さよならの言い方なんて知らない。 (新潮文庫nex)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101801636

作品紹介・あらすじ

物語は始まる。八月の青い、青い、空の下で。あなたは架見崎の住民になる権利を得ました──。高校二年生の香屋歩の元に届いた奇妙な手紙。そこには初めて聞く街の名前が書かれていた。内容を訝しむ香屋だが、封筒には二年前に親友が最後に残したものと同じマークが。トーマが生きている? 手がかりを求め、指定されたマンションを訪れると……。戦争。領土。能力者。死と涙と隣り合わせの青春を描く「架見崎」シリーズ、開幕。

感想・レビュー・書評

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  • ネタバレの境界線が分からないので詳細は伏せます。

    タイトルと装画の印象から淡い青春小説かな?と思っていたのですが、近未来的な三国志という例えがしっくりくる作品でした。特に最後の三行は衝撃ですね。

    本作『さよならの言い方なんて知らない。』の感想になります。

    河野裕さん初読みの本作はシリーズ8巻まで書店で見かけるものの、インフルエンサーの方々で絶賛の声を聞かないのですが私は絶賛します!!
    これは今の時代にテレビアニメ化していたら大ヒットする完成度だと感じますし、推し活したくなるキャラクターが多い印象です。(私は今のところ、秋穂がお気に入りです。)

    本シリーズも続編を追いかけていこうと思いながら、スタバのハロウィン限定フラペを「ばぁフラペ」と頼んで、店員さんに「ぶぅフラペ」と言い直されるマメムでした。

  • 『階段島』シリーズも楽しませてもらったけれど、ようやく終幕、と共に『架見崎』シリーズを始めてしまうとは。

    そして、読まされる。面白い。すごい。

    香屋、トーマ、秋穂の親友トリオ。
    ある日、香屋と秋穂の元に「架見崎運営委員会」からゲームの招待状が届く。
    その招待状は、失踪したトーマの写真に写っていた封筒と同じものだった。

    二人は「架見崎」という異界の地で、一つの特殊能力を携え、戦争ゲームに参加することになる。
    『ノゲノラ』好きな私にとっては、この、読み応えのある香屋アンド秋穂の知能戦に、終始唸らされるのでした……。

    弱小チームが、どうやって盤面をひっくり返していくのか、も、勿論面白いのだけど。
    この作品の一つの軸となる『ウォーターアンドビスケット』というマイナーなアニメが、主人公たちの考え方の根幹にあって。
    なんとしても生き延びろ、逃げろ、死ぬ理由などどこにもない、というアニメのメッセージを基に動く三人が、死と隣り合わせの戦争こそそもそものシステムである「架見崎」という世界をどう変革してしまうのか、すごく気になる。

    しばらくは月一冊のペースで刊行されるようなので、次巻を楽しみに待とうと思います。

  • 現実に住む世界とは違った架見崎という場所で8月を繰り返しながら自分で選んだ能力を使って戦争していく本作。
    「架見崎で死んでも全て元通り」と運営側から提示されているものの、主人公らの何をしても生きなければならないという絶対的な考え方から生死に重みがある。
    身体能力の底上げやビームなど、人間の持つ力を超越した能力が蔓延る架見崎で、一切戦闘の能力を持たずに頭脳だけで切り抜ける主人公の活躍に目が離せない。

  • 最新刊を読むために再読
    設定だったり能力を改めて確認することで、1回目よりも深く読めた気がする

  • SF作品をあまり読んだことが無かったですが、とても物語の持つ世界観に引き込まれました。王道少年漫画のような能力バトルなようでもあり、逆転劇が見逃せない映画のようでもあって、どんどん読み進めました。
    今後どうなるんだろう、、とても続きが気になります。

  • 本当に好きだなぁと思った作品です。SFというか、だれもが主人公になれる作品だと思いました。この一冊で完結すると思い、読み進めていたので、最後の展開に驚きました。これからどうなっていくの、と思いながら次回作にとても期待を馳せた作品です。

  • 「階段島」から「架見崎」へ。
    青春ミステリーから、青春デスゲームへ。

    淡々と、しかし必死に描かれるのは
    「何としてでも生き抜く」という意志。

    次巻も楽しみです。

  • 星5では表現できないほど好きです!先の展開が読めなくて夢中で読みました。個人的にそこまでハマる登場人物はいないのですがとにかくお話が面白い!!ただ続刊で主人公の香屋歩を警戒しだす人達にそうでしょそうでしょ〜と謎の優越感が出るほどには好きになってました。近くの本屋さんが宣伝されてて出会えたことに感謝です。

  • 人から薦められた本。タイトルを見てひとまず読み始めて、どうも今ひとつ肌に合わないような気がしてどうしようかと思っていたのだが、プロローグを超えて本編に入ると俄然おもしろくなった。世界観そのものを物語に組み込んでいるという設定がおもしろいし、主人公がある意味「メタ」な存在として自分の存在価値を作っていく発想や過程もおもしろい。単純に平行世界における闘争物語として読んでもなかなか楽しい作品である。

    ただ強いて文句を言うなら、世界の作り方が物語にとって(あるいは作者のとって)都合が良いように組み立てられすぎているというか、作者が恣意的に作った世界構造であることがあからさますぎるような期がちょっとだけする。そのこと自体が、小説内の設定のメタファになっていくのもわかるのだけれど。最後の20ページほどの展開にはちょっとびっくりしたけれど、説得力については後回しになっているようにも思う。シリーズとして続いていくようだからそれを前提にしているのだろうと思うけれど、設定がトリッキーなだけに1冊でひとまず納得のできる完結をした上で先に進めてほしかったような気がする。

    マイナーなアニメが見たくなった。

  • 新たなシリーズもまた独創的なルールの世界を創り上げてきました。
    何故だか突然架空の世界に放り込まれて、その中で陣取り合戦が繰り広げられる。1ヶ月でリセットされること、ポイントの多寡とオリジナルの能力を元に頭脳戦で闘いの駆け引きを繰り広げるところが面白い。
    架見崎の目的は一体何なのだろう。

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著者プロフィール

徳島県出身。2009年に『サクラダリセット CAT,GHOST and REVOLUTION SUNDAY』で、角川スニーカー文庫よりデビュー。若者を中心に人気を博し、シリーズは7冊を数える。他著作に「つれづれ、北野坂探偵舎」シリーズ(角川文庫)、『いなくなれ、群青』(新潮文庫)に始まる「階段島」シリーズなどがある。

「2023年 『昨日星を探した言い訳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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