シンドラーズ・リスト: 1200人のユダヤ人を救ったドイツ人 (新潮文庫 キ 5-1)
- 新潮社 (1989年1月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (611ページ)
- / ISBN・EAN: 9784102277010
作品紹介・あらすじ
強制収容所のユダヤ人の間で、一人の男の名が囁かれていた。多額の賄賂でナチスの要人をたらし込んだ実業家。女とコニャックに酔いしれてメルセデスを駆る道楽者。そして、ユダヤ人を救う唯一のドイツ人、オスカー・シンドラー。死に至る労働に明れ暮れる彼らにとって、ある"名簿"に載り、彼の軍需工場に移されることだけが生き残る道だったのだ-。感動のノンフィクション・ノベル。
感想・レビュー・書評
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英雄は必ずしも暴力を伴わないということがわかる。
シンドラーはユダヤ人にとっての「英雄」であるのだが、まるっきり善人というわけではないところが人間味あふれていて興味深い。良いこともすれば悪いこともする。ただ残酷な仕打ちを受けるユダヤ人に対する同情心だけは最後まで持ち続けていた。
なんというか、言ってしまえば普通の人間である。
そういう普通の人間で居続けることが非常に難しかったのが、あの時代のドイツなのかなと思った。
そういうことを知るためにも、この本は読む価値はある。
小説としての描写も、おかしなところはあるのだけど(なんの前触れもなく過去の場面に切り替わったりということがよくある)、全体としてはよかった。
アウシュビッツで離れ離れになった親子が手を振り合うシーンや、ブリンリッツに到着した囚人をシンドラーが迎え入れる場面などは、人が活き活きと描かれていて印象に残った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アカデミー賞受賞映画の原作で、名作といわれる作品。ノンフィクションはやはりずっしりとくるものがある。
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戦争という人殺しの最中に狂っていく人達と、狂わずにいれる人達の違いはなんなんだろう、、、
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2016/12/16読了
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テーマや内容は興味深いものがあるけど、話の展開が遅いのでなかなか読み進められない。
一旦返却 -
本書は、映画にもなったノンフィクションノベルの大作であるが、やはりナチスドイツの行ったユダヤ人へのジェノサイドがあまりにも凄く、フィクションでもない限りこんなことにはならないだろうと思わざるを得ない。それほどに親衛隊がユダヤ人にとった行動は惨く、読み手の気分を滅入らせてしまう。ここで描かれるオスカーは聖人君子ではなく、むしろ、生身の実業家そのものであるが、その志と一貫して保ち続けたナチス党のユダヤ人迫害に対するアンチテーゼは、読む者の心を打つ。ヨーロッパ戦線終結と共に自らが追われる立場となりながらもユダヤ人の仲間というかもはや家族との逃避行は痛快ですらある。危機に際して実力を発揮するリーダーは安寧な時代には得てして枯れてしまうものであるが、シンドラーも御多分に漏れず静かな晩年を迎える。ノンフィクションならではの迫力がある。
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もう一回、今度は人物相関図書きながら読む。
誰が誰なのか名前がわけわかんなくなりながら色々読み直しながら進むのはつらかった。