エゴイスト入門 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101467290

感想・レビュー・書評

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  • 過去作で紹介されていたエピソードは斜め読み。相変わらずマジョリティに果敢に挑む著者の切れ味に脱帽。“Ⅲ エゴイストの戦い”の後半は特に面白おかしくも、自身にナイフを突きつけられる...。最後の解説は...いらないので読まないか、その部分だけ切り取ることをお勧めする。

  • 個人的には「これは活字にしてもいいんやろかー」てなことも遠慮なくズバズバ書いちゃう中島義道が好きなのですが、もし僕が中島義道本人に「いやー、エゴイスト入門おもしろかったですー」と言ったら、十中八九、「分かった。分かったからお引き取り下さい」といわれるか、無視されるかのいずれかでしょう。

    中島義道は哲学博士ですが、基本的に哲学なんか要らない、むしろ哲学なんか勉強しない方がうまく生きていけるというスタンスの持ち主です。それだけで、面白いです(不謹慎で、失礼ですが)。

    タイプは違いますが、中島義道とか勢古浩璽、池田清彦あたりが書く文章が大好きです。シニカルでアイロニーに富んだ語りが、とにかくくすぐったいからです。

    まぁ、彼らの本は、ピュアな心の持ち主には毒・劇薬になるので、そういう方は読まないようにしましょうね。でもピュアな心の持ち主なんて、ツチノコと同じで、世の中にいるのかどうか怪しいものですから、案外、誰が読んでも楽しめるんじゃないかなと思います。

    ただ、何故か勝間和代が解説を書いているのがめちゃくちゃ気に食わないので、★5つのところを、★4つで。

  • 中島義道さんが投稿したコラムを集めたもの。
    笑いながら読んだ。著者の体験談は、これ漫画化したら絶対面白い(物議を醸すだろうけど)。
    最後の「自殺します」のコラムがすごくいい。

    何の忖度もなく「大嫌いだ」とズバリ書いてしまえるところが好き。こういった人の方がよっぽど信頼できる。
    彼が書いていた「なぜか自分の周りに人が集まる」というのには納得。
    巻末に引っ付いてた評論がマジで余計だった。

  • 自分は結構変わり者だと思うけれど、この本を読んで「あ、そうでもないわ」と。
    世の中の「普通」に迎合してしまう。私はきっとエゴイスト=哲学者にはなれないし、別にならなくても良いなあ、と思います。

  • 【本の内容】
    倫理的に生きるとは、個人の信念と美学を貫くことである。

    大勢と違う行動の人を見るとヒステリックに「ジコチュー」とわめきたてる「日本型エゴイスト」は、日和見主義の事勿れ主義だ。

    生きにくさを抱えつつも、世の中にあふれる不快さとの戦いをやめられない哲学者の日常をユーモア交じりに語りながら、「倫理的エゴイスト」の道を説く。

    [ 目次 ]
    1 「哲学する」という生き方(それでも地球は回っている;醜く・賢く・狡猾なカント;無用塾閉鎖宣言 ほか)
    2 快か不快か(ならず者が旅をすると…;「有用塾」?;放蕩オヤジの帰還? ほか)
    3 エゴイストの戦い(日本型エゴイスト;大学教授であること;ライブドア・ショックと哲学 ほか)

    [ POP ]
    中島さんの哲学エッセーには小説以上に引き込まれる。初めて読んだ時には衝撃的だった氏の言葉も、今では「生きるとはこういうこと」と肯ける。

    世間との齟齬に眼を伏せず、誰かに言ってもらうのを待つのではなく、異議を唱えること。

    日本人の苦手分野を自ら実践している著者に学ぶことは多い。

    エゴイストにはほど遠い人から順に手にとって欲しい。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • これを読むまでもなく自分は十分エゴイストになったと感じた。

  • 本編は明瞭でわかりやすい。
    でも最後の勝間和代の寄稿で興醒め。著者の言う哲学者、エゴイストを勘違いしているような気がする。本編の余韻が一気に吹っ飛んでしまう。あれはない方が良い。

  • この本ほんと大好き!!他人を迎合するのではなく、正直な自分を訴え続けていくことが真摯な対応といえるかも。そしてどんなことも見てみぬふりをする傍観者にはなりたくないなーと思いました。

  • 哲学についてではなく哲学者についてのエッセイ。
    真の意味でこの人よりエゴイストはいないかもしれない。
    中島義道という人間に興味を持ちました。

  • 著者の作品を読むと様々な意味で心を揺らされてしまうことが多い私、思い切った書名で覚悟して読み始めたら、全然ライトでした(*_*)
    てゆーか、私は結構熱心な中島義道読者なもので、通常のように内容確認せず題名だけ見て買っちゃったのですが、これは1つのテーマに沿って書き下ろした本ではなく連載コラムをまとめたものなんですね。なーんだ。
    そんなわけで、題名から期待したような内容では全然なく、他の著書で読んだこともあるような話も幾つかあったりして、著者の作品を結構読んでる人はがっかりするかも。中島義道入門編としてはいいだろうけどね。

    ちなみに、これも本を裏返すことなく購入したため気付かなかったのですが、解説が私の大っ嫌いな勝間和代でびっくりでした(@_@;)
    およそ中島義道とは対照的な人に思えるのだが。しかし、物凄いエゴイストというところは確かに共通しているようだから、実は同じ種類の人間なのかなぁ。してみると、私が勝間和代を物凄く嫌いなのもある種の同類嫌悪なのだろうか?

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著者プロフィール

中島 義道(なかじま・よしみち):1946年福岡県生まれ。東京大学法学部卒。同大学院人文科学研究科修士課程修了。ウィーン大学基礎総合学部修了(哲学博士)。電気通信大学教授を経て、現在は哲学塾主宰。著書に『不在の哲学』(ちくま学芸文庫)、『反〈絆〉論』(ちくま新書)、『私の嫌いな10の言葉』『私の嫌いな10の人びと』(以上、新潮文庫)、『生き生きとした過去――大森荘蔵の時間論、その批判的解読』(河出書房新社)などがある。


「2024年 『時間と死 不在と無のあいだで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中島義道の作品

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