- Amazon.co.jp ・本 (142ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103177111
作品紹介・あらすじ
妻はそれきり11年、口を利かなかった-。芥川賞受賞作「終の住処」、書き下し短篇「ペナント」収録。
感想・レビュー・書評
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読み終えて2週間ほど経ち、こうして今、感想を書こうと思うものの、全く印象に残っていない 読みやすかった気がするが、それだけである
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終の住処では、同じ家に居て11年間、口を聞かない夫婦、あるか、ないか。妻の機嫌が悪くなりコミニケーションが無くなって夫の不貞の行い。これは仲睦まじい方が読むとイラッとするかな。羨ましく思うか、旦那元気で留守がいい。と思うか。
ベナントでは、ボタンを探し求める内容には、ゾッとして、落とし物は諦めが肝心だなと思いました。不思議な時間に引き込まれそう。 -
こういったよくわからない文章は好きではありません。きっと好みの問題なんでしょうが。猫街や1Q84を読み終えたときのような腹立たしさが後に残ります。前者よりズイブン劣るぶん、余計に。
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先日、『文藝春秋』で今年の芥川賞受賞作品「冥土めぐり」を読み、ふと最近の芥川賞受賞作品を読んでないなと思ったので、磯崎氏のこの本に手を出してみた。
ストーリーとしては主人公と妻の20年の結婚生活、ということになるが、あくまで主人公が見た・感じた出来事や体験が、主人公の中での記憶の重さと時間の流れに沿って描かれるので、日常の連続を綴っていても非日常な歪みが生じていて、独特な世界になっている。主人公が感じること、思うこと、考えること、それの対象が妻であっても、妻自身の感じたことや思ったことは語られず描かれず、受動的というのも違うのかもしれないが(それなりに色々自分から動いてるし)、全ては主人公の視界の中だけの現実として描かれている印象。世界をレンズで覗きこんでいるような…レンズ越しの景色ゆえの隔絶感・非現実感がある作品なのに、描かれる物語自体は妻や母や娘に囲まれた普通のサラリーマンである主人公の平凡な人生(の一部)で、「大事件があったわけではない人生」が独特の重量を伴って描かれ、「終の住処」というやけに重たい響きの言葉へ集束していくのが小説として面白い。
ストーリーというか、起きる事件に意味があるわけではなく、こうやって時が流れて、いつしか一生のゴールまでもが見えてくるところまで来てしまう、そういう、「当たり前」の連続が導いたはずの結果が何となく自分にとって「当たり前ではなかったはずのもの」になっている、その違和感や驚愕自体がこの作品の核なのでは。主人公の世界の固有名詞を持たない家族や女たち、区切りが少なく連なり続ける文章、そうした世界の終わりにある「終の住処」。ただし、こういう人生は本当に逆らいがたく現出するものではなく、生き方次第で変わるものだから、共感とかそういうものは…でもその、生き方を変えたら人生変わった、的な話になってないところが、文学としていいのだと思う。
時代の大きな流れに置いて行かれているような感覚をぼんやり感じながら、自分の小さな世界の、大きな目で見ると変わり映えのない日々の、けれど目の前に次々立ち起こり少しずつ自分を疲れさせて行くささくれのような小さな波風を、一つ一つ飲みこんでいく。毎日が、すなわち人生がそんな風に感じられた時期の私なら、もっと近く、身につまされる気持ちになったかも。別にそうした共感を求めている作品でもないだろうが、今はそういう風には人生が見えていないので、単純に「ふむふむ」という読後感だった。 -
疲れている・あきらめている・主体性がない
中年男性の物語
共感も興味もあまり持てなかった。 -
生身の人間を描いた作品
いかにも -
ペナントは終始夢の中のお話みたいでよくわからなかったが、「終の住処」は男性的な小説だなと思いました。
不倫のエピソードは男性にしてみれば、長いスパンで見るとそれくらいの思い出にまとまってしまうのかなという感想です。 -
なんだかよくわからなかった。
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▼福岡県立大学附属図書館の所蔵はこちらです
https://library.fukuoka-pu.ac.jp/opac/volume/151781