生命の略奪者 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1892
感想 : 120
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101802466

作品紹介・あらすじ

多発する臓器強奪事件。盗まれた「生命」の謎。東京から新横浜へと向かう新幹線、移植のための心臓を運んでいたコーディネーターが襲撃され、臓器が奪われた。さらに、同様の事件が天医会総合病院でも発生する。心臓、肺、肝臓、腎臓。生命のリレーの最中、踏みにじられる死者たちの遺志。いったい誰が、何の目的で? 天久鷹央は真相解明に乗り出すが、その動機は思いもよらぬものだった……。現役医師が描く本格医療ミステリ!

感想・レビュー・書評

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  • 天久鷹央の事件カルテ第八弾!
    全体でいえば、シリーズ13作目。

    相変わらずの鉄板ストーリ。長編ですが、その中には二段構成。しかし、後半戦は、謎解きに無理がある気がする。
    なんか、段々と謎解き要素を重視するために、人間ドラマが失われてきた感じがします。

    今回のテーマは臓器移植。
    移植するための心臓を運んでいたコーディネータが新幹線内で襲われ、臓器を奪われます。
    さらに同様の事件が発生。
    ついには、天医会総合病院でも腎臓が奪われます。
    誰が、何の目的で臓器を奪うのか?
    3人がその真相解明に乗り出します。

    そこには、エジプトの宗教観が絡んできます。
    鷹央が明らかにした真相は..

    とこれだけでは終わらず、さらに後半戦。
    そう、ページが随分残っていたので、ここからもうひと盛り上がり(笑)
    ここですべての謎が明らかになるのですが、なんとも捻りすぎじゃないの?
    ちょっと設定に無理があるのでは?
    という感じ。

    とはいえ、エンターテイメントとして楽しめました。

  • 安定したシリーズで一気読みできました。

    臓器移植に関わる事件の解決に乗り出した統括診断部トリオが大活躍です。
    エンタメとしての面白さと病気のリアリティさがテンポよく描かれています。

    鷹央が少しずつ人として成長している様子も垣間見えてますますシリーズが楽しみです。

  • 生命の略奪者=臓器の略奪者ということ。
    事件を起こした動機の謎を解き明かしていくのだけど、いつもに増して犯人が身勝手過ぎる。
    動機の部分に病気が絡んでいるけど、医療に関わる部分は少なめの印象。
    今までのパターンの方が好みかも。

  • ☆5

    シリーズ第13弾

    重めの内容ということもあり、読了まで少し時間がかかったのですが…今作では鷹央先生の心の成長も感じられて良かったです❁⃘*.゚
    そして鴻ノ池もすっかり統括診断部の一員になったなぁと読んでいて微笑ましくなりました(*´˘`*)
    引き続きシリーズを読み進めていきたいと思います。

  • 今回、小鳥遊や天久鷹央らの掛け合いはいつも通りの内容ながら数ちょっと少なめだったように思う。

    連続臓器強盗事件、脳死者・ドナー・レシピエント…複雑な関係性が事件をややこしくするも登場人物が限定的で怪しい人物はわかりやすかった。

    シリーズ物で作品がとても多く
    出ているので仕方ないかもですが、タカタペア、鴻ノ池、桜井…他の巻とやり取りが被ってる所が個人的には…。

    そう言いつつキャラクターは好きですし続編はこれからも読みたくなる作品なので巻数が多いのはうれしい。

    定期的に他のも読みます。

  • 移植用の臓器が強奪されるという事件。ちょっと謎的には物足りない気がします。
    臓器移植に関しては色々考えさせられる。家族が脳死になったとき、その移植を決断できるのか。移植で助かる命があるのは確かですが、難しいね。

  • 小鳥と舞強すぎやろw

  • 私がフォローしている方の感想を読んで、手に取った2冊目だ。確かに重めの内容だと私も思う。
    そして鷹央先生の成長も・・・。

    題名からすると生命の略奪者とは移植のための臓器略奪だろう。私の見立てはほぼ外れる。
    しかし、そうだった。珍しく当たった。私の脳は八丁味噌が詰まっているはずなのに・・・。

    心肺停止の女性は臓器提供の意思を表示していた。ここから事件に発展する。医者の立場から犯人の動機を解明していく鷹央。小鳥遊と鴻ノ池とのトリオが軽快で面白い。そこに、もはやレギュラーになった刑事桜井、成瀬の2人もアクセントになっている。

    解決したかと思いきや、そこから新たな展開が始まる。そう言った構成のためなのか、少しツキハギな感じを受けた。ストーリーの流れは澱みないのでそこが残念な点だった。

    今回は動機がカギになるが、最後はエッそこに持っていくの?というよくない意味での意外さがあった。機会はわかるが、方法にも無理がある。
    よくない面はあるものの、総じて医療エンターテイメントミステリーとしては、大変面白かった。
    次回作も楽しみだ。

  • 知念実希人さんの作品。
    本格医療ミステリー。
    天久 鷹央シリーズ、最新刊。

    都内で、移植用臓器の強奪事件が発生する。
    謎が混迷を深める中、同様の事件が天医会総合病院でも発生する。
    果たして、誰が、何の目的で?

    心臓、肺、肝臓、腎臓など、命のリレーを踏みにじる悪意とは?
    そして、死者たちの意志は?

    天久先生の活躍が見ものですね。

    ・奪われたバトン
    ・死者に捧ぐ命
    ・受け継がれる証拠

  • 臓器移植に絡む事件です。

    自分の子供が臓器提供の意思表示していたら、自分はどうするのかな?心停止の時は?脳死の時は?考えさせられます。それに、親と子、死と宗教等が複雑に絡み合っています。

    これで事件解決かと思いきや…です。読んでみたらわかります。

    天久鷹央シリーズ、まだまだ続いて欲しいと思います。

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著者プロフィール

1978年沖縄県生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。医師。2011年、第4回「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」を受賞し、12年、同作を改題した『誰がための刃 レゾンデートル』で作家デビューする。代表作に、「天久鷹央」シリーズがある。その他著書に、『ブラッドライン』『優しい死神の飼い方』『機械仕掛けの太陽』『祈りのカルテ』「放課後ミステリクラブ」シリーズ等がある。

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