉に影響を及ぼした本があっただろうか。
    こんなにも愛おしいシーンが詰まった本があっただろうか。

    主人公と、それを助ける泉さん、2人の感性がとてもステキ。楓の木の「フウ」という響きについて語り、木の様子をすぐに見に行ってくれる泉さんの。センスオブワンダーを大人になっても持っている人とは、こんな人なのかもしれない。

    時の三部作、残りの本も読みたくなりました。

  • 先に読んだ「スキップ」に比べて、こちらの方がサスペンスタッチで引き込まれた。
    「ターン」という題名通りに、何度も何度も同じ日に遡ってその先に進めない、というお話しだけど、更にひとつ捻ってあるのがいい。

  • 図書館で借りた本。現実の森真希は交通事故で意識が目覚めず5ケ月が経つ。夢の中の真希は毎日を普通に過ごしていた。だが周りに人がいなかったり不自然さは感じていたのだが、ある日電話が繋がって現実の真希の様子を知る事になり…と言う話で単調な日々の描写が長いのもあって、あまり面白さは感じず終わった。

  • 20年近く前に読んだもので、タイトルを忘れてしまいずっと気になっていた。事故にあった瞬間にもう一つの世界で生きているという発想が、いまでも車を運転していて蘇る。ラストを忘れてしまったので、また読み返したい。

  • 直木賞候補(1997下/118回)

  • 分厚いのでなかなか読もうと思えないのだけれど、好き。繰り返して繰り返してその先に出会うものがいい。北村さんの時の三部作はどれも好きだけど、特にこの作品が好きです。

  • 繰り返しの前半にあきあきしつつ、読みすすめたら、意外な展開に。形がないのに実を伴う、人とのつながり。不安定のようでいて、深い絆。其処此処にうなづきポイント(笑)まったく著者が男性とは思えない!

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著者プロフィール

1949年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。大学時代はミステリ・クラブに所属。母校埼玉県立春日部高校で国語を教えるかたわら、89年、「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。著作に『ニッポン硬貨の謎』(本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)『鷺と雪』(直木三十五賞受賞)などがある。読書家として知られ、評論やエッセイ、アンソロジーなど幅広い分野で活躍を続けている。2016年日本ミステリー文学大賞受賞。

「2021年 『盤上の敵 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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