大江健三郎作家自身を語る

  • 新潮社
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本棚登録 : 51
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103036180

作品紹介・あらすじ

創作秘話、恋愛観、フェミニズム、自爆テロ、同時代作家との友情と闘い。作家生活50年を語り尽くした、対話による自伝。

感想・レビュー・書評

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  • 『取り替え子』を読んだ勢いで一気に読了。

    20代でデビューし50年間書き続けてきたノーベル賞作家と呼ばれる1人の人間を、よくぞ浮き彫りにしたものだと感心した。聞き手の尾崎真理子さんもただ者ではない。


    『取り替え子』などを読むと殆ど実際にあったことだと思わせられたが、「実際にあったことはあっさりと、フィクションとして作った部分の描写はしっかりと書き込む」のだと知った。


    また、母親と妻となった妹的な存在が一つになった者にうなされるというコメント。(小説に出てくる母親の言葉はいつも暗示的でするどい)

    エリオット(詩人)と西脇順三郎(翻訳者)と自分の読みとの「三者の言葉の三角関係」が不可欠だということも興味深かった。

    タイミング良く出合った1冊だった。

    講談社主催の第1回の大江健三郎賞は長嶋侑が受賞したそうだ。「大江健三郎賞」で検索したら、受賞の対談の模様を要領よく報告した文章があって、それもおもしろかった。

    作成日時 2007年07月15日 08:16

  • 大江さんファンにはたまらない。
    現実がフィクションになり、フィクションが現実になる。その過程を知ることができた。
    太宰などを例に私小説との違いを語る部分は特におもしろい。
    太宰は、小説の辻褄を合わせるために自殺しなければならなかったという部分は、なるほど。

  • 毎日新聞2007.7.8

  • 大江健三郎が50年間の作家生活をインタビューで振り返っている自伝。普段の生活、他の作家(および作品)との交流、小説の創作過程など、好奇心を満たしてくれる話がいろいろ出てくる。大江健三郎の小説のファン“なら”楽しめる内容。

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著者プロフィール

大江健三郎(おおえけんざぶろう)
1935年1月、愛媛県喜多郡内子町(旧大瀬村)に生まれる。東京大学フランス文学科在学中の1957年に「奇妙な仕事」で東大五月祭賞を受賞する。さらに在学中の58年、当時最年少の23歳で「飼育」にて芥川賞、64年『個人的な体験』で新潮文学賞、67年『万延元年のフットボール』で谷崎賞、73年『洪水はわが魂におよび』で野間文芸賞、83年『「雨の木」(レイン・ツリー)を聴く女たち』で読売文学賞、『新しい人よ眼ざめよ』で大佛賞、84年「河馬に噛まれる」で川端賞、90年『人生の親戚』で伊藤整文学賞をそれぞれ受賞。94年には、「詩的な力によって想像的な世界を創りだした。そこでは人生と神話が渾然一体となり、現代の人間の窮状を描いて読者の心をかき乱すような情景が形作られている」という理由でノーベル文学賞を受賞した。

「2019年 『大江健三郎全小説 第13巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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