エッダ: 古代北欧歌謡集

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103137016

感想・レビュー・書評

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  • 北欧物語は、子供のころからずっと好きだったんですが、ちゃんと物語として読んだことはなかったんで、図書館で借りました。

  • 北欧神話の雰囲気を肌で感じることができる歌謡集。まだまだ途中だが読んでいると胸がワクワクする。日本人には聞き慣れない単語が多く、一々注を引かなければならないのが面倒だが、それを差し引いても最後まで読み切る価値があると思う。

  • 個人的にはオーディンの箴言が見どころ。
    Deyr fé,
    deyja frændur,
    deyr sjálfur ið sama;
    en orðstír
    deyr aldregi
    hveim er sér góðan getur.
    「財産は滅び、身内の者は死にたえ、自分もやがては死ぬ。だが決して滅びぬが自らのえた名声だ」

    悪竜現象、力の指輪の元ネタも出てくる。

    この歌謡集が作られなければ、ワーグナーの『ラインの黄金』も、指輪物語も、進撃の巨人も、ゲッテルデメルングも存在し得なかったと考えると感慨深い。

  • 古代北欧の神話・伝説を歌った古歌謡集『(古)エッダ』の日本語訳。『王の写本』収録の31篇の詩を全訳するほか、小エッダ中の6篇、およびスノッリ・ストゥルルソン作『(スノッリの)エッダ』第一部「ギュルヴィたぶらかし」の訳を収めており、北欧神話の著名なエピソードを原典で触れることが出来る。
    本書は、『(古)エッダ』及び『(スノッリの)エッダ』「ギュルヴィたぶらかし」の全訳である。底本は『(古)エッダ』がNeckel Gustav, Hans Kuhn, Edda. Die Lieder des Codex regius nebst verwandten Denkmälern (Heidelberg, 1968 3th edition)、『(スノッリの)エッダ』がAnne Holtsmark, Jón Helgason, Nordisk Filologi: Tekster og Lærebøger til Universitetsbrug. Serie A: Snorri Sturluson. Edda. (1950)となっている。内容は『巫女の予言』、『ロキの口論』といった神話詩から『フンディングル殺しのヘルギの歌 その一』や『レギンの歌』などの英雄詩まで幅広く、更にはそうした神話を一つの物語に再話したスノッリの「ギュルヴィたぶらかし」まで揃っているので、これ一冊あれば北欧神話の主要なエピソードを原典で網羅することが可能となっている。自分自身、それまで北欧神話は(概説本や再話文学の形で)概説的にしか知らなかったので、今回原点を直接紐解いてみて初めて気づいたことが多々あった(シグルズ伝説以降におけるグズルーンの活躍など)。その著名度に反し原典にあたろうとすると訳本の多くが絶版本であることの多い北欧神話において、現在でも手に入れることが容易である点も強みである。まさに北欧神話に触れようとする者にとって必須の本と言えるだろう。

  • 図書館借覧。

    北欧神話の原点。
    歌謡形式で書かれている。

    スノッリのエッダよりギュルヴィたぶらかしも収録されている。

    ずいぶん古い本だが、未だに店頭にも並んでおり比較的手に入れやすい。

  • 専門的な北欧神話の本がほとんどが絶版・売り切れの中、比較的手に入りやすい一冊。
    図解等では物足りない、もっと詳しい北欧神話関連の本が読みたいと思ったそこのあなたにおススメ!

    個人的には、登場人物の名前の由来が書いてあるのがよかったです。

  • ★P.N だこわーず さんのおすすめコメント★

    エッダとは、古代北欧語で書かれた神話や英雄伝説をまとめた歌謡集のことです。
    ケルト神話でおなじみのロキやフレイヤ、オーディンも登場します。
    神話マニアならば一度は目を通しておきたい一冊。

    OPACへ ⇒ https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=9000752351

  • 日本語で北欧神話を読みたいなら、この本がお勧めです。ドイツ語のエッダ訳から邦訳したもので、エッダ詩(神話詩と英雄詩あわせて)37編、『スノリのエッダ』「ギュルヴィたぶらかし」の1編が読めます。 巻末の解説は日本語で読めるエッダ詩解説の中ではかなり詳しいもので、神話だけでなくその成立背景も知りたい場合には役立つでしょう。

    高校生の頃、北欧神話をもっと知りたいと思って入手しました。神話本の中では文庫の次にコンパクトですし、それでも字が小さい分内容が充実していたので昔はこればかり読んでいました。今でも解説部分は各詩の詳細をちょっと見たいときに便利で、お世話になっています。

  • 北欧神話は歌謡で継がれているんですが、その歌謡本の完訳です。
    指輪物語を読む前に。

  • 北欧神話と呼ばれるものの原典の邦訳です。
    詩のエッダからの訳が中心で、その内容は神話・格言詩・英雄詩の3つのタイプに分けられる。スノリのエッダからは『ギュルヴィたぶらかし』のみ収録されている。
    『シグルズの歌』を始めとするヴォルスングサガは、ドイツの叙事詩『ニーベルンゲンの歌』、ワーグナーのオペラ『ニーベルンゲンの指環』と密接な関係があるので併せて読むとおもしろいとおもしろいです。

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著者プロフィール

1929年,東京生まれ.2021年沒.東京大学文学部独文科卒.広島大学名誉教授.アイスランドを中心とする中世期の北欧文学を体系的に翻訳・紹介するとともに,日本アイスランド研究会(現・日本アイスランド学会)初代会長を務めるなど,日本における古北欧文学研究を牽引.1990年にはアイスランド政府より鷹勲章が授与され,また沒後,従四位に叙された.著書に『エッダとサガ』(新潮社 1976, 新版2017),『ゲルマンの民俗』(溪水社 1987)などがあり,『エッダ─古代北欧歌謡集』(新潮社 1973)で日本翻訳文化賞を,『アイスランド サガ』(同 1979)で日本翻訳出版文化賞・藤村記念歴程賞を受賞.ほかにも『北方民族文化誌』(上下,溪水社 1991–92),『デンマーク人の事績』(東海大学出版会 1993),『ヘイムスクリングラ』(1–4,プレスポート・北欧文化通信社 2008–10)など訳書多数.

「2022年 『ルーン文字研究序説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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