孤剣: 用心棒日月抄

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103296133

作品紹介・あらすじ

お家転覆の証拠書類を握って恐るべき剣鬼が国許から姿を消した。藩取り潰しを目論み、公儀隠密も暗躍する。青江又八郎は密命を帯びて再度脱藩、江戸へ。息づまる三つ巴の死闘。密かに寄添う忍びの女。

感想・レビュー・書評

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  • いやー今回も面白かったでございますのよ

    連作短編と時代物ってのは非常に相性が良いなぁと今回も感じた次第
    テレビ時代劇が体に染みついてるんだろうなぁ…
    このシリーズドラマ化とかされてるんだろうかそもそも

    それにしても藤沢周平さんは人物の心の細やかな変化をしれっと文章に織り込むのがうまいなぁと思う
    あまりに主張しないので、気をつけないと見過ごしてしまいそうなほど
    だけどちゃんと表情が変わってるんよね
    くどくど説明しない、これってわびさびってやつじゃないかしら
    和の心ってやつよね
    和菓子のような物語(うまいこと言ったつもりの顔)

    んでも国元に由亀という妻がありながら、江戸で佐知といちゃいちゃするのはだいぶ許せんのよね
    こう見えてわしNO,WAR!NO,FURIN!の人なんよね

  • 13/12/10 いつ読んでもいい読後感。

  • 前作で藩の家老一派と対立に巻き込まれた又八郎は、帰藩し藩主を毒殺した大富を上意討ちにして倒し、許嫁由亀と暮らし始めたが、大富の甥・静馬が持ち出した連判状を奪い返す為、再び脱藩を隠れのみにし静馬を追い江戸にもどる。又八郎を狙う女刺客として対決した佐知という藩の嗅足組の頭目を味方に、連判状を狙う公儀隠密も巻き込み静馬と連判状の探索が続けられる。旧知の口入屋を通じ浪人の細谷・米坂の用心棒仲間の交流も描かれる。又八郎と佐知の交誼が深まるが・・・

    帰参の旅の途中からの静馬・女刺客・佐知の登場が後の
    静馬の探索、藩の取り潰し狙う公儀隠密との駆け引き、佐知の正体と息も尽かさず読み進めさせる展開でした。

  • 楽しく読めました。続編も読みます。

  • 用心棒シリーズ2作目。

    最後の話が一番好きかな。
    ファンサービスがばっちりでした(笑)

  • さて孤剣 藤沢周平読了。
    用心棒日月抄のシリーズ2。
    藩の派閥争いに端を発しお家転覆になる証拠書類をもって剣鬼が江戸に逃亡。 脱藩させられ密命を帯びて青江又八郎は江戸へと向かう。公儀隠密、忍びの女子が暗躍する三つ巴の死闘を制するものは‥。
    無理難題を押し付ける上司と文句を言いながらもミッションをこなす仕事の出来る主人公。しかも女性にもてもて。特命係長只野のようだな~。
    藤沢作品とは思えないコミカルな小説だがそこはさすがの周平節。 剣客の凄みを切れの良い文体で充分に堪能!

  • 今もっとも大好きな藤沢周平の一冊。
    さすがに文句なしの5つ星。
    読み進みながらドキドキ、次が気になって落ち着かない。
    読み終えた時は余韻に浸ってしまう
    じーーんとする。
    又八郎はすこぶるいい男。佐知もカッコいいいい女だー。

  • 藩取り潰しの危機を救うため、中老からの密命をうけて再び脱藩した青江又八郎。
    実に人のいい御仁です。
    藩のため、ひいては自分自身と妻である由亀のため、密書を奪うために奔走します。

    前作でおなじみの細谷源太夫、相模屋吉蔵はもちろん、今回は同じく浪人・米坂八内が用心棒仲間に加わります。
    前回の終わりに又八郎が助けた刺客・佐知の登場も楽しいものです。

    穏やかで誠実な雰囲気の又八郎、たくましい細谷、頼りなそうで実は剣の使い米坂の3人になり、ますます磨きのかかった用心棒。
    前作に続き、とても楽しめました。

  • 前作は浅野浪人の実話をベースに
    今作は地震と大火(明暦の大火?)をさりげなく
    盛りこみ、江戸時代の町民のイキイキとした様を
    描いている。

  • 国許にやっと戻れた青江又八郎は、やっと落ち着いた生活に戻ってきたがそんな中、また老中から呼び出しを受ける。
    先の陰謀に加担した者達の名簿が持ち去られたのだ。
    その名簿を狙って公儀隠密(幕府)も動き出した。万が一この名簿が幕府の手に渡れば国は廃絶されてしまう。
    そこで、秘密裏にこの名簿を奪還する命が又八郎に下された。
    ただし、全ては秘密裏に事を運ばねばならないので又八郎は表向き脱藩して江戸に下らなければならない。
    江戸に下り、友人の細谷に再会し、共に用心棒の仕事をしながら陰謀に加担した者達の名簿を探す事になる。
    以前、自らの命を狙っていた「嗅足組」と呼ばれる秘密の組織の江戸の頭である「佐知」と共に国の一大事に立ち向かう。

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著者プロフィール

1927-1997。山形県生まれ。山形師範学校卒業後、教員となる。結核を発病、闘病生活の後、業界紙記者を経て、71年『溟い海』で「オール讀物新人賞」を受賞し、73年『暗殺の年輪』で「直木賞」を受賞する。時代小説作家として幅広く活躍し、今なお多くの読者を集める。主な著書に、『用心棒日月抄』シリーズ、『密謀』『白き瓶』『市塵』等がある。

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