虫眼とアニ眼 (新潮文庫)

  • 新潮社
3.71
  • (167)
  • (261)
  • (277)
  • (40)
  • (10)
本棚登録 : 2717
感想 : 265
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101340517

作品紹介・あらすじ

小さな虫の動きも逃さず捉えて感動できる「虫眼の人」養老孟司と、日本を代表する「アニメ(眼)の人」宮崎駿が、宮崎作品を通して自然と人間のことを考え、若者や子供への思いを語る。自分を好きになろう、人間を好きになろう、自然と生きるものすべてを好きになろうという前向きで感動的な言葉の数々は、時代に流されがちな私たちの胸に真摯に響く。カラーイラスト多数掲載。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • この二人の対談はオモシロい!
    こういう考えもあるのかと感じて生きやすくなる!
    イラスト集だけでも読む価値あり!

  • 2人とも賢すぎてよくわからない部分もあったが、全体的に言いたいことはつかめたかな??子どもは外で遊ぶのが一番だということはわかった。

  • なんか人生悟ってる人生の先輩の本を読みたいなという気持ちで、随分前から積読していたこの本を手にとった。宮崎駿と養老孟司の対談本。
    読んで思ったのは「あれ、これ、10年以上前の本だよね…?なんなら対談してるの20年以上前だよね?」ということ。今もし同じ話をしてもらったらもっとひどい感じかもしれないけど、それでも「今の話してます?」というくらい、ウン十年前から日本ってこういう感じだったんだなあと思った。この頃彼らが話題にしている「こどもたち」に私は間違いなく含まれていて、「もののけ姫」とか「千と千尋の神隠し」とか私たちのために作ってたんだなあ、はやお…と思うとちょっと胸アツだった。
    こどもの私は、もちろん言語化なんかできなかったけど、それでも宮崎駿からのメッセージは受け取っていたと思う。千と千尋を映画館で観て、うわぁ…!って思った気持ちは今でもちょっと取り出して思い出すことができるように思う。キラキラしていた最後の千尋をすごく覚えてる。
    もう一度みたくなったな。そして今更もう、いいオトナになってしまってはいるけど、今からでも「自分なりの見方でもって目の前のことに対処できる、普通の人」に自分を育てていくことはできるのかしら?と期待を持って本を閉じた。

  • 養老孟司さんと宮崎駿監督の対談本。

    何かこう、ものすごいことが語られていて興奮しちゃうって本ではありません。
    戦前に生まれ、戦後の日本社会の変化を体感してきた二人の老人(この本が出されたころはまだお若いですけれども)が、軒下に出された縁台の上で団扇片手に世間話しているのを、横で黙って聞いているような感覚。
    つまりなんだか「懐かしい」のです(懐かしさは本書で語られるテーマの一つです)。

    誰しも経験ありませんか?
    あるいは本当に経験したかどうかは怪しいけれど原風景として刻まれていませんか?

    大人たちの話を訳も分からないままにぼんやりと聞いていた記憶。
    何を話しているのかはよく分からないのだけれど、なぜだか安心感だけはあって、ずっと聞き続けていられる、そんな風景。

    そういう感覚で僕はこの本を読んでいました。
    こんなおじいちゃんたちが娘の側にいてほしい。
    親戚付き合いするのは少し面倒臭そうな気がしないでもないですけれど(笑)

  • 人生の大先輩な二人であり、その一人はクリエイターとして雲の上にいる存在。そんな二人の対談が面白くないわけがない。最初から最後まで好奇心を刺激される内容だった。
    これから先の人生、こういう素敵な本を一冊、また一冊と本棚に並べていく喜びを味わいたいものです。

  • 対談が好き。好きな人同士ならもっと好き。

  • なんか変な題名だと思いましたが、解剖学者養老孟司と、アニメーション作家宮崎駿の3度にわたる対談集で、それぞれの持つ目を表現した意味になっています。
    自然との共存、未来ある子どもたちについて、お互いがそれぞれの目線から必要性を解き、現在への警鐘を鳴らしています。

    「トトロ」を何十回も観るのは危険だという宮崎氏。
    外で遊んでいないで、TVを観ているだけなのは、実際の経験値が上がらないからだとのこと。
    ビデオの箱に「見るのは年1回にして」と書きたいとまで言っていました。
    ハッとしました。確かに、アニメで夢を膨らませるのは必要ですが、やはり実際に外に飛び出していかないと、豊かな感性の子供には育たないのでしょうね。

    養老氏の話では、蝶は好きな場所を飛んでいるわけではなくて「蝶道」と呼ばれるルートにそってひらひら飛んでいる、という話が印象的でした。
    以前、家を増築したら、それだけで蝶の飛ぶ場所が変わったそうです。
    つまり、蝶は周囲の環境を把握しているとのこと。すごい能力ですね。

    ほかに、筑波の学園都市に、19cのイギリスの田園風景を再現していこうという計画が持ち上がったそうですが、そもそも19cのイギリスの田園風景は、山形県の農村を手本にしたものなんだそうです。
    つまり100年たって、ぐるっと回ったとのこと。おもしろいですね。

    薄い本ですが、学ぶところの多い、いろいろと考えさせられる一冊です。

  • 宮崎駿監督のトトロを見るのは年に1回位にしてほしいと言う発言にはズシっとくるものがあった。本当にその通りだと思う。

    トトロを1回くらい見たら、どんぐりを拾いに行こうと言う気持ちにもなるけど100回見るような子はどんぐりを拾いに行くような子にはならない、らしい。

    大人には見つけられないものが子どもには簡単に見つけられる、虫眼など
    大人がいとも簡単に子どもたちの可能性をつぶしてしまっているんだろうなと感じました。

    今の子ども達は、遊びから何から何まで商業主義の波にのまれてしまっているので
    そこから避けるのはものすごく大変なことだと思いますが、出来る限りそうしていきたいと思った。

  • 「おれはおれだ」で最後まで同じでいると思ってる人がとても多い。だから、たまには考えたほうがいい。一体おれはどこだって。

  • 偉人達の考え方が、体に染み入るように読める本。

    2人の会話は不思議。
    でも言いたいことは分かる。
    リアリズムなのに夢がある、というのはこういうことなのだろうか。

    印象に残ったのは、子どもの本質は悲劇性であると、宮崎駿が述べている事。
    生まれているときは限りのない可能性があるのに、その可能性はだんだんと失われる。
    大人になった今、子どもに接する時、自然と可能性をつぶしている可能性がある。そのことは意識しなければいけない。自分自身も可能性に満ちた生き方ができるようにしたいと思った。

全265件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

養老 孟司(ようろう・たけし):1937年神奈川県鎌倉市生まれ。東京大学名誉教授。医学博士(解剖学)。『からだの見方』でサントリー学芸賞受賞。『バカの壁』(新潮社)で毎日出版文化賞特別賞受賞。同書は450万部を超えるベストセラー。対談、共著、講演録を含め、著書は200冊近い。近著に『養老先生、病院へ行く』『養老先生、再び病院へ行く』(中川恵一共著、エクスナレッジ)『〈自分〉を知りたい君たちへ 読書の壁』(毎日新聞出版)、『ものがわかるということ』(祥伝社)など。

「2023年 『ヒトの幸福とはなにか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

養老孟司の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
村上 春樹
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×