「母親に、死んで欲しい」: 介護殺人・当事者たちの告白

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104056088

作品紹介・あらすじ

いなくなれば、介護が終わる……最愛の人を手にかける――彼らを追い込んだものは? 今、日本では2週間に一度「介護殺人」が起きている。老老介護、多重介護、介護離職……高齢化ニッポンで避けては通れない「介護」。肉親への献身から始まったはずが、なぜ悲劇へと変わり果てたのか――。全国で起きた事件から見えてくる、決して他人事ではない、当事者の口から赤裸々に語られる「終わりなき介護」の実態!

感想・レビュー・書評

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  • 時々ニュースを見ては
    なぜ そこの手前で助けを求めなかったのだろうと
    思ったりしていました。

    実際に自分は 介護をした事がないので
    本当の気持ちはわかりませんでした。

    ニュースでは 話題性のありそうな事件のみ取り上げられていますので
    実際の傾向などは わかりませんでしたが
    この取材では 配偶者、子供、そして 孫 、
    更に 男性も女性も 全ての人が 加害者と なりえる事がわかりました。

    長年の つらさもあるでしょうけど
    短期でも 急に親や 配偶者の 変化に 戸惑い
    介護者が 自分を失って行ってしまう事もわかりました。

    大抵は 自分がと いう感じで 家の中で終らせてしまう。
    他の家族には 頼れない。
    そして・・・・・

    テレビで放映したそうですが
    残念ながら 見ていませんでしたが
    こういう 番組は 何度も再放送をして
    社会に問題提起をしていって もらいたいと思いました。

    不幸にも 家族に手をかけてしまった人は その後もずっと悔やみ つらい人生になってしまう。
    そして つらい思いを乗り越えて 告白してくださった人々の為にももう こういう事件を 起こさせないように社会がサポートできる仕組みが 早くできる事を祈ります。

  • 介護殺人の例がたくさんのっている本

  • 読んでよかった。
    当事者でなくてはわからいことをおしえてもらった。

  • 途中から読むのが辛かった。
    いつか間違いなく自分にも立ちはだかるであろう介護という問題が深刻すぎて、怖くなった。
    その時に自分は耐えられるだろうか。
    全てのことにおいて言えるが、国は本当に役に立たないので自分と自分の周りでなんとかするしかないのだろう。
    その時までに、必要な準備と知識を蓄えておかなければ、私も介護殺人を犯してしまうかもしれないと思った。

  • 「介護」と「殺人」一見相反するように見える言葉だが、それだけに自体の深刻さを感じさせる。殺害動機も、「自分が耐えられなかった」というものももちろんある一方で、「可哀そうだった」というものがあるのも辛い。
     また、介護で一番しんどかったことについて「暴言」や「徘徊」よりも、「排泄処理」が圧倒的に多く感じられた。私は介護ではなく、育児の経験しかないが、それでも気持ちが分かる気がする。やってもやっても終わらない汚物処理。自分が介護ロボだ、その前の自分はもう死んだんだ。と言い聞かせていた加害者がいた。そうとでも考えないと耐えられないのかもしれない。「後悔はしていない」という証言にも、救いのない現実と絶望が感じられる。
     この本は問題提起、また警鐘としての意味は大きい。追いつめられる前に周囲に助けを求めるべきだと。しかし、実際に救いを求めたとして、それに応じられるだけの余裕が周りのない気がする。そういった意味で、自分がもし…と考えると本当に怖くなる本

  • 読むにつれて、とてもしんどくなった。
    間違いなく他人事ではなく、みずからも直面する介護。
    もし自分が介護する側になったとき、本当に耐えられるだろうか。

  • 「母親に、死んで欲しい」: 介護殺人・当事者たちの告白。NHKスペシャル取材班の著書。母親に限らず、家族や身近な人に死んで欲しい、早く死んでくれればいいのに、お願いだから死んでください、たとえ口には出さなくても、心の中でそう願ったことがある人は、少なくないと思う。無責任という言葉とは無縁な責任感の強い人ほどそうなのでしょう。それが介護殺人につながってしまうことは単純な不幸では済まされない。介護する人や介護される人をきちんと支えるための国の制度、社会の制度が壊れている証拠。

  • 時間をかけて懸命に当事者からの話を探った話です。意外だったのは、介護サービスを利用している割合が高かったことでした。少し仕事で関わっているものとしては注意が必要なのだと思いました。
    事例をたくさん集めたことに驚愕の意を示さずにはいられませんが、その解決策を探ってもらえれば更に内容の濃い本になったのではと感じます。

  • 重い話。一人の人を生かすために、家族の人生は潰される。責任感の強い人ほど外に助けを呼べず、どんどん追い詰められていく様子が目に浮かぶようだ。サービスがあるといっても、何年も待たされる様なサービスになんの意味があるのか考えさせられた

  • 東2法経図・6F開架:369.26A/N11h//K

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著者プロフィール

長年「ひきこもり」をテーマに取材を続けてきたメンバーを中心とする、全国で広がる「ひきこもり死」の実態を調査・取材するプロジェクトチーム。2020年11月に放送されたNHKスペシャル「ある、ひきこもりの死 扉の向こうの家族」の制作およびドラマ「こもりびと」の取材を担当。中高年ひきこもりの実像を伝え、大きな反響を呼んだ。

「2021年 『NHKスペシャル ルポ 中高年ひきこもり 親亡き後の現実』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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