未亡人の一年 下巻 (新潮文庫 ア 12-9)

  • 新潮社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (525ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102273098

感想・レビュー・書評

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  • 1958年の夏、4歳のルースは39歳のママと16歳のエディ少年がベッドに一緒にいるのを見てしまう。両親は別れ、ママは去り、ルースは人気のある絵本作家で浮気性のパパに育てられる。

    1990年の秋、36歳のルースは有名な作家となり、有名でない作家のエディ(48歳)に再会する。母マリアンは行方不明。

    1995年の秋、結婚し子供も生まれたのに未亡人となってしまった41歳のルース、再婚の機会が訪れる。母には会えるのだろうか。

    ストーリがおもしろいので、ぐんぐん引き付けれれるのは勿論だけれど、作者が思い出すかのように将来の出来事を先に書いてしまうので、展開はわかってしまう。

    すじが面白くて読み引き付けられるのではなく、人の気持ちがとてもよく書けているのて、こんな状況にはこの登場人物はどんな気持ちになるのだろう、との推測が興深いったらない。

    人の気持ちの変化が、どうしてこんなにおもしろいのか。不思議な作家だ。

    登場人物が作家ばかりで、その作家が小説を書き、その書いた小説が入れ子になったり、これから書く小説が出てきたり、周りの登場人物も編集者や本好きの読者でかためられ、書物が出てくれば目のないものにはこたえられない。

    文庫本上下1000ページあまりの本、面白かったわりには時間がかかってしまったけど、やはりお薦めである。

  • 上巻に記載。

  • 小説家ルースは結婚、出産から父、夫と死別。取材で訪れたアムステルダムで事件に立ち会う。一方、ルースを捨てた母に未だ恋を抱くエディ。ルースを中心に幾つもの愛の形を提示しつつ震えるような結末。美しい物語。

  • 【概要・粗筋】
    1990年秋、エディと再会し、母親の話を聞くことができたルースは、担当編集者のアランとの中を進展させることを躊躇していた。親友ハナが父親テッドと寝て、男に初めて殴られたルースであったが、予定通りプロモーションのためにヨーロッパへ旅出す。オランダで新作の構想を得たルースは取材中にある事件に巻き込まれる。逃げるように飛行機に乗ったルースは、機上でエディから渡された推理小説を読み、その作者が失踪した母親であることに気づく。そして、自殺した父の葬儀後、ルースはアランと結婚し、男の子をもうける。家族の死を機に崩壊したコール一家の40年を描く物語。

    【感想】
    上下巻合わせて1000頁以上の大作だったれど、どんどん読み進めていけるので長さは特に感じず(特に下巻は)、一気に読み終えた。

    物語がどう終わるかは、目次と上巻の早い段階で出ていったマリアンが戻ってくることが明らかにされているので、予想通りだった。にもかかわらず、読んでいる間は物語がどう進んでいくのか見当がつかなかった。物語の芯となる部分が曖昧だった。だから、この小説を一言二言で表現できる言葉が思いつかない。タイトルからしても曖昧(一年とはアランの死から一年という意味なのか?)で、この作品全体を表現できてないと思う。

    アーヴィングの作品には、傍線を引きたくなるような文が結構あるものなのだが、この作品にはひとつしかなく、おまけにそのひとつもあまり印象深いものでもなかった。

  • 2008/11/2

    親しみのこもった温かいユーモアと、
    読者を驚かせたり感動を誘う巧みなエピソードが、
    ジョン・アーヴィングの小説の好きなところだ。

    悲しい事件が起こっても決して暗くなりすぎないし、
    どこか楽観的に世界を見ているのが伝わってくる。

    物語の中で3人の人間が自殺をするが、
    あまり子細に語り過ぎることはせず、
    一つのエピソードとしてどどめておく。

    読んでいる側としても、
    ハナとテッドの奔放な性格に救われることも多い。

    また、物語のディティールでも、
    ルースが殺人現場を目撃する場面の生々しさには
    ゾッとさせられたし、
    マリアンが戻ったときに見せた
    エディのマリアンへの変わらぬ愛情にはハッとさせられる。

  • 感想は上巻に書きました。

  • 「泣かないでルース,ただのエディとママじゃない」

  • 下巻。できればこの本が終わらなければいいと思いながら読んでいました。

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