マークスの山(上) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1346
感想 : 82
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  • Amazon.co.jp ・本 (418ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101347196

作品紹介・あらすじ

「マークスさ。先生たちの大事なマ、ア、ク、ス!」。あの日、彼の心に一粒の種が播かれた。それは運命の名を得、枝を茂らせてゆく。南アルプスで発見された白骨死体。三年後に東京で発生した、アウトローと検事の連続殺人。"殺せ、殺せ"。都会の片隅で恋人と暮らす青年の裡には、もうひとりの男が潜んでいた。警視庁捜査一課・合田雄一郎警部補の眼前に立ちふさがる、黒一色の山。

感想・レビュー・書評

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  • 次第に惹きつけられていく。

    パラリと立ち読みしただけで、あ、好きかも…読みたいという直感に襲われた。
    が、それもつかの間、しばし山はおあずけ状態の展開に正直残念な気持ちに。
    登場人物がとにかく多い警察小説、警察内部の複雑な人間関係が苦手な分、不安感は倍増。
    中弛みを感じつつも次第にあの最初に手にした時の直感が蘇り惹きつけられていく。
    あの過去の山の事件と現在都内で起きている事件との繋がり、真相を求めてこのまま下巻へ。

    • kazzu008さん
      くるたんさん。
      お返事ありがとうございます。
      僕も『我らが少女A』気になっているですが、途中の『太陽を曳く馬』と『冷血』をすっとばすわけ...
      くるたんさん。
      お返事ありがとうございます。
      僕も『我らが少女A』気になっているですが、途中の『太陽を曳く馬』と『冷血』をすっとばすわけにもいかず、もやもやしていました笑。

      あ、でもこの「マークス」は最高に面白かったので頑張ってください!
      2019/12/02
    • くるたんさん
      kazzu008さん♪
      太陽…冷血…それもいかないと少女Aには挑めないのですね:(´ºωº`):
      これは大問題です(笑)
      マークスの山は軽い...
      kazzu008さん♪
      太陽…冷血…それもいかないと少女Aには挑めないのですね:(´ºωº`):
      これは大問題です(笑)
      マークスの山は軽い高尾山登山ぐらいなものでしょうね。
      面白いとは期待高まります♪ありがとうございます♪

      ちなみにkazzu008さんの白痴は私はとても手が出せません。
      下巻、じっくり楽しんでくださいね♪
      2019/12/02
    • kazzu008さん
      くるたんさん。
      ありがとうございます。
      合田刑事シリーズは、合田刑事がどんどん出世していくのを見るのがちょっと楽しみではありました。
      ...
      くるたんさん。
      ありがとうございます。
      合田刑事シリーズは、合田刑事がどんどん出世していくのを見るのがちょっと楽しみではありました。
      ドストエフスキーの『白痴』は『罪と罰』や『カラマーゾフ』とは違って恋愛ものなので好きな人は好きだと思います。でも確かに『白痴』からドストエフスキーを読み始めるのはおすすめできないですね(笑)。

      くるたんさんも『マークスの山・下巻』楽しんでください!
      2019/12/02
  • 2018/12/10 読み終わった。
    マ・ア・ク・ス!て、印象的。下巻の裏表紙。
    ミステリとして面白いし、自閉症だったかな?病気の人の精神描写はいつも面白い。

  • 伝説の直木賞受賞作、完全版!
    2023.9.20〜日テレBSで、WOWWOW再放送
    刑事 合田雄一郎シリーズ
    合田雄一郎は登頂を始めた、連続殺人という冥い山へ。

    マークス。それは運命の名を得た男。

    「マークスさ。先生たちの大事なマ、ア、ク、ス! 」。あの日、彼の心に一粒の種が播かれた。それは運命の名を得、枝を茂らせてゆく。南アルプスで発見された白骨死体。三年後に東京で発生した、アウトローと検事の連続殺人。《殺せ、殺せ》。都会の片隅で恋人と暮らす青年の裡には、もうひとりの男が潜んでいた。警視庁捜査一課・合田雄一郎警部補の眼前に立ちふさがる、黒一色の山。

  • ずっと前から読んでみたい本だったので、お篭り年末年始にピッタリだとチョイス。
    雪山の話かと思いきやガッツリ警察小説。
    これは、かなり難しい本だった。
    文庫本でさらっと終わるかと思いきや、密度が濃いすぎて全然進まない。
    少しでも気が散りっていると全く頭に入らない不思議な小説。
    必死で読了。お陰で年末年始どこにも出掛けてないのにぐったり疲れました。

  • 「いまいち…」という感想をよく見たけど、とりあえず普通に面白い。もっとこってりと山の話が出るのかと覚悟していたけど、全然。親しみのない者向けにわかりやすくしてあって助かる…。合田さんの関西弁にどきっとしたり、加納さんとの微妙な関係にひーこらしたり、実はマークスパートを楽しみに読んでいたりする。次は下巻!

  • 南アルプスで起こった単純な殺人事件、それから数年後に見つかった白骨死体、それからさらに三年後に発生した連続殺人事件の捜査の様子を描いた小説。

    警察ものらしく最初に起こる殺人事件の捜査の描き方は証言や、証拠に基づいた地味なもの。
    舞台が東京に移り連続殺人の捜査が始まる段からも、捜査自体は地味なものが続くのですが、それを感じさせない文体のパワーがあります。

    中でもそのパワーを感じさせられるのは捜査会議の場面。さまざまな個性的な人物が入り乱れる捜査会議はとてもリアルで、その場の刑事たちの息遣いさえもが感じられそう。ものすごい文章力です……

    刑事たちの中に女性刑事はいなくて、男性刑事ばかりなのですが、彼らのエゴやプライドがぶつかり合う描写も非常に巧い!著者の高村さんが女性なのが信じられないくらい(笑)

    精神的に不安定な犯人の描写も、それに負けず劣らずパワーがあります。だからついつい読み入ってしまう。

    捜査の様子も非常にリアル。中でも週刊誌への圧力をかける場面は実際に著者の高村さんがそこにいたのではないか、と思わされるほど。

    事件のピースはところどころ見えているのですが、全容となるとさっぱり……これは下巻が楽しみです!

    第109回直木賞
    第12回日本冒険小説協会大賞
    1994年版このミステリーがすごい!1位

  • 昔読んだ本

  • 少し前にWOWOWで再放送していたのを観て面白かったので、原作を購入。ドラマは見やすい作りになっていたけれど原作は、高村さんらしく硬派で骨太。レディジョーカー、リビエラ〜を読んだ時もそうだったけれど、硬派で骨太。それが高村作品の真骨頂だと感じる。

    個人的にはレディ〜より、マークスの方が好み。私は登山が好きで山と山岳会、そして過去の事件とが濃密に絡まりあって楽しく読めた。

    結末はドラマを観て知ってはいるけれど、ドラマでは描かれていない細かい部分を含めて、原作では下どう展開していって結末を迎えるのか楽しみ。

  • 上巻のみ読了。
    主人公の警部補と、精神異常を持つ殺人鬼。殺人事件を取り巻く謎とそれに迫る警察組織を描く推理小説。

    ミステリーものはあまり好みではなかったが、これは読み進めていくうちにどんどん惹き付けられる。
    沢山出てくる警察関係の登場人物がそれぞれキャラが濃く、やり取り(やり合い?)が愉快で面白い。犯人の心情・精神状態の描写が生々しい。

    如何にして犯人に辿り付き、事件の真相が暴かれるのか期待して下巻に進みます。

  • 一文一文の密度がすごい

    入念に下調べして書かれたのだろうなと思える丁寧な描写がすごい
    キャラクターも魅力的

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著者プロフィール

●高村薫……1953年、大阪に生まれ。国際基督教大学を卒業。商社勤務をへて、1990年『黄金を抱いて翔べ』で第3回日本推理サスペンス大賞を受賞。93年『リヴィエラを撃て』(新潮文庫)で日本推理作家協会賞、『マークスの山』(講談社文庫)で直木賞を受賞。著書に『レディ・ジョーカー』『神の火』『照柿』(以上、新潮文庫)などがある。

「2014年 『日本人の度量 3・11で「生まれ直す」ための覚悟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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