サラバンド・サラバンダ

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103163329

作品紹介・あらすじ

心が諦めようとしても、身体が諦めない。魂の黄昏時に男が見た情景とは――。差出人にも、故人の名前にも、まったく心当たりのない香典返しの小包が自分宛てに届いた。むろん通夜も葬儀も行っていない。いったい何故、何のために。記憶を整えると、遠い昔に別れた女の名前が蘇り……。老いの入り口に立った男の憂いと怒り、焦燥、絶望、狂気、そしてエロス。芥川賞作家が円熟の筆で描く珠玉の短篇小説集。

感想・レビュー・書評

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  • 親や同年代の友人の死が身近になり死を意識しだす中年が観る風景を描いた短編集。描かれている心情はおもしろいとは思うが、ちょっと侘しさや寂しさが勝ってしまっていて読後感はいまひとつ。

  • 短編集。
    中高年層の男性の
    ありふれた日常の中で、
    自分自身の精神、身体にまっすぐに目を向け
    対話するように綴られる文章。

    華やかな若さを持った時代の男女にはない
    心身ともに落ちるように変化する様々な出来事を
    クスリと笑えることも、やがて哀しきなんとやら。

    こんな風に、下り坂の時代をまっすぐに描いていながら
    素敵な文章にできるのは、特殊なことなんでしょうね。

    幾つかは、ニヤリと、幾つかは哀しく。
    こうやって、誰しも日常を積み重ね老いていくのでしょう。

    更年期を迎えた女性が読んでも、
    まだまだと思っているおじさんが読んでも
    それぞれに、ズンと響く何かがありそうです。

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著者プロフィール

1959年新潟生まれ
書評紙編集者を経て93年「ゾーンを左に曲がれ」で作家デビュー。98年「ブエノスアイレス午前零時」で119回芥川賞受賞。著書『サイゴン・ピックアップ』『オレンジ・アンド・タール』『箱崎ジャンクション』『雨月』『さだめ』『幻夢』『心中抄』『キルリアン』『波羅蜜』『武曲』『武蔵無常』『サラバンド・サラバンダ』小説以外に『安吾のことば』など

「2020年 『言葉である。人間である。 読書術極意』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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