- Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101334028
感想・レビュー・書評
-
ドラマ化されたと知り、本棚を捜索したら、あったあった。奥付には昭和六十二年三月発行とある。えーと…、三十年前?うわあ。
読み出したらこれがまあ面白くて、もう一気に読んでしまった。テレビ草創期の逸話が実に楽しい。特に生放送ゆえのアクシデントが爆笑もの。「にわとり」「終」の章で書かれている珍騒動なんか、ほとんどコントのようで、お腹が痛くなるくらい笑った。縛られて転がされてるニワトリとか、家族で団欒する刑事役の人と手錠でつながっていて必死で姿を隠そうとしている犯人役の人(鍵がどっか行っちゃったので)とか、みんな実際にテレビに映ったんだよなあ。見たかった-。
よく登場するご両親の話も良かった。黒柳さんはここでご両親を「パパ・ママ」と呼んでいる。常日頃いい歳したオトナがパパママはないだろうよと思っているのだが、あらまあどういうわけか、ここでは違和感がない。それどころか、そこにこめられた親愛の情に胸を打たれたりする。ご両親ともほんとうにステキな人だ。
全篇にわたり、黒柳さんのユニークな個性がなんとキラキラしていることか。テレビというものなどよく知らないままにすごい倍率の試験に合格し、たくさん失敗しながらも、運命的な出会いに導かれ、その才能を開花させていく。叱られたり非難されたりすることも多かったようだが、それ以上に多くの人に愛され大切にされてきたことが伝わってくる。
本当に感心するのは、普通こういうのを読むと、大なり小なり「ああ自慢話ね」と感じてしまうものだけど、そういうふうに全然思わないことだ。これはもう、ご本人にまったくそうした下卑た気持ちがないからだろう。妙な計算とか、読者への媚びとか一切なく、本当にすがすがしい文章で、その人柄がしのばれる。きっとこの文章のまま、あのテレビでのイメージのままの方なんだろうな。
あ、ただし、文章から感じられるものはテレビでの姿とは少し違う。物事を少し離れたところから見ているような、クレバーな雰囲気が強く感じられる。そこがこの本を単なる「思い出話」ではない、読みごたえのあるものにしているのだと思う。テレビ業界の喧噪や浮き沈みに揉まれながら、その本質をじっと見つめている眼を感じる。それが顕著なのがラストだ。え、こう終わるの?という驚きがある。著者はこの後もずっと「使い捨て」られずに今に至るわけで、とても感慨深い。 -
トットちゃん、NHK就職編!
エピソード一つ一つが面白くて一気に読み終えた。
当時の写真すべてとても可愛らしくて素敵。 -
とても読み易い
いろいろなことに素直な感想を持ち、なんて純粋な心、素敵な心の持ち主なのだということが心に伝わる心洗われる気持ちのよい文章(おはなし)でした
黒柳徹子さんは多くの人が知る日本のテレビタレントさんですが
ご経歴とかよく存じ上げておらず
たまたまお昼の帯ドラマ『トットちゃん』を観て(とても面白かった)知った次第です
トモエ学園で小林宗作先生のおしえ
(「どんな子も、生まれたときには、いい性質を持っている。それが大きくなる間に、いろいろな、回りの環境とか、大人たちの影響で、スポイルされてしまう。だから、早く、この『いい性質』を見つけて、それを伸ばしていき、個性のある人間にしていこう」『窓ぎわのトットちゃん』から引用)
や御両親(も素敵です)に見守られ、徹子さんらしく(傷つくことも沢山あったと思いますが・・・)育ち、生きてこられる中で
見守られた愛を周りの人たちにも伝えてこられるような生き方をされてきたのだなと感じ
今更ながら、だからテレビジョンの世界で今尚国民的人気なのだと改めて思いました。
こういうふうにすべての子どもたちが育ててもらえたらよいのになと思います。 -
328
-
トットさまの本は読みやすくていい。そして泣かされる。
トットさまの本にはどれも変わらず、天真爛漫で卑屈なところのない心が宿っている。もっと読んで、何かあやかりたいものだ。
最近はあまり身体の調子が良くなさそうだとか、ネットで見かけるが、元気でいてほしい。 -
徹子さんは、若い頃から
こんなにも元気いっぱいで
キラキラした人なんだなぁ、
と改めて感じました。
日本でテレビの出始めの
頃を知る、生き証人という人は
もう数少ないから、
この本は、後世に残すべき本の一冊なんでしょうね。
一つ一つのテレビの昔の
エピソードが本当に面白く生き生きと
描かれていて、どのエピソードを読んでも
読者の私もその場に居合わせたような
気持ちがしました。 -
こう云う時代の黒柳さんって全然想像付かない。物心付いたころからあのキャラだったし。目から鱗です。
-
黒柳徹子さんがNHKに入ってからの出来事が書かれたエッセイ本。素直で明るい彼女の人柄が伝わってくるようだった。また、当日のテレビ業界がどんなものだったのかを知ることができた。
-
この本を通し、テレビ放送開始当時の状況を知り、面白く感じることが出来ました。そして、まだテレビに関して手探りだった黒柳さん、テレビ関係者達の御苦労は今の時代からは想像できませんでした。そんな時代の中、黒柳さんが明るく、たくましく見えたのは、黒柳さんの好奇心旺盛な気持ちで時代に対面していたのかなと思います。自分は子供時代に見ていたザ・ベストテンの司会をされていた黒柳さんの姿からしか記憶がありませんが、その前の時代に、このようなてんこ盛り(きっと、本に書けないもっと多く)のエピソードがあったということは、感慨深いものがありました。
-
2011.04.03
まず試験で「教えて頂けませんか?」...
まず試験で「教えて頂けませんか?」と聞くのだから笑ってしまいますよね。でも、神父さんへの初恋、老エキストラの哀愁やお見合いの失敗などしんみりする話もあって、有名人たちのエピソードもあって……。黒柳さんの文章、人柄のよさが素直に表れていて大好きです。渥美清やテネシー・ウィリアムズとの思い出を書いた『マイ・フレンズ』もすごく好きな本です。長い長いあとがきや恩師飯沢匡の偏屈な解説もまたいいんですよね。
たくさんのエピソードにそれぞれ違う色合いがあ...
たくさんのエピソードにそれぞれ違う色合いがあって、本当に楽しめる一冊ですよね。以前読んだときどう思ったか忘れてしまったのですが、三十年近くたった今の方がしっかり味わって読めたように思います。
「マイフレンズ」は未読なので、読もうと思います。