レアリアIII(後篇): 運命の石 (新潮文庫nex)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101801148

作品紹介・あらすじ

あなたの時間を僕にください。旅路を経て、皇子アリルが下した決断。たった一つの想いを貫き通すため、彼は歩みを止めなかった。恐怖帝ヴァルデミアスも、白の妃も、死神ギィも、彼を止めることはできなかった。すべては、この日、この時のために。明かされるロジェの秘密と、十三年前の真実。そして遂に、皇帝選の披露目の日が到来する─。オレンディアと十三翼将のグランゼリア戦を描く中篇「碧落」を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 皇帝選のお披露目の日までとオレンディアと十三翼将のグランゼリア戦が描かれた3巻の後編。
    結局のところアリル皇子がやっぱり白の妃のネネの子供だったと言うことで良いのかな。また、ラムザは作られた存在ということ。
    過去と現在が入り混じっている感じでイマイチよくわからなかった。
    グランゼリア戦を描いた「碧落」はテンポが良くて読みやすく、登場人物たちも前の巻までに出て来た人物が多く感情移入しやすかった。

  • 皇帝選のその先まで描かれるかなーと思ったら、冬至までだった。滅びのその先まで読んでみたかったな。冬至の披露目も、なんとなく全容が知れない感じだけど、絶対に手放せないものだけは握りしめている物語だった。

  • アリルとミレディアどちらも生きてたし久々にギィが出てきてうれしい。
    1、2巻を丁寧に読むと3巻の残酷さが堪える。ミレディアがツギハギ部隊も心もなくしてしまったグランゼリア戦が描かれるが、とてもつらい。劇的な文体ではなくて、誰かが生き延びたことも死んだことも、愛したことも憎んだことも平等にあり、淡々としている。
    アキに対してこれまでとは違う印象を抱いた。誰かの願いを叶える、道端の神様、もしくは天使。でもそこに辿り着くにはいろんなものを踏み潰さなくちゃいけないような。
    月に住んでいて、地上に落ちてからは見上げていたレアリア。アキが渡した月見草。

    まだ生きている人たちを助けるたびにオレンディアに向けられるはずだった言葉をミレディアは受け止めて、掬い上げられなかったものを思ったのかもしれない。
    ミアザのことがあんなに短い登場でとても好きになってしまう。キャラ造形のうまさかもしれない。
    合間に挟み込まれる軽妙な会話が「生」を実感させてくる。グランゼリアに帰る前のギィとミレディアの会話とかいろいろ。亡者と生者の一瞬のまじわりの描写が好き。

  • 雪乃紗衣さんの作品はどれも愛読しているんですが、この巻は特に何回読んでもしくしく泣いてしまいます。オレンディア達もミレディア達も、大切なものがポロポロと欠けていきながらそれでも大人になっていくんですよね。切なくて、クスッと笑えて、なんとも素敵な物語です。

  • 前後編合わせた感想。Ⅱで持ち直したんだけど、やっぱり−1。意味わかんない。結局ラムザは木製の人形ってことなのね?鐘鳴らしたのは二人ってこと?アキとネネがアリルの両親なわけね?現皇帝は祖父ってこと?結局彼は何がしたいの?うーん、わからん。過去の番外編は結構よかったかな。

  • 『彩雲国物語』の作者の新シリーズ。ラノベ好きから誘導できると吉。挿絵はほぼ無い。新潮文庫の新レーベル「nex」はラノベ寄りの作風を集めつつ、文章はきちんとした人達を集めている。

  • ギィが出てくるとなんだかほっとする。
    一途な人が多くてこれと決めた一人を馬鹿みたいに追いかけて行くので、心変わりしてくれた方が皆も自分も幸せだろうなと、余計な事を思いつつ読みました。
    グランゼリア戦は本当に苦しくて涙が出る。
    皆心に大切な人を持っているのに何故こんなことになってしまうのか。
    アキの両肩を掴んで何をしたいのか問いただしたい。

  • 登場人物のほとんどが、腹に一物をもち、幸せになれない道を突っ走っています。
    それぞれの事情や思惑が複雑に絡み合い、愛憎ひしめきあいながらも、期限付きの小さなやすらぎのなか手をつなぐミレディアとアリルの今後が気になります。
    ・・・でもこのままだと不幸まっしぐら・・・。

  • 前作から時間が空いていて、内容を覚えておらず、登場人物のつながりが良く分からない。もう少しコンスタントに出して欲しい。

  • やっと読めました!
    ということで感想。

    前編後編まとめて感想を。

    色々と確信が分かってくるⅢでした。
    断片的に、かつ詩的に語られてきた物語が明確になってきた。
    そして、ずっと知りたかった戦争の話。それよりもずっと昔の過去の話。
    Ⅰ、Ⅱでどういうことなんだろうーと頭にぽわわーんと残っていた情報が繋がり始めます。

    一途なアリル王子の素直さや子供らしさはどちらかというと少女漫画のヒロイン的。
    しかし、アキとミアの関係が強い!!!
    読んでる時、ミアずるいよと思ったのですが、読後ミアの気持ちも分かってしまうのが苦しいなぁと。
    アキを好きだという気持ちはあるのにその好きという気持ちを基準にしては動けないことがある。その難しさが読めば読むほど見えてくる。

    一つ一つの思いもあるけど、一つ一つの行動、選択もあってチグハグさに胸を焦がす。
    アイゼン王子とミアの関係も。
    他人からは見えない個々人の感情もすごく分かってだからこそ解けない!
    ノベルゲーみたいにルート選択したくなりました(笑

    あと、アキは前作彩雲国物語のハードカバー骸骨を乞うからの雰囲気を持ったキャラクターだなーとファンとしては思えて。骸骨を乞うも大好きなので、この辺りの広がった世界が読めるって本当に幸せなことだとワクワクもしました。

    レアリア読めて本当に幸せです。
    ミアが他のキャラクター達が今後どんな選択をしてそしてどんな未来を迎えるのか。どんな結末であっても最後まで見届けたいと改めて思わされました。


    私は雪乃さんの小説が大好き!

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著者プロフィール

茨城県生まれ。2002年10月「彩雲国綺譚」で第1回ビーンズ小説賞の読者賞・奨励賞をダブル受賞。03年11月、受賞作をもとに改稿執筆した『彩雲国物語 はじまりの風は紅く』で作家デビュー。同シリーズは11年7月に本編が完結し、累計650万部を超える大ヒット作となる。他の著作に「レアリア」シリーズ、『エンド オブ スカイ』がある。

「2023年 『彩雲国物語 十六、 蒼き迷宮の巫女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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