財布は踊る

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103525127

作品紹介・あらすじ

60万部超え大ヒット作『三千円の使いかた』の著者、最新刊は「お金のつくりかた」! 会社の同僚と平凡な結婚をし、ひとり息子にも恵まれ、専業主婦として穏やかに暮らす葉月みづほ。彼女はある夢を実現するために、生活費を切り詰め、人知れず毎月二万円を貯金していた。二年以上の努力が実り、夢を実現した喜びも束の間、夫に二百万円以上の借金があることが発覚して――。様々な事情で「今より少し、お金がほしい」人達の、切実な想いと未来への希望を描く!

感想・レビュー・書評

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  • みづほが買ったブランドものの財布が巡っていく先でお金にまつわる話が展開される話。

    お金に関する勉強は本当に大事だと痛感する。
    それにしても雄太がむかつく。本当に最低なやつだ。それに比べてみづほはすごい。全てにおいてポジティブさと決断が素晴らしい。

  • 原田ひ香作品、リーダビリティに長けてる。読むストレスが一切ない。LOUIS VUITTONの財布がお金に執着する男女を巡るに巡るお話。まず、節約に命を懸け、ハワイ旅行に漕ぎつけた主婦から話しは始まる。馬鹿な旦那のリボ払い設定で超負債がたまってしまう。一念発起した主婦の勢いは凄かった。大学奨学金の恐怖や契約社員の不条理には日本の社会の闇が見えた。派遣社員・契約社員の早期の地位向上が我国の喫緊の課題。財布の値段の200倍が年収か~自分の財布は確か2万円くらいだったような?もう少し良い財布を買おうかな。⑤

  • 今作品もお金にまつわるお話


    どれもわかりやすく
    そしてちょっと間違えたら
    自分もそうなるのではないかと思わせ
    さすがの一言です


    一歩間違えたら
    もう転がり落ちるように
    転落していく


    そういうように見えて
    実は少し違えば
    行動すれば変わることがあるのだということに
    気付かされます


    お金を増やす正解なんてないし
    全てにリスクはあるけど
    ただ節約してるだけじゃ
    なかなか増えない
    知識と行動力が必要ですよね

  • ヴィトンの財布が欲しい!
    ハワイに行きたい!
    葉月みづほは学生時代から同じ財布を
    使っている。
    新婚旅行は沖縄だった。夫が、英語が―
    パスポートがない!―高い!などと
    ぐだぐだ言った。

    “爪に火を灯す”この言葉が相応しいか、
    みづほは毎月少しずつ貯金を始めた。
    そして・・・めでたくハワイ&財布代が貯まった!(おぉ涙ぐましい!)
    ハワイから帰り、みづほはハワイで使用した、夫のカードにいやな予感を・・・・・

    この本は連作短編だった。
    ナントカ商法、詐欺、奨学金返済難民
    株、投資信託 etc. この本には、お金にまつわることが沢山詰まっている。

    私もそろそろ新しい財布が欲しくなって
    きた。カードが6枚位入って、小銭も
    たっぷり入るものがいい。500円玉が
    入っていると嬉しいような、幸せな気分
    になるのは何故だろう?
    5円玉、50円玉には穴があいている。
    これは、世界的に珍しいという。

    原田ひ香さん、これで2冊読んだ。
    お金に関するレビューは苦手だ。
    そして、みづほの先行きが気になる!
    財布は彷徨う!

    2022、10、15 読了

    • ポプラ並木さん
      アールグレイさん、お久しぶりです。原田ひ香さん、数冊読んでいますが、面白いですよね。このお話しは宮部みゆき、長い長い殺人と似ているのかな?っ...
      アールグレイさん、お久しぶりです。原田ひ香さん、数冊読んでいますが、面白いですよね。このお話しは宮部みゆき、長い長い殺人と似ているのかな?って読んでいないけど想像しています。https://www.hulu.jp/nagai-nagai-satsujin/?cmp=10305&waad=Pz2TQMZt&yclid=YSS.1001008483.EAIaIQobChMIhrTakbLr-gIVCVdgCh0fjA3NEAAYASAAEgIRNPD_BwE
      お金がらみの内容は苦手?そうか~ポアロシリーズを読んで似て、殺人の動機の3分の2がおかねがらみだそうです。意外と多いね。では~
      2022/10/19
    • アールグレイさん
      ポプラさん(^_^)/
      コメントありがとう!

      この話に殺人事件はありません
      ――ネタバレコーナー――
      殺人事件はありません。
      1話で貯めた...
      ポプラさん(^_^)/
      コメントありがとう!

      この話に殺人事件はありません
      ――ネタバレコーナー――
      殺人事件はありません。
      1話で貯めたお金でハワイへ行きましたが、夫のカード支払いで借金が発覚します!主人公みづほはせっかく買った財布をメルカリへ。そして財布はあちこちへ彷徨うのです。
      私は今、図書館本と戦っています!こんなにブ厚い本だとは・・・・
      アア~っ!!!
      2022/10/19
    • ポプラ並木さん
      アールグレイさん
      読みましたよ!
      殺人はなかったですね(^^♪
      でもお金がらみでの人間関係の闇、日本社会の闇が見えました。
      契約社員...
      アールグレイさん
      読みましたよ!
      殺人はなかったですね(^^♪
      でもお金がらみでの人間関係の闇、日本社会の闇が見えました。
      契約社員、派遣社員だから何なんだ!!仕事内容はかわらないだろ!って憤りを感じました。
      みづほの旦那がアホすぎて、イライラしたけど、原田ひ香さんの作品はいつもリーダビリティ抜群ですね。
      2024/03/04
  • 他人の懐事情って気になる。
    自分が上手く節約したり、貯金したりということが苦手なせいかもしれない。
    だからか、株や投資の話になると苦手意識が先行して自分には到底無理な世界だなと決めつけていた。
    だが、知らなかったことを楽しくわかりやすく知ることができたのは、この物語の展開だろう。すんなりと入り込めた。

    この話は、主婦みづほが節約して貯めたお金でハワイ旅行をして念願のヴィトンの財布を手に入れたことから始まる。
    頑張って節約したにも関わらず夫の借金が発覚して新品状態のままヴィトンの財布は、メルカリで売るはめに。
    そこからその財布の行方は…。
    いろいろな人の手に渡り、悩める人の苦労の様子を知ることとなる。

    主婦みづほが、夫の借金返済のため築古物件に引っ越して、ローン返済後に別な人に貸し、それを繰り返して大家業に行きつき、収益物件として五軒の家と古いアパート三軒を持つまでになる。
    そうして物件を見に行った家で、売ってしまったヴィトンの財布を見つける。
    周り回って…という感じだろうか。

    それを見て、あのときは欲しがっていたブランドの長財布だったが、今は必要ないと。
    ブランドものの長財布にこだわるとか、運に左右されるとか、そういう場所にいたくなくて、自分の人生は自分で動かしたくて、これまで頑張ってきたのではないか。というのがカッコイイと思った。


  • 借金を背負ったり、財産を失くしたりした人々の元に"来る"イニシャル入りのヴィトンの長財布。『いまより少し、お金がほしい』人たちの六つの物語。今(2022年12月)現在、物価高で不景気の極みにあるような世の中だけど、この本を読んで少しだけ希望が持てた。

  • 昨年、原田ひ香さんの『三千円の使いかた』を読んだ。今回もお金を取り扱った小説だが、同作とはまた一味違う、ひとつの財布を軸にした連作短編となっている。「お金」は生活をしていくために必要不可欠で大事なもの、という認識はあるものの、本書に出てくるお金に強いこだわりを持つ/持たざるを得ない人々に接し、改めてお金は人生を一気に狂わせたり、人の道を外したりするものだなとその威力の強さを実感した。逆に、コツコツ真面目に向き合った人、最初は弱い立場にあったけれども強い意志を持って粘り強く取り組んだ人が報われることも。いずれの場合もあまりに執着したり自分中心の視野狭窄になると、よからぬ結果になったりする。これほど人の欲がダイレクトに表れる対象物もないなぁとの感想を抱いた。お金について改めて考える良い機会になった。

  • 【作家コラム:原田ひ香 先生】節約雑誌に魅せられて – 三洋堂書店
    https://www.sanyodo.co.jp/news/bks_haradahika

    財布は踊る 最終回 | Yoshinori Kobayashi illustration
    https://clipside.net/?p=605

    原田ひ香 『財布は踊る』 | 新潮社
    https://www.shinchosha.co.jp/book/352512/

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    遣い道は決まっているのですが、、、

  • 不幸を招く 宝石は ありますが。

    そのたぐいの お財布かなと思いましたが。

    後半は 違いましたね。

    最近は カードのため お財布を 持ちません。

    そんな時代もあったと 

    懐かしく思いました。

    最後には 最初の持ち主に戻るだろうと

    予測しましたが 違いました。

    いっきに 読めました。

    次回作 楽しみです。

  • よく本を交換している友人から届いた
    「三千円の使いかた」も彼女からだったかな
    原田ひ香さんは、ちょっと苦手だな

    私が貧乏だからブランドに興味がない
    アホだから投資もわからない
    先が見えてるから挑戦する気概もない

    というわけで、連作の登場人物への共感がイマイチ

    人生の分かれ道ってあるよねえ

    ≪ 古財布 お守り入れて バスに乗る ≫

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著者プロフィール

1970年神奈川県生まれ。2005年『リトルプリンセス2号』で、第34回「NHK創作ラジオドラマ大賞」を受賞。07年『はじまらないティータイム』で、第31回「すばる文学賞」受賞。他の著書に、『母親ウエスタン』『復讐屋成海慶介の事件簿』『ラジオ・ガガガ』『幸福レシピ』『一橋桐子(76)の犯罪日記』『ランチ酒』「三人屋」シリーズ等がある。

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