- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103341529
作品紹介・あらすじ
アートと書いて“いいわけ”と読む! ロダンから裸のマハまで。土偶から黒田清輝に、街中の銅像まで。斯界のエロフェッショナルとコラムニスト界の巫女が、「芸術だもの」を合言葉に生み出されてきた古今東西のハダカをタネに大談議。そこから浮かび上がるエロとアートの共犯関係に、あなた自身のワイセツ観も一変する――!? 二人初の共著。カラー図版多数。
感想・レビュー・書評
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もー とにかく面白くて
笑い転げちゃったよ
冒頭のヌード銅像に
混じって ウェイウェイする
みうら氏の写真からはじまり。
みうらじゅん氏と 辛酸なめ子氏の
対談が面白くないわけがないんですが
期待以上でした
特に 国立西洋美術館の
ヌード絵画に物申すのが最高
デッサンや体位への突っ込みという
アートへの境界も感じつつも
忌憚のないお二人の語りに
笑うしかない
ロダンも形無し詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とても読みやすくて1日で読み終えた。
「ヌー道」とはよく言ったもんだ。
絵画を観ながらヌードについて語り合う、みうらじゅんさんと辛酸なめ子さん。
またヌー銅を見ながら語り合う二人。
ヌードの銅像って意外に多いもんですね。
2人が真面目に語り合う姿が面白い。
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あちこちの公共施設でよく見る「ヌー銅」、設置されているのが自然すぎて疑問に思ったことはなかったけど基本裸像ですね。
確かにおっぱいやお尻にばかり目が行ってしまうことを白状します。
その目は芸術鑑賞よりも、エロかもしれないです。
いや、堂々とあっちやこっちを見ているので、確実にエロ目線です。
猥褻とアートの境界線は曖昧。 -
裸!は だ か!
さてさて本書は猥褻図書か、それとも芸術の探求本か。
クールべの「世界の起源」はオルセー美術館にある、ちょっとびっくりする作品。
秀逸なタイトルではある。
ちなみにオルセーにある「かんぬき」という作品はヌードではないが、ヌードみたいなものだ。(言われなければ気づかないかも)
「アートオブクライム」というフランスドラマで取り上げられていて、口笛を吹きたくなった(吹けないが)すごい作品。
篠山紀信の作品は背徳感がある。
ちょっと古いせいもあって(1970年代っぽい)、それがまた思いがけず「見てしまった」ような気持ちにさせる。
みうらじゅん氏のグラビアもあるが、こんな顔してたんだ…
艶かしさにどきりとする。
西洋美術館の収蔵品についても対談とカラー写真で楽しめる。
紹介されるのはどれも特別展、企画展ではなく、常設展示。
そろそろ再開すると思うので、またみにいきたい。
さあ!皆もオープンマインド!
心も体も!といきたいが、私は冷え性でお腹壊しがちなので、服は着ながら眺めさせていただきます… -
こういうのめっちゃ好き。みうらじゅんさんと辛酸なめ子さんが実際に芸術に触れ、互いに感想を言い合う。楽しそう。
確かに芸術とエロとは切り離して今まで考えていたけど、1歩間違えればエロじゃんってのは結構ある。
読後はロダンの彫刻や街中の裸の銅像ですらエロく見えてきてしまう。
みうらさんはあくまでエロと芸術は切り離すスタンスだけど、私ははっきり分けなくても良いと思う。エロも芸術も主観的でしかないんだもんね。
みうらさんが「頑張って獲得したエロにこそ達成感がある」みたいなことを仰っていたと思うが、まさにコレ。
ネットで検索すれば扇情的な写真や動画が山ほど出てくる時代で、何だか性が安売りされている…というか、お腹いっぱいになる感じが私もしていた。
袋とじを開けるときの高揚感とか、今は味わえないんだろうなと思うとちょっと可哀想。
なんだかエロのことしか感想に書いてないが、しょうがない。どうしてもそっちに引っ張られる。
ちなみにこの本で一番エロいと感じたのは、辛酸なめ子さんの描いた「マッチョの河童2匹と3Pする女性」のイラストです。 -
みうらじゅんと辛酸なめ子が、ヌードについて対談する本。“猥褻”と“芸術(アート)”の境目はどこなのか、人は何にエロを感じるのか、といったテーマについて語り合う。
辛酸なめ子がブラックホールの写真にエロを感じると言っていたのは、なかなか新しくてよかった。またコロナ禍でマスクで隠されることが多くなった口元にエロスを感じるというのもわからないではない。その他、ギャップ、物語性、後ろメタファー、アートと笑いはエロの最大の敵、など、多くの名言が飛び出す。
街中に唐突に出現するハダカの銅像「ヌー銅」を紹介する章での、日本のヌードは「湯上がり」が多い、明治に西洋から入ってきたヌードという文化は日本にはなかなか根付かなかったが、高度成長期の浮かれ気分で各地に「ヌー銅」をたくさん立てた、などといったみうらじゅんの考察は興味深かった。たしかにロダンの銅像と日本の銅像は雰囲気がまったく違う。裸でサックスを吹く男性の銅像を量産する黒川晃彦氏も非常に気になった。
みうらじゅんは、イラストレーターという職業柄、絵を見る際に、その絵がクライアントワークかどうかということに着目してしまうそうだが、その視点は非常に重要だと感じた。かつてクライアントを満足させるために描かれた作品の中で、どのような作品が「アート」として認められ現代に残ってきたのか。自分が真に描きたいものを追求した純粋な「アート」というものがあるのかどうか? みうらじゅんが、クライアントのある作品には、パンクな気持ちを込めてエロ要素を入れ込んだりするのに、クライアントのない作品にはそういうものを避けている、と言っていたのも、なんだか示唆的だ。
ヌードに関する本は、書棚に何冊か眠っているので、そろそろ読んでみたいと思う。 -
この2人のコラボ企画、最高!
みうらさんのマニアックさを辛酸さんが上手に受け止めてすれすれのところで、誰でも受け入れることが出来る。
いや、出来ないか(笑)
今度は辛酸さんメインにみうらさんが答える、いわば女性版マニアック企画の続編を。 -
長年の不眠がこの一冊で解消された(笑)
肩の力を抜いてみうらじゅんのコレクションを笑って見るのが精神衛生上にとても良いことの証左であろう。全くエロくないのが、この2人のセンスのよさ。
辛酸なめこの「おわりに」もとてもよい。
この2人の「脱力」力?は、身につけたい。
時々読んで、力を抜かなくてはね。
あー面白かったー。
今から夫とムスコが順番に読みまーす。
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共にムサビ出身であるみうらじゅんと辛酸なめ子が、さまざまな「ハダカ芸術」をめぐって語り合う対談集。
『芸術新潮』での対談がベースになっているが、この2人のことだから、大真面目な芸術談義で終わるはずもない。
虚実皮膜ならぬ“芸術とエロの間の皮膜”をめぐる語らいは、随所で笑いを誘いつつ、深みのある芸術論になっている部分もある。
対談集というのはキャスティングで半ば勝負が決まるところがあるものだが、この2人をキャスティングした時点で面白さは保証付きだ。
ただ、コロナ禍によってリモート対談を強いられたという後半のほうが、前半よりもやや盛り上がりに欠ける気がする。
やはり、直接対面して対談したほうが話が盛り上がるものなのだ。