夜中にジャムを煮る (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 71
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101316550

作品紹介・あらすじ

土鍋でつややかに炊きあがったご飯のありがたみ、かき混ぜる両手が決め手の韓国料理の味わい。夜のしじまに、甘やかに漂う出来たてのジャムの香り…。つくるよろこびと食べるよろこび、どちらも大切にできる場所。それが台所。そこでは、いつだって新しい発見と笑顔が満ちている。食材と調理道具への愛情を細やかに描き、私たちの日々の暮らしを潤す、台所をめぐる17のエッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • いやー 面白い。
    しかもうらやましい。
    電子レンジを捨てて、七輪で炭を熾す。
    シュウマイはせいろで蒸す。
    肴は豆皿に少しずつお盆に載せて、窓際のソファーで。
    日本酒の写真には日本酒らしい濃い部類では一番好きな「小笹屋竹鶴」。
    平松さんて、どれだけ料理やお酒が好きなんだろう。。
    私もお米を炊くのはお鍋で炊くのが好き。
    こんどは七輪に挑戦したくなりました。。

    • yo-5h1nさん
      こんな可愛らしい表紙で文庫本になっているなんて、知りませんでした。
      この本のことを思い出させて下さって、ありがとうございます!
      ホント、こん...
      こんな可愛らしい表紙で文庫本になっているなんて、知りませんでした。
      この本のことを思い出させて下さって、ありがとうございます!
      ホント、こんな暮らし…うらやましい…
      現実とはほど遠いけれど。
      2021/02/08
    • いるかさん
      yo-5h1nさん
      コメント ありがとうございます。
      こんな暮らし 本当に憧れますが、忙しい日常では無理がありますよね。
      日曜日だけ...
      yo-5h1nさん
      コメント ありがとうございます。
      こんな暮らし 本当に憧れますが、忙しい日常では無理がありますよね。
      日曜日だけでもこんな暮らしを心がけたいと思います。
      これからもよろしくお願いいたします。。
      2021/02/09
  • 同じ食べるのだったら、美しく、楽しく、おいしくいただきたい。
    そんなごく自然な欲求を、世界中を回って吸収されています。
    手を使って作ることは大事ですね。
    もしかすると料理に限らない、大事なことをいわれているのかもしれない。そう思いながら読みました。

    大量に、効率化、採算を重視して作られた工業製品は、なかなか心が籠らないものだなのじゃないかな。
    そうそう。たまに炭を熾してなんな焼いてみようかな~、というような、そんなゆとりと意識。それが必要なんだとおもいます。そしてそれは絶対おいしい。

    梨木さんがあとがき書かれていました。
    月の光のもと、読書とは粋です。

  • 平松さんの文章は、いつもお腹が空く。
    丁寧に出汁を取ったりお茶を淹れたい気持ちにもなるし
    パパッと作るさりげない美味しさにも気づくことが出来る。

    食のエッセイなのに「今日は何も食べたくない」の章タイトル。
    それまで猛烈な食への探究心が綴られていたから、平松さんもそういう日があるのねと感じた。
    食べたくない気持ち、料理したくない気持ち。
    手間をかけても美味しいご飯が食べたい気持ち。
    その時の自分の気持ちを感じ取って、受け止める。
    それが、大人になることなんだなぁと思った。

  • 丁寧な暮らし。自分が食べたことのないような、でもどこか懐かしいかんじの料理が出てくる。手間ひまかけたご飯は美味しいんだろうな。でも、簡単に作れるものも美味しそう。世界の料理も美味しそうだった。料理、食べ物、道具に関して知識が深くて、表現もすごく伝わりやすかった。でも、自分で同じ料理を作りたいというよりも、作ってくれないかなーって気持ちのほうが大きいかな。でも家での炭火焼きには憧れる。。

  • 「夜中にジャムを煮る」というタイトルが秀逸。内容はもちろん最高。私がジャムを煮るのは明け方だけど。

    文庫になって装丁が変わったのはとても残念!というわけで星ひとつ減。
    平松さん、好きだなあ。

  • なぜか健康診断前の絶食の時に読み始めてしまった方。丁寧な暮らしに憧れる気持ちが、むくむく湧いてきました。

  • 食べ物について、こんなにも官能的に表現する文章は初めて。
    美味しいものが食べたくなる。

  •  「食」にまつわるさまざまを語ったエッセイ集。読んでいる文字の裏側から、元気のいい「おばちゃん」の声が聞こえてくる気がする(あくまでも、私には、だが)。
     苦手だったモノたちを新しいやり方で捉えられるようになり、だんだん、あるいは大いなる尊敬をもって好きになれる。その過程の端々を感じてじぃん、とした。多大な苦労もおありだったと察するが、ときにしみじみさせ、ときにくすりと笑わせてくださる文体は、たしかに元気と勇気を与えてくれるものだと思う。
     巻末にはエッセイに登場した料理の作り方やお店の連絡先まで書いてあって、頭が下がる。実に、あっけらかんとカッコいい「おばちゃん」像を保たせてくれる楽しい読みものなのである。

  • 平松洋子さんの文庫本は電車の中で読むのにちょうどよく、読んでいて楽で、ちょっとした情報が入れられていて、けれど、読み終わったあとは内容をほぼ忘れてしまう。
    ずっとそう感じていました
    この本の「今日は何も食べたくない」を読むまでは
    娘の一言「おかあさん冷めちゃうよ、はやく食べてきて」の一文に泣かされました。
    食べることは切ない
    そう感じて…
    この感覚、前にもあったぞ?と
    辺見庸の「もの食う人々」を読み終わった時に感じた感覚だと思い出しました。

  • 料理が上手くなりたい!おいしいご飯作れるようになりたい!台所に立つのが楽しくなりたい!レパートリー増やしたい!私も土鍋でご飯炊いてみたい!蒸し料理やっぱりしてみたい!と思いました。
    平松さんの文章力すごいです。ぎゅっと詰まってる感じ。読んでいて楽しかったです。
    他のエッセイも読んでみたくなりました。
    全作品制覇したいです。

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著者プロフィール

平松洋子=1958年、倉敷生まれ。東京女子大学卒業。エッセイスト。食文化、暮らし、本のことをテーマに執筆をしている。『買えない味』でBunkamura ドゥマゴ文学賞受賞。著書に『夜中にジャムを煮る』『平松洋子の台所』『食べる私』『忘れない味』『下着の捨どき』など。

「2021年 『東海林さだおアンソロジー 人間は哀れである』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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