世の中と足並みがそろわない

  • 新潮社
3.74
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103537915

作品紹介・あらすじ

世界が歪んでいるのか、ふかわが歪んでいるのか、それはあなたが決めてください。スマホ画面が割れたままの女性、「ポスト出川」から舵を切った30歳、どうしても略せない言葉、アイスランドで感じる死生観、タモリさんからの突然の電話……。どこにも馴染めない、何にも染まれない。世の中との隔たりと向き合う“隔たりスト”ふかわりょうの、ちょっと歪で愉快なエッセイ集。その隙間は、この本が埋めます。

感想・レビュー・書評

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  • 5時に夢中ファンだからこそ
    手にすることができた一冊!
    ふかわりょうのエッセイ

    いやー知ってはいましたが、この本を読むと
    ふかわりょうの拗らせぶりがソートーなものだと
    改めてわかります…笑

    でも、その拗らせてるからこその世の中と足並みが揃わない感じのエピソードが、共感できるものも
    沢山あってとても面白かったです。

    なにしろ、文章がすごく上手い

    中でも一番好きなエピソードが「浮力の神様」
    タモリに関するエピソードなんですが、
    俺も子供の頃BIG3のゴルフで、タモリってなんてつまらない人なんだ、真面目に1人だけ淡々とゴルフしてるだけ…笑っていいとも!も二十代の頃は
    観るのがキツかったです…
    でも、歳を重ねるにつれタモリの凄さに気がつき
    今では大好きです。逆に子供の頃あんなに観てた
    たけしやさんまは今見ると、辛くてしょーがないです…

    少し脱線しましたが、この本の中でいかにも深川らしいという一文で、
    ただ、私のような人間にも応援してくれる人は少なからずいます。
    「ふかわさんの魅力をみんなに説明しるんですが、誰もわかってくれません!」というファンレターが届いたり、「ふかわ、いいこと言うなぁ、好きじゃないけど」「これはふかわに賛同だわ、腹立つけど」「ふかわのくせに案外まとも」など、たくさんの温かいメッセージをいただいております。

    これを読んでおもわす、電車の中で吹き出しました
    周りからは、変な目で見られてたかもしれません…

    次回ふかわりょうには小説「溺れる羊」を期待したいと思います。
    意味は読めばわかります!

    • naonaonao16gさん
      ふかわりょう結構好きです(笑)
      ちなみに5時に夢中は月曜日が一番好きでした

      拗らせてる人には面白そうですね!
      ちょっと本棚登録しときます!
      ふかわりょう結構好きです(笑)
      ちなみに5時に夢中は月曜日が一番好きでした

      拗らせてる人には面白そうですね!
      ちょっと本棚登録しときます!
      2021/03/19
    • sinsekaiさん
      naoさん
      コメントありがとうございます!

      ふかわりょう、だいぶ拗らせてる人ですが…
      ピュアな人でもあるのです
      それ故に世の中とずれる事が...
      naoさん
      コメントありがとうございます!

      ふかわりょう、だいぶ拗らせてる人ですが…
      ピュアな人でもあるのです
      それ故に世の中とずれる事が多々あるという
      意外と面白いし、なるほどと思うところもあるので是非!
      ぷんぷん読んだ後くらいがちょうど息抜きに良いと思います笑
      2021/03/20
  • 文句なし、抜群のエッセイだ。

    今まで、好きな作家や有名人のエッセイを読んだ後、大概後悔。
    小説だけにすればよかった…。

    「私、普通と違うんです」「こんなに変なんです」
    頁をいくら捲っても、「ちょっと他人と違う」事柄が自虐風味で綴られ、文字には表れていないけれど、「面白いでしょう?」が薄っすら透けて見える。
    知らなきゃよかった。
    「ああ、そうなんだ…。」と、終了の読後。

    10年以上ほぼ毎日見ているMXテレビの『5時に夢中」の司会ふかわさんの存在は、私にとって、なくてはならない日常。
    そんなふかわさんのエッセイを手に取ることを正直、躊躇っていたのだが、新潮社の伝説ベテラン編集者氏の推薦の弁を番組コーナーで観て聴いて、遅ればせながら、頁を開く。

    読みながら、クスッと頬が緩んだり、番組中で中瀬ゆかりさんや岩井志麻子さんと話していたあの話題だ!と馴染み深さを感じたり、或いはタモリさん、出川さんら、ベテラン芸人の方々とのやり取りに、気づくと涙がこぼれていたり…。

    ふかわさんの筆は想像以上だった。

    番組の進行について、彼の立ち位置や感性、言葉の選択における繊細さについては、以前から拍手ものと感じていたが、筆力もあっぱれだ。

    自虐テーストもないわけではないが、文章の中で自分の感覚、感情、視点を大切にしながら、読み手のこともしっかり頭に入れて、筆を進める。
    「自分はこう思う」「自分はこれが好きで、これが嫌い」

    その姿勢は、決して居丈高ではなく、自分と周囲との違いに興味と関心を持ち、思慮深く観察し、自分の中でゆっくり咀嚼する。

    誰にでも心当たりのある、自分の「若気の至り」にまで温かい眼差しを向け、決して価値判断せずに、こんな自分もいた、こういう思いがあったと、ひらりと呈する勇気と誠実さ。

    綴る文章も短文主体で、体言止めや直喩がスパイスとなる。
    自分の思いを丁寧に、大事に誠実に言葉に乗せた跡がしっかり伝わる。

    日頃、心のひだの間に挟まり、気づかずに過ごしてしまいそうな、ちょっとした違和感、気恥ずかしさ、嫌悪感、後悔等々を言葉に表出して、自分という存在の一片を作り上げたのだろうな。


    以下、気になった事柄の抜粋一部:
    カッコ内は私の感想。

    ・世の中は決して平等なわけではなく、実は理不尽に満ち満ちている。
    (あの出身高校は、厳しい校則で有名だものね~。理不尽のなかで、自分が何を選ぶか、どう生きるかを考えることが醍醐味かな。)

    ・いい加減で力が抜けているほうが、力が発揮できる。
      例)タモリさんやさま~ず

    ・「わからないこと」があるからこそ、魅力があるし、面白い。
    (一発で検索して、すべて予め分かってしまうことの副作用。
      メディアも平易であることや単純化を求めてばかりで、ことの複雑さや曖昧さを排除してばかり。有名人もSNS等で自分を晒しすぎ。)

    ・「かわいい」文化への偏重
    (幼稚や稚拙なもの、存在に対して日本は「かわいい」という言葉を用い、より大きい価値を置く傾向がある。「かわいい」存在は自分を脅かさないという前提があるから。)

    ・「友達100人できるかな」は本当?
    (友達や知り合いの数にその人間の価値が表されるかのごとき幻想。一人でいることを愉しむ。友達の数よりも、嫌いな人、苦手な人といかに距離を取り、巧くかわすか、やっていくかを大事にしたほうがよい。)

    ・「人の考えていることや自分が人からどう見られているかなど、本来聞こえなくてもいいものが主にSNSを通じて聞こえる『ハイレゾ社会』では心が疲れてしまう。
    中略
    本来知らなくて良かったことまで耳に入ってくる、聞こえすぎる社会も一長一短と言えるでしょう。」
    (ヤフコメ読んで、夫は毎日イラついている笑。読まなきゃいいのに。
    私もTwitter止めた笑。)

    以上。

    自分を人前で晒すことは、本来とても勇気のいること。
    自分に自信のない私は、隙なく、肩にがちがちに力を込め、失敗しないように、より大きく見せようとしてきた。
    そんな自分も今の私の一部分。

    ふかわさん、ありがとう!
    ふかわさんを番組のMCに登用した大川局長と、新潮社にも感謝。

  • 2020年作品。著者のデビュー当時、現役の慶応ボーイ、奇抜な衣装と女性ダンサーを従えてのパフォーマンス。ベッタベタの漫才が好きな私にとっては「なんか、いけ好かんなあ。カッコつけてるなあ」という悪い印象を持っていました。嫌いでした。その後、テレビなどの露出が減って忘れかけていたのですが、書店で本のタイトルに惹かれて読みました。私自身が過去から現在にかけて、世の中と足並みがそろわない実感を持っているからです。読んでみて最初はタレント特有の気を衒った内容に思えたのですが、読み進めるうちに「うんうん、そうそう分かる」と言う部分が出てきました。読後、radikoで阿川佐和子さんとの番組を聴きました。彼の印象が変わりました。普通の人以上に普通の感性を持っている方だと思いました。次作が楽しみです。

  • ああ、この人は私と同じサイドの人だ、とまずは思った。それでも自分を世間に合わせない強さは持っている。そこがこの人の面白さなのかもしれない。わかる〜、と相槌を打ちながら、あっという間に読んでしまった。同じ感覚の人がいるのかと思うと嬉しくなる。

  • この頃、テレビで見ることが少なくなった、ふかわりょうさん。クラブでDJなんぞをしているらしい。その彼が、あれやこれやと、世間との違和感をそのままに文章に・・・。
    あるあるではなく、私にとっても違和感のまま、最後のページに来てしまった、読了でおます。

  • 今まで意識したことなかったけど、私、ふかわりょう好きだわ!

    このエッセイを読んで、
    柔らかな波長をもった、なんて穏やかで品のある賢い人なんだ!きっと育ちが良いんだ!という印象。
    といってもそれほど驚かないのは、横浜育ちの慶應卒という偏見のせい?

    文書や内容もセンスがあって上手いと思う。
    愚痴や僻みっぽくなりそうな話題でも、
    堅くないし、暗くもない、閉塞感もない。
    ユーモアとゆるさ、品の良さや賢さが自然に織り込まれていて、良書を読んだかのよう!
    自分でも意外だけど、おすすめです!

    イライラしがちな私にもってこいの人かも!
    これから心が荒んだら、ふかわりょうに逃げることにするわ。

    ふかわりょうは、「ふかわりょう」であって、「ふかわさん」にならないのは何でだろう?!
    ごめん、ふかわりょう!!

  • 昔、TOKIOとKinKi Kidsの番組で
    初めてふかわさんを見た時の印象のまま。
    エッセイでもいい意味で思っていた通りの感じ。
    なんとなく共感できる…と思う内容で、
    なんとなく好きだなーと思いながら読了。
    そして、これからもなんとなく応援します。

  • 考えすぎることが昔からコンプレックスだったのですが、この本を読んで、自分よりも考えすぎている人がいると、安心感を覚えました

  • 時系列順なのかは不明だが、後半になるにつれて文章が洗練されている気がする。
    色々な国に行くのがお好きなようで、日本と世界の国々を比較した視点がおもしろい。

    あとがきにてタイトルのお話。
    あまり「足並みがそろわない」ことを書いた内容ではなかったので、いきさつにちょっと納得。でもこのタイトルだったからこそ読んだので、やはり編集部の判断は正しかった。

  • 言葉を大事にしている感じ。
    違和感を覚えるシチュエーション、似ている気がした

    ---
    ・略すことも、下の名前で呼ぶことも、常連にしても、共通するのは、「親しみ」「親密さ」である一方で、「自分の支配下にある」ということの誇示にもつながる印象があるので、私は、そういう呼び方には慎重な姿勢を取っています。(p.47)

    ・「やる気のある奴は去ってくれ」(p.98)-ラジオ番組が始まる時に、タモリがスタッフを集めて発した言葉とのこと

    ・酔った時に掛けてきたことは、ただ掛かってくるそれよりも何倍も嬉しいもの。(p.103)

    ・届いた言葉にはすべて目を通したい。結果、本番が始まる時はすでにヘトヘト。ペース配分を間違えています。(p.129)

    ・羊は仰向けになると死んでしまうのです。(p.158)

    ・「嫁グラフィー」なる潮流が生まれているそうです。うちの嫁最高だろう?って、最高だから結婚したのですから言う必要ないのです。「愛妻家」が目立つ世の中ですが、嫁を愛しているのは当たり前。

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