アメリカン・ウォー(上) (新潮文庫)

  • 新潮社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102201312

作品紹介・あらすじ

2075年、環境破壊のために沿岸地域が水没しつつあるアメリカ。化石燃料の使用を全面禁止する法案に反発した南部三州が独立を宣言、合衆国は内戦に陥った。家族の大黒柱をテロで失った南部の貧しい一家の娘サラットは、難民キャンプへ避難する。北部へのゲリラ戦を繰り返す武装組織に接近する兄。サラットに自爆テロ攻撃をそそのかす謎の男。苛酷な運命に導かれる彼女はどこへ向かうのか──。

感想・レビュー・書評

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  • 中東出身の著者が書いたSF作品。
    ただし、その内情はとても生々しい。

    舞台は今から半世紀後のアメリカ。
    そのころ環境破壊が進んだアメリカでは自然保護主義に舵を取る北側と化石燃料を使い続ける保守的な南側の対立が激化し、内戦へと発展していた。

    そんな時代に生きた、ある一家に焦点を当てて、物語は進んでいく。主人公は好奇心旺盛な背の高い女の子、サラット。
    前編は戦争に翻弄され、各地を流転しながらも難民キャンプで平和に過ごす様子を描くが、前編の最後に大虐殺が発生し、少女の心に復讐の鬼が住み着くところで終わる。

  • 池上彰さんの解説の一部が帯にあったので、手に取ってみた作品。中身は、中々濃いのですが、一気に読んでしまいました。

    タイトルから想像するのは、アメリカが戦争を行っている話なのですが、実際の内容とは異なります。いや、戦争は行っているのかもしれませんが、内向きの戦争です。

    そして戦慄したのは、その内容なんですよね。なんか、今のトランプ政権の後のアメリカを予想したような感じがして・・・

    下巻が待ち遠しいです。

  • 2075年のディストピア。現在起こっていることは全て過去の遺物として書かれ、荒廃の理由が全て現在から繋がっている事柄、そして主人公がメキシコから不法入国してきた父親と、現地のアフリカ系の母親から生まれた12歳の少女という設定が独自。青いアメリカ(合衆国軍、北部)と赤いアメリカ、アトランタを首都とした自由南部国で、かつて戦争があり、終結したが、ゲリラ戦は続いている。紫アメリカ生まれの主人公たちは、生きるために赤の難民キャンプに紛れ込む。双子の主人公は過酷な状況ながらも悲観しておらず、清くたくましく生きてる。

  • SF

  • 面白かったよとオススメされて手に取ったけど、アクションものでも軍事ものでもないんだな。SFと思って読もう。下巻で大暴れしてくれると良いなぁ。

  • 近未来のアメリカが舞台だが、辺境の地や難民キャンプの描写は現在の中東の紛争地域をモデルにしているのではないかと思わせる。詳細→http://takeshi3017.chu.jp/file7/naiyou24901.html

  • オマルエル=アッカド『アメリカン・ウォー(上)』新潮文庫。

    2075年のアメリカを舞台にした物語。近未来を舞台にしながら、全く近未来っぽくない。期待外れ。

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