- Amazon.co.jp ・本 (566ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103317043
作品紹介・あらすじ
日本史上、もっとも有名で謎の多い天皇-極東の小国を勃興へと導き、欧米列強に比肩する近代国家に押し上げた果断な指導者の実像を、日本研究の第一人者が詳細に描く記念碑的大作。
感想・レビュー・書評
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配置場所:摂枚普通図書
請求記号:288.41||M
資料ID:50101327詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
角地幸男先生訳
通常の配架場所: 開架図書(3階)
請求記号: 288.41//Ke18//1 -
面白いんだけど寝ながら読むには重い…!
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幕末〜江戸の明治天皇を中心とした物語。とても良かった。史実が淡々と書かれている。途中で飽きてしまう人もいるかも。
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明治天皇という巨大な人格で修正される天皇観【赤松正雄の読書録ブログ】
雑誌に95年から5年あまりかけて連載され、01年に上下二巻の単行本として出版されたドナルド・キーン『明治天皇』は合わせて千頁を超え、値段も六千円を上回る。政界の大先輩・塩川正十郎さんから「凄い」と勧められ、「読んでないのなら、是非」と、贈呈されることがなければ、恐らく読んでいなかったかもしれない。現に読み始めてから既に数年が経っている。同時に5冊ほどを平行読みと称して、新幹線車中で読む習慣を持つ身としては、重たい本はなるべく敬遠したい。ページをめくるのに難儀するからだ。
だからというべきか、読み終えてもずっしりと手ごたえがあり、胸に去来することも少なくない。私のような戦後世代は、日教組教育の影響もあってか、皇国史観の中心的存在としての天皇家をどうしても斜視に見る傾向がある。率直に言って、「紀元は二千六百年」とか「万世一系」といったような表現ぶりに見られるように、日本の皇族が、永く一筋に続いていることを誇張されると、抵抗感がぬぐえない。いわゆる世間一般の常識からみても、首肯し難い色恋沙汰から始まって謀殺の類いに至るまで、悪しきことの繰り返しが皇室の歴史の中にも厳然とあるではないか、と思い続けてきたからだ。
そうしたもやもやとしたマイナスの感情がこの明治天皇紀を読むと、かなり修正される。「天皇は自分に対して厳しい人間で、めったに好き嫌いを見せることがなかった。暑さ、寒さ、疲労、空腹など普通の人間を悩ます類いのことで天皇が不平を洩らしたことなど絶えてなかった。天皇は、ほとんど不自然なまでに何事に対しても平然としていた」-このキーン氏の記述こそ天皇観の核の部分だろう。明治史を鷲づかみにするのにこれほど便利で調法な本はない。と、同時に、明治天皇が遅れて生きる全ての日本人にとっての模範の人格だと読むものをして思わせる。今、他の雑誌で連載中の福田和也『昭和天皇』も併せ読んでいるが、確実に祖父の遺伝子は孫に伝授されていると見え、興味深い。 -
高校の時に図書館で読んだ本。安いので購入。
改めて読み返してみたが、ドナルド・キーンやジェラルド・カーティスのような古典的日本研究者はみな「古き良き日本」を好きなんだね。
果たして、それが外国人がある時点を切り取ったにすぎないのか、日本の本質に係わるのか。明治天皇を完全無欠に近い君主像として神棚に上げてしまった感のある福田和也の「昭和天皇」第一巻にくらべ、関西弁をしゃべる人間としての明治天皇が描かれているのは好感か。
これを読み返すに、専制君主としての明治天皇のセンスはもっと評価されていいようにつくづく思う。ただし、その評価は意思決定者として、というよりは政局の調整者として、である。 -
明治天皇の人間像がよくわかる。幕末から明治の時代もよくわかる。明治天皇の5人の側室から15人の皇子皇女が生まれ、薫子内親王の3番目の子が後の大正天皇となったことも初めて知った。ただ、下巻の最後まで読み切るのは大変。残念ながら途中で挫折した。