- Amazon.co.jp ・本 (438ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103296126
作品紹介・あらすじ
江戸は元禄、用心棒青江又八郎は知らずしらず浅野・吉良の争いの渦中に…。凄まじい殺陣の迫力、沁みわたる市井の哀歓。大きな活字で読みやすい藤沢周平名作集。
感想・レビュー・書評
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マイベスト国内版。何度でも読める。
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昔『腕におぼえあり』というNHKのドラマがあった。
主役が村上弘明で許婚の弟に香取慎吾(子役?)敵の刺客に片岡鶴太郎。
なんだか、今考えるとめっちゃ色々と豪華な顔ぶれだった。
ドラマを知って原作を読んだのだが、ドラマより面白かった。
とにかく、主人公青江又八郎の颯爽とした生き方が格好いいのである。
小藩の重要な秘密を偶然知ったため、許婚の父に切られかかり『腕におぼえ』のある青江は思わず切ってしまい。逃げるように江戸にでる。
そして、江戸で用心棒暮らしをしながら国許からの刺客と対決する。
だんだんと、読み進むうちに国許での陰謀が明らかになっていくのだけど、それよりも圧巻だったのは、青江が用心棒仲間と見た忠臣蔵のシーンである。
外からみた忠臣蔵のシーンという視線からなのか、実に生き生きとしていた。
■追記■
実は、この作品には続きがある。だけどできるなら書かないで欲しかった。シリーズ最新刊まで一応読んだが、とにかく巻を追うごとに醜悪になり、最初の作品が汚されてしまうぐらい、哀しいほどの駄作に成り下がってしまっている。それは、青江が歳をとったからではなく、勢いがなったからでもなく、作者の作品に対する思いが商業的なものになってしまったからだと思う。読んでしまったものは忘れられない。けれど、なかったことにしたいものもある。颯爽とした潔さのない時代小説など、誰も読みたくはないのだから・・・。 -
シリーズの始めでわくわく感がいいです。
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13/11/02 青江又八郎登場。
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うーー。不覚にも
それがし、この「用心棒青江又八郎シリーズ第一作」の前に
2作目の狐剣を先に読んでしまったのであえて4.5星とさせていただいたでござる。
一作目を先に読んでいれば間違いなく5つ星だと思うけど
2作目の狐剣の方が断然面白かったのであえて4.5★
それにしても又八郎はかっこよい♪ -
シリーズとしてこの「用心棒日月抄」「孤剣」「刺客」「凶刃」4冊を読んだ。最初は藩にいいように使われている貧乏藩士の江戸珍道中、、、のような気持ちで読んでいたんだけれど、この本の醍醐味はとにかく主人公と女隠密の佐知との関係。つかずはなれず、長い間に渡って育まれる2人の関係は、不倫の恋人であり仕事のパートナーであり…とにかくああいう形での結びつきも素敵だと思わせられる、イイ関係なのだ。大人の純愛が描かれている。佐知はいい女ですよ。
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とある理由で許婚の父を斬り、脱藩した青江又八郎。
江戸で浪人として生活していくため、相模屋吉蔵から紹介され用心棒となる。
しかし、警護する相手は飼い犬だったり夜鷹だったりといまいちパッとしない。
そんな用心棒生活をするうちに、知らず知らずのうちに赤穂浪士と吉良家の諍いに首をつっこんでしまう。
そんなお話。
初めて読んだ藤沢周平です。
なんかもっと小難しいのを想像していたんだけど、全然そんなことはなくて、むしろとてもおもしろかった。
用心棒としての職業倫理とか、又八郎の考えとか、浪人仲間の細谷源太夫との関係とか、日常とかが目の前で動き出すかんじ。
うだつの上がらない浪人用心棒生活が連作として進みながら、背後では浅野浪人の動きが長編のように進む。
とってもおもしろい作りで、2つのお話を一時に楽しめたような楽しさでした。
物語の最後には、脱藩した藩に戻った又八郎。
シリーズ2作目ではまたまた脱藩するということで、この先の由亀さんとの関係とか細谷や吉蔵との掛け合いがたのしみです。 -
剣の腕が立つ「青江又八郎」は、たまたま主君殺害の陰謀を耳にする。
翌日、許婚の父にこの陰謀を耳にした事を相談すると、背後からいきなり斬りかかられ、反射的に斬り伏せてしまった。
そして、その斬り伏せた姿を見た許婚に声をかける事も出来ず、江戸に逃走する。
主君殺害の陰謀を知ってしまった又八郎に追っ手がかかる。
口入屋から紹介される用心棒で糊口を凌ぎながら追っ手を切り伏せ、恋しい許婚を思い、許婚が敵討ちに来る事を待つ又八郎。
そして、用心棒の仕事に見え隠れする赤穂浪士の動向。
又八郎は友人の細谷源太夫と共に赤穂浪士をさりげなく助ける。
そんな中、陰謀を企てる派閥に対抗する老中より国許に帰る様に秘密の指令が出る。
又八郎の知る陰謀の情報を元に、一気に巻き返しを図ろうというのだ。
しかも、自らを敵と狙うだろうと思っていた許婚が自分の実家に身を寄せている事を知った又八郎は激しく動揺する。
国許に帰った又八郎は、陰謀の黒幕を退治し、許婚と結ばれ幸せな日を送る。
江戸で日々の糧に困った事や、追っ手の影を常に心配していた事はまるで夢幻の様に幸せな日々が始まろうとしている。