個人的な体験

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103036166

感想・レビュー・書評

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  • 著者、大江健三郎さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。

    ---引用開始

    大江 健三郎(おおえ けんざぶろう、1935年〈昭和10年〉1月31日 - 2023年〈令和5年〉3月3日)は、日本の小説家。昭和中期から平成後期にかけて現代文学に位置する作品を発表した。愛媛県喜多郡大瀬村(現:内子町)出身。

    ---引用終了

    先頃、88歳にて亡くなっています。


    で、本作の内容は、次のとおり。

    ---引用開始

    大江健三郎の長男大江光が脳瘤(脳ヘルニア)のある障害者であり、その実体験をもとに、長男の誕生後間もなく書いた作品である。主人公は、脳瘤とおそらくそれによる脳障害を持つと思われる長男が産まれることにより、出生後数週の間に激しい葛藤をし、逃避、医師を介しての間接的殺害の決意、そして受容という経過を経る姿を描く。

    ---引用終了

  • 鳥(バード)の息子は脳に障害を持って生まれてきた鳥は絶望に苛まされ息子の死を望み、妻以外の火見子と関係を続ける。最後には子供と生きる決意をする。

  • 今年のノーベル文学賞が話題となり、そういえば、「大江健三郎を読んだことがなかったな」と思い手にした一冊。

    長男が脳瘤(脳ヘルニア)のある障害者であるという、その実体験をもとに書かれた小説である。

    うまい

    見事に「男性」が描かれている。この「男性」とは男らしさとかそういう意味ではなく、「日本文学の中の男性」という意味。現在の老いた「大江健三郎」の姿からは想像できない鮮烈な印象だった。

  • 個人的な体験、新潮社、1994-11-5(新装版)。昭和39年(1964年)8月「純文学書下ろし特別作品」の1冊(新潮社)

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著者プロフィール

大江健三郎(おおえけんざぶろう)
1935年1月、愛媛県喜多郡内子町(旧大瀬村)に生まれる。東京大学フランス文学科在学中の1957年に「奇妙な仕事」で東大五月祭賞を受賞する。さらに在学中の58年、当時最年少の23歳で「飼育」にて芥川賞、64年『個人的な体験』で新潮文学賞、67年『万延元年のフットボール』で谷崎賞、73年『洪水はわが魂におよび』で野間文芸賞、83年『「雨の木」(レイン・ツリー)を聴く女たち』で読売文学賞、『新しい人よ眼ざめよ』で大佛賞、84年「河馬に噛まれる」で川端賞、90年『人生の親戚』で伊藤整文学賞をそれぞれ受賞。94年には、「詩的な力によって想像的な世界を創りだした。そこでは人生と神話が渾然一体となり、現代の人間の窮状を描いて読者の心をかき乱すような情景が形作られている」という理由でノーベル文学賞を受賞した。

「2019年 『大江健三郎全小説 第13巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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