ぼけますから、よろしくお願いします。

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103529415

作品紹介・あらすじ

母85歳に認知症診断、父93歳が初の家事に挑む!? 娘が見た老老介護のリアル! 「心配せんでもええ。あんたはあんたの仕事をした方がええわい」――両親の気丈な言葉に背中を押されても、離れて暮らすことに良心の呵責を抱く映像作家の娘。時に涙で撮り続けた超高齢夫婦の介護の日常は、ほっこりする愛と絆で溢れていた。同名映画にもなった、克明な親の「老い」の記録、そして見守り続けた子の心境を綴る。

感想・レビュー・書評

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  • 認知症になった85歳の妻を、93歳の夫が介護。
    「超老々介護」の現実を、ドキュメンタリー映画監督の娘が書いたものです。

    私の場合は、義母91歳が認知症と思う。
    現在の状態は、
    ・炊飯はできるが、おかずを作ることはできない。
    ・トイレは、普通に出来ている。
    ・食事は、目の前に用意しないと、中々食べない。
    ・新聞は、毎朝、新聞受けからもってきている。
    ・自宅から一歩も出ない。
    ・ゴミ出し、買物はできない。
    ・入浴は一人でするが、見守りが必要。

    娘(私の妻)が、近くに住んでいるので、ゴミ出し、買物、食事作りなどをしているので、何とか生活はしている。
    何とかなっているから、切迫感がないのか、要介護認定を受けていない。


    ●2021年2月25日、追記。

    昨日(2月24日)の毎日新聞の夕刊に、関連記事あり。
    著者は、1961年、広島県呉市生まれ。東京大学文学部卒の才媛。
    一人っ子で独身の59歳。
    多分、学年でいうと、私の一つ下になる。

    • kuma0504さん
      seiyanさん、こんにちは、はじめまして。
      認知症は症状、家庭環境ともに人それぞれですから全く要らぬお節介かとも思いますが、つい一言。
      立...
      seiyanさん、こんにちは、はじめまして。
      認知症は症状、家庭環境ともに人それぞれですから全く要らぬお節介かとも思いますが、つい一言。
      立派な認知症だと思います。
      特に一日中家を出ないのが気になります。
      人と会わないと一挙に認知が進む可能性があるからです。
      介護認定を受けても、介護保険を使うのは、その後の判断ですから、とりあえず受けて、デイサービスを利用することとか検討してみるのも、一つの選択肢かと思います。
      2021/01/19
    • seiyan36さん
      kuma0504さん、コメント、ありがとうございます。嬉しいです。

      実の娘(私の妻)が、実母の要介護認定を受けることに消極的なので、私...
      kuma0504さん、コメント、ありがとうございます。嬉しいです。

      実の娘(私の妻)が、実母の要介護認定を受けることに消極的なので、私としては静観中というところです。
      妻との話し合いは1回したきりで、最初は介護保険の仕組みを知らないのかと思いましたが、そういうわけでもなかったです。
      実母の老いに、向き合えていないという面はあるようです。
      私としては、やはり、現在の状態はデイサービスを利用するのが適当と考えており、将来的には施設入所もあり、と思っています。

      2021/01/19
  • テレビのドキュメンタリーで観たことを覚えていて、その後映画化もされたことも知りました。映画は未だ観られていないけれど、本も出ていると知り今作を読みました。90代の耳が遠く腰も曲がった父親が、80代の認知症を患った母親の介護を担う…離れて暮らす娘が制作者と娘の視点から、その現状を映像に残しながらも両親の人格を認め関わっていく…そんな内容です。信友さんも、信友さんの両親も決して特別ではなく、こうやって介護に関わっている方が沢山います。この作品は、今介護に携わっている方にも、そうでない方にも、介護職の方にも、多くの方に勧めたいです!あと、信友さんのお母様、認知症を発症する前にモットーとしていた言葉、『うじうじ悩んでいても時間の無駄。何事もおもしろがらんと損よ。前向きに行こう!』これ、すごく好きです!

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    母85歳に認知症診断!父93歳が初の家事に挑む!?「心配せんでもええ。あんたはあんたの仕事をした方がええわい」―両親からの気丈な言葉に背中を押されても、離れて暮らすことに良心の呵責を抱く映像作家の娘。彼女が時に涙で撮り続けた親の「老い」の克明な記録、目を逸らさず見守った切実な胸中、超高齢夫婦の介護の日々に溢れていた愛と絆…。同名ドキュメンタリー映画の監督兼撮影の著者が認知症介護に直面した家族のリアルを綴る!





    本ではなく映像の方をアマゾンプライム で視聴。
    これが現実ですよね...
    亡くなった義父がアルツハイマー認知症でした。
    義父の18日前に亡くなった義母も認知が進んでいました。

    このお爺ちゃんがとてもしっかりしていて 奥さんを支えていると思いました。
    お爺ちゃんの感謝して...という言葉がとても印象に残っています。
    認知症になるとそんな感情もなくなってしまうことは仕方のないことです。
    撮影している娘さんも優しい言葉で接していて 自分のことを考えると...
    一人暮らしをしている母にあんな風に接することが出来るか...イラチな私はきっと言い合いになってしまうと思います。
    今度は本を読んでみたいと思いました。

  • 私は理学療法士で認知症の事もある程度理解しております。患者さん、患者さんのご家族のことなど当事者の方々の考えが散りばめられていてとても勉強になる内容でした。誰でもあり得る話ですので是非多くの方に読んでもらいたい内容でした。
    そして『介護は親が命懸けでしてくれる最後の子育て』『人生はクローズアップで見ると悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ』このフレーズは大変感銘を受けました。読んでよかったです。ありがとうございます。映画も見てみようと思います。

  • エッセイではなく
    敢えて、ルポルタージュとして読みたい
    それも極めて優れたルポルタージュとして
    読ませてもらった

    人は誰しも老いていく
    当たり前のことだが
    その当たり前である
    「老い」のことは
    できるだけ遠ざけて
    しまいがちである

    その「老い」に
    真正面から向き合って
    赤裸々に綴られているのが
    この本書

    映像作家である
    著者の信友直子さんだからこそ
    見つめ続けられた
    描き続けられた
    撮り続けられた
    「家族の愛情」が
    全編にみなぎっている

    読み終わった後
    「はじめに」の最後の方に書かれておられる
    「悩んでいるのはうちたけでは…」
    「心配していたけれど、まあなるようになるか」
    の言葉が 改めて心に沁みてくる

  • NHKラジオ「マイあさ!著者からの手紙」から。
    そういえば、少し前にBSフジで見た記憶がある。
    その続編新刊の紹介であった。
    テレビドキュメンタリーの信友さんとラジオの穏やかな声がなぜかリンクしない。
    ということで、第1弾から読むことに。

    さてさて、第2弾新刊を読むのが楽しみです。
    この感想も含めて、次回作で。

  • 認知症の母親を年老いた父親と、東京在住の著者がどう向き合うかが、リアルに描かれている。

    デイサービスの利用やヘルパーの利用を始めるために、介護保険申請を始めるあたりは、私と一致するところも大きい。

    実母も以前のようにしっかりとしているとは言い切れない面が出てきて、こんな風に親が物忘れしたり持病があり体力が衰えたりしてくることで、亡くなる前の心構えをさせる時間なのでは?と私も思う。
    著者も、同じようなことを書いていた。

    老いにも、重い意味がありそのおかげで子は成長するのではないかな。

  • 同名映画の詳細を綴った本。
    広島に住む認知症と診断された母85歳を、93歳の父が介護するという、老老介護の現実を、東京に住むフリーランスディレクターの娘が映像と残した記録。
    ほっこりいい感じに描かれていますが、現実はきっと壮絶なんだろうなあ。端々に目を覆いたくなるような描写が出てきて胸が締め付けられます。
    ああ、ボケたくないなあ。とはいえ、病気なんだから、いつなんどき誰がかかってもおかしくはないのでしょうけど。
    映画の方も見てみたいと思います

  • 何よりも家族の絆の強さに感心する。著者がお母さん大好きというだけあって、結びつきが強いだけに完璧だった母がボケてきて著者も鬱になったり罪悪感を感じたり、感情的になったりもしたようだが、最後にはヘルパーさんにつながって社会的引きこもりが解消されてよかった。ヘルパーさんのプロの技も参考になった。母娘だけでなく夫婦の愛情の深さも印象的。うちの親には望むべくもない。職業がら著者が撮りためていた親のビデオがもとになって映画ができこの本もできたというのがおもしろい。なかなか見られないよその家庭の現場が感動的だった。

  • もうね、この本読んだら映画も観たくなる。
    遡って著者が自らの乳がんの闘病を撮ったドキュメンタリーも観たくなる。
    それにしてももこのふたりはすごい。
    認知症の話しにとどまらず、家族、親子の葛藤、それを取り巻く社会の状況にも言及している。すごいわかりやすい言葉で。
    何が泣けたってこのお父さん(95歳)とお母さん(88歳)の子を思う気持ち、自分の母と重ねて親ってありがたい。
    そしてこのお二人の表情の可愛らしいこと。
    現在はお母さんが脳梗塞で倒れ施設に入居しているらしいこと、お父さんは毎日会いに行っていて一人暮らしを続けているらしいこと、あーほんとにこの先もどうか心安らかな晩年を願わずにいられない。

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