ラブ・イズ・ザ・ベスト (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (178ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101354132

感想・レビュー・書評

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  • サラリとした文体でザクリザクリと本質を描写する名手、佐野さんによるエッセイ。息子さんの友達とか、その親とか、たまたま乗ったタクシーの運転手とか、ある日電車で隣に座ってきた酒臭い小父さんとか、佐野さんが人生のいろいろのときにちらっとふれあったり知りあったりした人について、描かれています。解説にもありましたが、ひとりひとりに底知れぬ奥行と味わいがあり、短編小説集のようでもありました。『シズコさん』や妹さん、お父さんも登場。読めば読むほどじんわりしんみり。大変面白かったです。もっと長生きしてたくさんこういう本を書いていただきたかったのに、ととても残念に思いつつ、佐野さんと一部でも同じ時代に生きてて良かった、とも思いました。

  • 絵本「百万回生きた猫」の作者のエッセイ。
    作者と、周りの人々の温かく愛おしい日々。
    文章が心地よくて、まるで登場人物たち皆が
    自分の知り合いではないかと思わせる親しみやすさ。
    地元の誰も来ない医者と作者の父親の話
    二度読んだ。一度めに涙が出た。二度めも感極まった。
    本を読んで涙が出るのは初めてかもしれない。
    それくらい、でてくる人たちが身近に思える。
    この人の笑い方を私も知ってる、こんな人もいたな、とか。
    母になるって、家族を持つって、どういうもんなんだろう。

  • 愛が一番。人間として生まれてきたからには愛を一生大事にしていきたい。

  • 佐野洋子さんの「ラブ・イズ・ザ・ベスト」、1996.12発行です。佐野洋子さんが出会ってきた人が、その思い出の風景、過ぎ去りし時代と共に語られています。みんな素晴らしい人ばかりです(^-^)「口紅」はお母さんが化粧する姿をじっと見ていた佐野さん。「丸善のヨシノさん」は、高価な美術書を月賦払いにしてくれた店員さんのこと(立て替えていただいた)。「わたしくそ真面目だから」は、胃の調子が悪く病院に行って、医者に全部脱ぐように言われ素直に全部脱いだ葉子さんのこと(三度も)。「鈴木医院の鈴木先生」父を看取った先生。

  • エッセイ集。
    ひとつの話は数ページで終わるし、文章が読みやすい。
    作者自身の話ではなくて、どちらかというと友達とか通りすがりの人とか、知り合いとかの話。
    オチがあるわけでもないので、「それでそのあとどうなったの?」と思うこともいっぱい。

  • 高嶋さん
    読み終わった本

  • 佐野氏の本は何冊か読んでいますけれども、その流れで今作にも手を出してみました…いやぁ、やっぱし読むと元気が沸いてくる! と佐野氏の何かの著書のあらすじに書いてありましたけれども、今作もまた、他の著作同様読むと元気が沸いてきて僕のアレがムクムクと屹立を開始するのでした… ←は?? 社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    ページ数はそれほど無いんですけれども、というか、薄い本に分類されるんですけれども、それにも関わらず、この読み応え! 万人にオススメできるエッセイでしょう… ←え?? 社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    まあ、個人的には他の、最近の世の中・日常生活などについて書かれたエッセイが好きなんですけれどもね。今作のは昔話が多いかなぁ…思い出して書いてる、みたいな印象を受けましたね。ま、それでも感動はしましたけれども…!

    何年か経った後、読み返すとまた違った味わいが出てくるのやもしれません…そんなノリでさよなら。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • 「いろんな大人のなり方がある」
    若い頃は心に何も引っかかるものがなかった。100万回生きたねこもエッセイも。でも結婚して、子供が生まれて、40歳になって。
    今言葉のひとつひとつが、沁みる。
    絵本を読み聞かせながら涙ぐむ自分がいる。いろんな大人のなり方があっていいんだ。

  • 2011年に読んだ本のベストです。
    静かに手元に置いておきたい一冊。

    ひとつひとつの話は短く、さっぱりと素っ気なく語られるけど、小さな宝石を無造作にばらまいたような、きらきらしたものを見るような気分になる。
    何度も何度も読んだけど、しばらく時間をおいてまた読んでみたい。

  • 佐野さんのエッセイは簡潔で率直でぶっきらぼうに感じるときもあるけれど、人間の愚かさ哀しみを受け止めてくれる温かさに満ちている。
    鈴木先生、ラブイズザベスト、スカートをけって歩きなさい、大丈夫だったら、もらっておきなさい、サムライが特に浸みた。数えたらキリがないけど。折に触れて読み返したい一冊。

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著者プロフィール

1938年、北京生まれ。絵本作家。ベストセラー『100万回生きたねこ』のほか『おじさんのかさ』、『ねえ とうさん』(日本絵本賞/小学館児童出版文化賞)など多数の絵本をのこした。
主なエッセイ集に、『私はそうは思わない』、『ふつうがえらい』、『シズコさん』、『神も仏もありませぬ』(小林秀雄賞)、『死ぬ気まんまん』などがある。
2010年11月逝去。

「2021年 『佐野洋子とっておき作品集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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