- Amazon.co.jp ・本 (193ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103753094
作品紹介・あらすじ
すぐ隣りにある死。語りかけてくる死者。死を思いつつ生きることが人生を深くする――。札幌近郊の海岸で、砂浜に坐り込んだような姿で坐礁した大きな貨物船。その写真を眺めていると、死んだ友人が語りかけてくる。夫に先立たれた母と暮らし、旅と遊びが好きだった。友人の苦しい晩年と、行方の見えない自身の現在を描く表題作など、生と隣りあわせにある死を描いて、人生の奥深さ、底知れなさに触れる全8篇。
感想・レビュー・書評
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まあまあ
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心臓がきゅーっとなるくらいの想いを内包した短編集
文体は軽めなのに味付けは濃厚
監獄のバラードが実体験に重なり忘れられない一作になった -
砂浜に坐り込んで動けなくなった船は、まるで、不本意に亡くなった友人のように思え、
あんなに愛していた彼女を捨てた自責で自殺行に、
心の奥底に漂っている悲しみが、沈殿できずに流浪しているようだ -
すぐ隣りにある死。
語りかけてくる死者。
死を思いつつ生きることが人生を深くする――。
札幌近郊の海岸で、砂浜に坐り込んだような姿で坐礁した大きな貨物船。
その写真を眺めていると、死んだ友人が語りかけてくる。
夫に先立たれた母と暮らし、旅と遊びが好きだった。
友人の苦しい晩年と、行方の見えない自身の現在を描く表題作など、生と隣りあわせにある死を描いて、人生の奥深さ、底知れなさに触れる全8篇。
(アマゾンより引用)
この人の物語、あと一冊読んで面白くなかったらもうこの人の本は読みたくない -
"今の彼の喪失感を想像しようとして、それは想像してはいけないことだと気づいた。想像が届くことではない。それならばその部分は空白にしておいた方がいい。"(p.27)
"悩みが深い時に欲しいのは助言ではない。ただ聞いてくれる相手だ。"(p.37)
"力がないんじゃなくて、その気持ちがないんでしょ。"(p.166) -
短編の作品毎に色が違う。
ちょっと作品に入り込むには自分の知識が不足している。
しかし最後のマウント・ボラダイルへの飛翔は背景を理解してもう一度読みたいと思った。
mt. borradaileをもっと詳しく知りたいと思った。 -
津波がやってきて、街をさらっていきました
海はみんなを持っていったけど、遠い異国の植物の種を残していきました
なんかそんなかんじ -
東日本大震災後の悲しみや、人の心の立ち直りを思わせる短編集。表題作の、死者との会話には「マシアス・ギリの失脚」のリー・ボーを思い出した。現実にはない不思議な話が多いけど、静かな筆致でナチュラルに描かれている。