- Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101368917
作品紹介・あらすじ
知性派の大エース桑田真澄が「学問」という武器を得た!早稲田大学大学院の指導教官との対話を通じて、科学的根拠に基づく野球指導の重要性を説く一方、自身のMLB経験とイチロー、松井、松坂らの豊富な人脈から得た知見から、日本野球が世界で勝ち残るための秘策を提言する。また、スポーツビジネスの最新情勢にも言及、球界復権への決意を示す。
感想・レビュー・書評
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大学院で野球の研究をした桑田によるスポーツ論。
理論と経験の両方を理解している人は、これからのスポーツ界に必要になるでしょう。
個人的に、スポーツの世界は世間とははるかに隔離されたものと考えます。
厳しい上下関係、下手な人に対する悲寛容、犠牲にされるプライベート。
1歳しか違わんのに偉そうな態度を取られたり、体育の授業で経験者が天狗になり、1日の大部分を部活に費やされ、休みも少ない。
スポーツって所詮遊びだよね?なんでこんな軍隊チックなん?
熱中症になるような環境で連日試合をさせられたり、体罰や人格否定があっても、スポーツでは許されます。
それにケチをつけようものなら、努力する喜びを知らないだの、頑張ってる人に失礼だの言われます。
まだまだ、スポーツは非科学的で、陰湿で閉鎖的な環境にあると思います。
こういう環境を打破するためには、多角的で長期的な視点を持つ人材が不可欠です。
スポーツだけに人生を費やした脳筋バカや、大学行ってまでスポーツしかしてこなかった親不孝体育会系が淘汰され、大学院まで行って研究をした文武両道の指導者がこれから増えることを願います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一線で活躍した社会人が、大学院に行く意義は何か。
学問ということの本質的な意味について、考えさせられる。
そして、野球界の闇についても・・・
今の自分を励ましてくれる貴重な一冊。 -
今はやりのブラック企業とかと同じ思想を感じた。日本人はもっと心を、ひいては自分の人生を豊かにする工夫をしたほうがいいと思う。
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桑田の野球に対する考えが知りたくなって借りてみた。この本を読むことで桑田真澄の野球への取り組み方がとても共感でき、応援したくなった。高校、プロと実績を残している選手だけに、根性野球に対する見解、現在のプロ野球界に対する提言、この野球道への再定義に関しては納得させられるものがある。対談相手の平田氏の貢献が大きく、彼が指導教官であったことが論理的な話の組み立てにもなっていると感じた。
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桑田投手の貪欲さ、真摯な態度に感心した。「武なき文、文なき武はともに真実の文ではなく、武でもない。」14.7.12
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野球を中心に、ほかのスポーツにも少し触れつつ、桑田がどんな勉強をしたか辿りながら、色々考える本。
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自分には野球経験はないが子供たちが野球を始めたのをきっかけに少しずつ野球観戦、講演会、書籍を手に取るようになった。サッカー一筋の自分としては新たなスポーツ(野球)に対してとても興味を持つようになった。桑田さんは超一流の野球人。体罰、いじめの根絶、新たなプロ野球界の構築、サッカー始めあらゆるスポーツとの共存共栄などの取り組みにとても期待しています。
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桑田って頭いいよね
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平田・桑田の師弟コンビのわかりやすいやりとりを通じて、日本にとってはまだ新しいスポーツビジネスという概念が骨太に伝わってくる本です。精神の鍛錬・練習量の重視・絶対服従を基本とする野球道を心の調和・練習の質の重視・尊重をベースとするスポーツマンシップへの再定義とか、桑田って選手としてだけじゃなくて人としてスゲーと思いました。バランス・サイエンス・リスペクトってスポーツやスポーツビジネスだけじゃなくてビジネスそのものにも必要な気がします。
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現在の野球の根性主義、絶対服従などの悪しき指導方針は、太平洋戦争中に軍部からの介入から野球を守るため飛田穂洲が創作した
そういった経緯が忘れ去られ、惰性でこれらの指導が戦中の亡霊のように残り続けている
社会環境は変わったのに、野球界の指導者の意識は変わらない(変われない?)、このミスマッチが「生徒が体罰を苦に自殺など」様々な悲劇、軋轢を生んでいる