- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101801940
作品紹介・あらすじ
流れ歩く村、滅亡の謎。彼我のどちらが鬼なのか。大正三年、帝大講師・南辺田廣章と書生・山内真汐は北海道・室蘭港に降り立った。流れ歩く村──鬼の襲撃を恐れ、アイヌに擬態し隠れ住むその村には、男女が入れ替わる奇妙な婚礼が伝承されていた。今は亡きその村の、最後の『神に聴く者』である女のもとに彼らが辿り着いたとき、過去と現在の謎が繋がり、悲しき真実が浮かび上がる。ふたりの少女の贖罪に涙する、民俗学ミステリ。
感想・レビュー・書評
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せつなさと美に魅せられた一冊。
時は大正時代。
とある地に伝わる「鬼にまつわる婚礼」調査のため北の大地に降り立った廣章と真汐。
過去と現在を描きながら哀しき真実へ辿り着くそのせつなさがたまらない。
奇妙な婚礼の儀式、刺青の美、人が人を想う心の美に何回もせつなさと共に魅せられた。
その一方で人の醜き心に圧倒された。
次から次へと浴びせる、人を人とは思わない言葉。
その言葉に何度涙と憤りを感じただろう。
人として当たり前の心を失った人、それこそが鬼だと思う。
ときおり登場するアイヌ。廣章の土地や文化を奪うことは暴力だ…その言葉も心に残る。
せつなくて悲しくて…でも続編が読みたくなる作品だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
続刊も最高におもしろかったぞ!!
とても勉強になるしワクワクもするし、時にとても切なく、すべての塩梅がパーフェクト。
しかし廣章さまの知力はまだしも体力と腕力と健脚具合はおかしくないですかね。
なぜあの仕込杖をふつうに扱えるの…。
ましおちゃんかわいいので、わたしのお気に入りです。
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Twitterで強くお勧めされているのを見て前作から読んでみたが、間違いない。
人鬼の謎がさらにあきらかになるのだが、単にミステリーとして読んでも面白い。
今回はアイヌ編だが、前作の沖縄編よりさらに面白かった。続編でたら読みたい。 -
弔い少女の鎮魂歌からの続き。印象は前作よりかなり廣章と真汐の関係性が深まった一件となったかなと。
個人的に正体が気になる江井が妙に気に入った。
物語は前作同様、なかなかにしんみりと寂しい。しかし、やるせない悲しみの中に、かすかに香る愛があったりする。 -
かける言葉とは自らにかかったものから生まれ出るものであると言う物語。掛け違えた後悔から繋げる道。
アシハセプンキ,アン,ペ,ネ,ナはアシハセの番人は私たちであるのだよ…で良いかな。 -
2冊目も面白かった。一晩で寝るのも忘れて読んでしまいました。
組織的な新しい団体?も出てきて、世界と人が広がっていく。
でも、結局は謎を残して終わったよ。。。
続くから仕方ないけどね。
これ、3巻出てるからいいけど。
このまま投げ出されて何ヶ月も待てないよね。
それくらい2冊目も楽しめました。
最後に。
妬み、嫉妬は良いことを産まないので、心穏やかに過ごしていきたいものです。 -
今井さんの表紙だったので読んだ第1作でしたが、民俗学と伝承という好みのテーマだったので2作目も買ってきた。
しっかりした構成で、読み応えがありました。この雰囲気は好きです。次作が出ればまた読みます。