- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103548812
作品紹介・あらすじ
「最後の証人」が語る戦後日本の内幕。NHKスペシャル、待望の書籍化! 1945年、19歳で学徒出陣により徴兵され、戦争と軍隊を嫌悪した渡辺。政治記者となって目にしたのは、嫉妬が渦巻き、カネが飛び交う永田町政治の現実だった――。「総理大臣禅譲密約書」の真相、日韓国交正常化交渉と沖縄返還の裏側、歴代総理大臣の素顔。戦後日本が生んだ稀代のリアリストが、縦横無尽に語り尽くす。
感想・レビュー・書評
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正直言って「読売のドン」の印象が先行して、横暴かつ独裁的な存在としか認識していませんでしたが、戦争を体験した世代にしか語ることのできない数々の言葉に考えさせられることばかりでした。と同時にこれからの政治が何を基盤に動いてゆくのか、不安になりました。
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戦争体験に基づく理念や現実主義的思考が、戦後日本社会の共通基盤となっていたことを認識するとともに、戦争を体験していない自分たち世代が、歴史から何を学ぶべきかを考えさせられた。
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表紙と人物だけで、読まずに手に取った書籍。
渡辺恒雄さんは、読売新聞の主筆。それと同時に、新聞記者の枠を超えるその時々の政治に深く関与した、保守系の大物である。
その渡辺恒雄さんにインタビューを試み、原点である戦争体験、敗戦、そこから新聞記者と政治活動をしょいこみ、全力で駆け抜けた渡辺恒雄さんの生き様を詳細に記している。
表面だけでは見えない、政治家の裏側、密約、裏切り。時の権力ある政治家に入り込み、裏から政治を操る手法、それに自らの仕事を絡ませて読売新聞のトップにまでたどり着いた。戦後の混沌とした時代だからこそ、できた芸当なのかもしれない。しかし、時代背景だけでは語れない、芯の有る新聞記者。
渡辺恒雄さんは、そういう意味では二度と現れない新聞記者であり、フィクサーであろう。
戦後政治に興味のある方は、必読の書籍。さらに続編も出るようだ。楽しみでならない。 -
書いてる人の渡辺さんがすごいってことを言うための修飾が多すぎて読みにくい。一瞬思った。戦争はダメだと言ってるけど、このくらいの年の人だったらその前の戦争、日露戦争あたり?と太平洋戦争を比べるという考えはなかったのかな。負けて悲惨な思いをしたから、勝った日露戦争のことも忘れちゃったんだろな。日清戦争と太平洋戦争は比較できたのだろうか。
開成、東大の人が無学の上官に殴られたらブライトが許さんだろな。
共産党は当時権力を握れる、世界を掌握できると思ったから入党したんだな。
え、西武の堤清二も共産党なの!美味しい生活の人
スイッチを切って停電させ、国民を飢えさせて体制打破をさせると中央委員が言ったとあるけど、誰なんだろ具体的に。 -
有名だけれどもよく知らない人、ジャイアンツのオーナーで過去に凄い実績のある人くらいの認識だった。
インタビューを元にしているので、多少は盛られていると想うが、NHKのインタビューを元にしており、ヨイショで終わる物ではない。
印象的なのが、戦争を否定して、戦争の悲惨さを伝えることに尽力したとのこと。これまでの政界の大御所とのかかわり、戦後史もわかり参考になった。
亡くなった祖父母が、外国の戦争ニュースを観ては、私が戦争のない時代に生まれて本当に良かったと言っていたことを思い出した。 -
『ナベツネ』の名は、報道などでは恐怖や畏怖をもって使われることが多く、旧社会の象徴のような雰囲気をまとっている。しかしながら本書で直接、本人から発せられる信条は、戦争に対しては断固反対、先の戦争を全く評価していない。マスコミ人でありながらパブリックイメージは異なるものであることが衝撃。
良し悪しも、好き嫌いもある人物ではあるが、もう少し知りたくなった。 -
書評はブログに書きました。
https://dark-pla.net/?p=4400 -
政治記者の枠を大きく超えて戦後の保守政治に深くかかわったナベツネのインタビューを軸に関係者の証言をまとめたNHK番組をもとにした一冊。読売新聞に取材OKを出させたNHKプロデューサーの仕事に感服。現在の政治に対する危機感や歴史の舞台裏を後世に残すべきと考えたナベツネを動かしたものと思う。
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東2法経図・6F開架:312.1A/Y64d//K