二匹は人気作家 (新潮文庫 ハ 9-4 フェレット物語 3)

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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784102159040

感想・レビュー・書評

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  • 作家の話かと思ってコンビニで購入したのだが、作家は作家でもフェレット作家だったw
    『何だ、ファンタジーな話か』と思い、少しガッカリしながら読み進めていくと…
    おもしろい!
    フェレットという形はとっているが、悩んだり喜んだりが人間らしく、何も違和感なく読了することができた。
    一過性の話題作は図書館に残るような作品ではないという記述もあり、子どもも楽しめて、さらに大人をも巻き込めるような作品を作ることの難しさを教えてもらった気がする。
    いい作品だったが、本自体が乱丁だったのが残念点。取り替えてもらわにゃw

  • フェレットシリーズ第3巻。
    暴力、裏切り、欺瞞、悪が存在しないフェレット界を描く第3巻は、夫婦の作家が主人公。
    海の救助隊、パイロットときて、今回は作家。
    いい本が書けず、悶々とする作家バジェロンの姿に、ふと思う。
    売れてない作家、あるいはまだ本を出してない作家というのは、作家と言えるのだろうか?
    妻ダニエルはバジェロンが本を書くことを支えるためにネイリストをして生活費を稼いでいる。生活費を稼ぐためだが、彼女は仕事に誇りを持っているし、彼女がやがて書く本の構想はお店に来るお客さんたちから得たものだ。
    一生懸命に生きる二人の姿を見ていて、突然、このフェレット物語のシリーズが何なのかがわかってしまった。
    そう、このシリーズが描いているのは、働くことについての物語なのだ。
    救助隊を夢見て、救助隊になったベサニー。
    たとえ嵐の中でも、積荷のフェレットフードを待つ子どもたちのために飛び続けるストーミー。
    そして、自分が本を書くということが世の中の何に役立つのかを悩みながら、書き続けるバッジとダニエル。
    それはすべて働くことについての物語だったのだ。
    自分にできるベストをもって、世の中の役に立つ。そして、そういう自分に誇りを持って、楽しいと感じる仕事を楽しくやり遂げるという生き方。
    そういう世界には、悪のはびこる余地がないのだ、ということがリチャード・バックと彼とともに暮らすフェレットたちが編んだ物語だった。

  • 3
    楽しむこと
    考えないこと
    気にしないこと

  • 「一生懸命になることと、頑固になることとはどう違う?
     一生懸命になれば運命とうまくやっていける。だけど頑固になったら、そうはいかない!」

    「その時代のために語る。
     きみが語る物語も、きみが命を与えたキャラクターも、決して死んだりはしない。」

    創作活動とは。深く、優しく考えなおした一冊。
    行き詰った時の一つの解決方法。

  • フェレットが主人公のお話。
    ある意味擬人化のお話なんだけど、
    とてもよかった。
    会社辞める前に読んだら何か変わってたかも

  • 小説家が脳内ドラゴンになじられる話(笑)

    バジェロンの幼馴染が他のフェレット物語への
    パイプ役になってる感じ。

    一、二作目のスピリチュアルな雰囲気に対し、
    この三作目は比較的現実的で内向的で哲学的だ。

  • 楽しむこと。
    考えないこと。
    気にしないこと。

    ありがとうシナモン!

  • 読んでいるとどうしても
    彼らが人間な気分になっている・・・。

    時々、「前足を」という表現があって
    この子たちはフェレットだった!と
    思わされます。

    単なる動物が生活する
    ファンタジーとは違います。
    飛行機にも乗り船にも乗り
    今度は作家です。
    紙とペンでも書きますがコンピューターも
    使います。

    違いがあるとすれば
    フェレットは皆が善フェレットであること。
    人間の社会も
    こんなんだったらどんなに世界は
    穏やかになることか・・・。

    そんなことを思ってしまう
    深いお話です。

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著者プロフィール

1936年、アメリカのイリノイ州に生まれる。空軍パイロット、郵便飛行士、エアショーや遊覧飛行をしながらの地方巡業を経て作家になる。代表作として、ヒッピーのバイブル的小説となった『かもめのジョナサン』の他、『イリュージョン』、『ОNE』などがある。2012年、自家用飛行機を操縦中に墜落して瀕死の重傷を負ったが、一命を取りとめ、現在はリハビリに励んでいる。

「2013年 『ヒプノタイジング・マリア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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