- Amazon.co.jp ・本 (504ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103327448
作品紹介・あらすじ
あなたが描く「刑事」のイメージに、この小説は、革命を起こす。これが本当の「刑事」だ! 六年目、28歳、新人刑事。同期なのに先輩の女性刑事は優秀すぎるし、やらないといけないことも多すぎる――。でも、がんばります、市民のみなさまのために! と思っていたら、時効目前の犯人、目撃情報が。どうなる、僕? テレビや小説で無視されてきたディテイル満載。元キャリアの著者だから描けた超絶リアルな警察小説!
感想・レビュー・書評
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元警察官僚が描く、少し変わった警察小説。
「新任巡査」から成長した2人が刑事になった物語なのかと思ったら、全く違った。
女性刑事のアリスの方が先に刑事になり、同期のミツグは時効が迫る事件を目前にして、急遽刑事に引き抜かれるところから、物語は始まる。
10年の時効から逃げ切ろうとする犯人側との駆け引きを描きつつも、捜査のイロハをたくさん盛り込んでいるのは、この作者さんならでは。
そして、今回は綾辻行人や有栖川有栖に師事していると言うだけあって、事件のロジックも本格的で面白かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
交番勤務だった原田貢が刑事1課に抜擢され,上内亜梨子の指導を受けながら,刑事としてのノウハウを学んでいく過程で,十年の時効完成までわずかとなった指名手配犯の渡部美彌子を特定する物語だが,面白かった.大学講師だった美彌子が破談を示唆する警察幹部を傷つけたのが事件の発端だったが,彼が手術のミスで死んでしまう.貢の成長の過程で様々な事件が勃発し,彼は精力的に知識を吸収してきた.警察幹部の官舎で起きた火災でその幹部と美彌子らしき女性の遺体が発見されたが,貢の綿密な考察で,そのからくりをあばく.p420から始まる貢と東警務部長のやりとりが圧巻だ.
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吃驚するくらい余談に溢れているけれど、それも持ち味。
今回も、オイオイと思うような結末だけど、これも前作からの持ち味。 -
よ・う・や・く・読了。これは。小説という名の解説書?細かい動きが実によく理解できた。そして。違和感感じていた箇所が伏線の一つだった。最後の運びは強引っちゃその通り。だけどまあここまでくれば早く終わってほしかったもんねw
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これは傑作だ。「女警」では嫌な感じを受けた粘着的・反復・長編過ぎ、が一転本作はとんでもない魅力に思えた。半分読んだところで何となくプロットはわかったが、美彌子がxxxxだったとは..。ミステリーとしても一級だし、刑事という職業を知るには持って来いの一冊。
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ー それがホントにそうでした、と言い切ってしまうのも、舞台監督である、俺たち刑事だ。刑事ってのは、人の人生を背負ってく稼業だが、どう背負うかっていえば、『徹底して観る』ことで背負うんだよ。観察して、物語を見極める。ヒトの物語を。それがホントにそうでした、と言い切れるまで。だから人生が背負える。
まさに、そのとおりだ。物語を綴る。それがホントにそうでしたと断言できるまで。だから、よくいわれるとおり、捜査書類が書けない刑事は、刑事じゃない。 ー
前作より作り込まれていて面白い。
本当に面白い警察小説。 -
89巡査からのシリーズかと思ったら、同じ背景で登場人物が違った。前作の続編でも良いと思うけど。
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6年目に交番勤務からいきなり大規模警察署の刑事一課に配属となった原田貢。ある日、時効まで3ヶ月となった警察官傷害致死事件の指名手配犯を見かけたとの情報が。10年逃亡を続けていた犯人を、時効前に逮捕することは出来るのか。。。
少し前に読んだ「新任巡査」から成長した2人が刑事になった物語なのかと思ったら、全く違っていた。なんとなくおかしいなと読んでいる最中、手紙の”不倫”でも違和感。犯人はなんとなく分かったが、協力者は意外だった。