ゴジラで負けてスパイダーマンで勝つ: わがソニー・ピクチャーズ再生記
- 新潮社 (2013年10月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103347910
作品紹介・あらすじ
片道切符で「出向」したどん底の映画スタジオを、私はこうしてトップにした! ソニーで長いこと電機製品を売ってきた私が、突然命じられた片道切符の「出向」。行った先は、業界最下位にあえぐアメリカの大手映画スタジオだった――。日本人初のハリウッド経営者として、瀕死のコンテンツ産業を救うさまざまな方策を編み出し、見事トップを争う会社へと立て直した著者の、工夫と粘闘のストーリー。
感想・レビュー・書評
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ソニー・ピクチャーズの再生に乗り込んだ野副氏による奮闘記。感性重視のどんぶり経営を丸投げで放置していた状態から、対話と数値化を持ち込み、計画できる状態に持ち込んだ手腕はスゴイ。
某関西の家電メーカーは、同じ頃にMCAを買収し、そして、手放したが、文化が違うことを理由に、丸投げだったのではないか。ソニーのように、ハードとソフトの両輪の企業にする、という目標に対するトップのコミットメントが弱かったのではないか。振り返りとフィールドバックを調べてみよう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトルがやや煽ってるなと思ったが、ソニーピクチャーズの苦境から好転までが当事者の立場から分かりやすく物語られていて、とても面白かった。日本のソニー本社とハリウッドのソニーピクチャーズの関係性や、映画事業以外のソフト事業の一部も伺い知れる良書。
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ハリウッド映画産業の見かけの華やかさとは裏腹に(いや、そのまんまというべきか?)アバウトな人とお金の使い方のせいで傾きかけていたソニー•ピクチャーズを再生させた野副さんの事業再生顛末記。ポートフォリオという概念を映画製作に持ち込んで成功した下りが印象的。
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SPE副社長を勤め、経営建て直しを実行した野副氏のストーリー。(1)テンプレートとポートフォリオ。個々の企画をジャンルと予算規模でグループ化。規模、ジャンルの異なる複数作品の組合せでの興行収入の最大化。大型作品は1〜2本まで。ジャンルはアクション、SF等。主演スターで引っ張る中型作品は5〜6本程度。最も重視すべきは原作、脚本の完成度。ラブロマンス、サスペンス、アクション等。小型作品は10〜12本。うち1〜2本は化ける映画を期待(スリーパー)。ホラーや家族愛は化ける可能性が高い(2)人生は色々な事がある日突然やって来る。良い事も悪い事も。そうした中で何かを決めなければならないなや、自分が正しいと思った事を選びなさい。
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素晴らしかった。(いつか)経営に関わる人、事業再生に携わる人、皆にお勧めできる経営の教科書。特に、、映画好きの人には超オススメ!!007やスパイダーマンが好きな人、アメリカ版ゴジラはクソだと思ってる人、「初恋の来た道」を見てエヘエヘした人、などなどの映画ラバーには、もう絶対にっ、オススメです!!
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ハリウッドは凄い
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経営状態がよくなかったソニーピクチャーズをどのように再生していったかについて。映画産業がどういう仕組みでビジネスをしているのか、なぜ、ソニーピクチャーズがその中でうまく行かなかったのか、それを改善するために何をしたのかについて。見た映画に、こんな背景があったのかと驚く。ソニー本体にもこういうことができないのだろうか。
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ソニーピクチャーズをどのように再生したかという回想録。もう少し映画のポートフォリオがシステマティックなのかと思ってたけど、やはり感性に頼るところが多いのかもしれない。興味深いハリウッド内幕本。
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ビジネスマンに読んで欲しいと著者は思って書いたそうですが、私は「ハリウッドってこんなところだったんだ」と実際そこにいた人から話を伺う感覚で読み終わりました。
ハリウッドってアメリカの象徴だとおもってましたが、ソニースタイルとハリウッドのクリエイティビティをコラボさせたのは凄いですね。
ソニーが新しいものをうみだす日が又来てほしいなあ。 -
ソニー経営者によるコロンビアピクチャーの再生ストーリー。
クリエイティビティとビジネスをどうバランスをとるのかがテーマ。
著者によれば、必ず両立できるという。
さらに決定のスピードと国際化が鍵なのだそうだ。
メーカーとして積み上げ式の生産管理を得意とするソニー方式を映画界に融合させるとことがオモシロイ。