官僚のレトリック: 霞が関改革はなぜ迷走するのか

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103251514

作品紹介・あらすじ

民主党はこのまま天下りを乱発し、官僚依存にひた走るのか?霞が関で駆使される"言葉と論理のトリック"を、元行革大臣補佐官がいま初めて明かす。

感想・レビュー・書評

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  • 官僚でも優秀な人はいるということはあるのでしょうけど。難しいことや分かりにくいことを、わかりやすく説明したり解決するのが「頭のいい人」だと思ってます。分かりにくいことをことさらの分かりにくくしているのは決して頭のいい人たちのやることではないと思います。そういう意味で、個人的な見解ですが、官僚は頭のいい人たちとはいえないな。と、思いました。わざとやっているでしょうけど、それは「悪知恵」というものだと思います。

  • 著者は元官僚。見事なまでの欺瞞に満ちた霞が関修辞学を白日の下に晒す。官僚に操られている政治家の実態も赤裸にされている。政治主導の暴走と迷走に明け暮れる民主党。自民党が霞ヶ関改革に敗北した経緯も非常に興味深い。最後に脱官僚のための五カ条がささやかながら示されているが、これも徒花なのか。

  • ペーパーテストの良く出来る人の悪知恵が、日本を駄目にしているなあ。

  • 2012/02/03:読了
     ざっと読み。
     官僚の意図的なサボタージュや政治家の方針を
    テクニカルにつぶす方法が記載されている。
     あまり、興味がわかなかった。
     政治家の意図を曲解するような語句を、本来の文書に
    潜り込ませて、あとから政治家が気がついても、
    あとの祭り。もし、軌道修正しようとしても、あのとき
    ああ言ったのに、撤回するのかと、マスコミや野党に
    言わせるなど...
     読んでいて、そういう人も、そういう人が上にいる国も、
    なんだか、悲しくなるような内容。

  • なぜか最近よく読んでいる「公務員制度改革」関連の一冊で、渡辺喜美氏の補佐官をしていた方の回顧録。公務員制度改革が叫ばれた歴史は長く、古くは池田勇人内閣時代にも似たような提言がなされていたようで、読んだ限りでは今の民主党のやろうとしていることはむしろ後退しているように見える。
    散々な言われようだった安倍内閣があのまま続いていたらより攻めた法案が通っていたかもしれないと思うと、民主主義とかジャーナリズムとかって何なのだろうと思わなくもない。
    もっとも、一説にはだからこそ霞が関の徹底的な反抗にあってネガティブキャンペーンが打たれて倒閣されたという話もあるし、「どっちにしろ渡辺も中川秀直も所詮ポーズ」という話もあるし、実際のところはよく分からない。

  • 元うちの人。

    公務員制度改革を、いかに「日本語」を駆使して骨抜きにしていったか。

    いわゆる典型的な役所のbehaviorが描かれてると思う。


    自浄作用が働かない数ある理由のひとつの根っこが超然主義にまで遡るってことはやっぱり明治の時代からほとんど変わってないのかもしれない。


    自分が優秀だと思うならどんどん外に出ていけばいいのに。


    なにをそこまで守る必要があるんだろうか。

  • 主題は、筆者が官僚として推進した「国家公務員改革法」の経緯と​挫折の話ですが、その中で官僚が如何に狡猾な論理を弄して改革を​骨抜きにしたかが語られています。でも、この種のレトリックは、​誰でも知らず知らず囚われることがあるのも事実だと思います。ひ​とごととして笑ってばかりいられません。

  • 最近流行りの、官僚の劣化を扱った書。元行革大臣補佐だけあって、渡辺氏の行革大臣の報告が詳しくよい。

    「官僚主導」は、民主党政権でもできていないが、それはなぜできなかったのかが述べられている。脱官僚ではうまくいかないのは当たり前で、官僚を政治主導でうまく使いこなすことをしなくてはならない。

    小泉政権後の、安倍、福田、麻生政権の公務員改革の実情とそれの提言をしている。提言5カ条によると

    1.官僚を使いこなす前に官僚を選べ。
    2.閣議をお習字大会から、討議の場にせよ。
    3.人事院と身分保障を廃止し、官僚は特別論を駆逐せよ。
    4.改革の戦術論は、過去の成功と失敗に学べ。
    5.脱官僚に足る政治家を揃えよ。

    もっともな指摘である。参考にしたい。

  • 元官僚で、自民党政権末期の時代に行革を担当していた人が書いた本。

    民主党の失敗と、自民党時代の行政改革について簡潔にまとめている。

    この本を読めば、どうして自民党も民主党も行革がこれほどに進まないかが分かるはずである。

    とてもいい本なのだが、筆者も断っている通り、発表されている情報のみで裏情報については述べられていないのは残念。

    この世を去る前にしっかりと真実を残してほしい。

  • これは面白かった。霞が関の修辞学がよくわかりやすそうに書いてるし、ここ数年の新聞読んでた人だったら、色々公務員改革のニュースと本の内容がリンクしてておもしろがっちゃいけないんだろうけど、納得感があったので、読んでよかった。

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著者プロフィール

株式会社政策工房代表取締役社長。
1966年生まれ。東京大学卒、シカゴ大大学院修了。通商産業省(現・経済産業省)入省後、規制改革・行政改革担当大臣補佐官などを経て退職。2009年に株式会社政策工房を設立。国家戦略特区ワーキンググループ座長代理、規制改革推進会議投資等ワーキンググループ座長(-2019年)、大阪府・市特別顧問、NPO法人万年野党理事なども務める。
主著に『岩盤規制』(新潮新書)、共著に『国家の怠慢』(新潮新書)などがある。

「2021年 『総務省解体論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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