すべては今日から (新潮文庫 こ 38-2)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101306520

作品紹介・あらすじ

日本でもっとも本を愛した俳優・児玉清。講談本で〈物語〉の面白さに目覚めた少年時代、洋書で読み耽る海外ミステリーへの愛、母の急死から始まった俳優への道、新幹線での運命の出逢い、そして結婚……。「今勝て、痛みはあとだ!!」の精神でタフに歩み続けた波瀾万丈の77年間が、紳士的かつ情熱的に語られる――。ライフワークとなった書評とエッセイを一挙に収録した、珠玉の遺稿集。

感想・レビュー・書評

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  • 非常に秀れた本の読み手であった児玉清さんの書評とエッセイを収録した遺稿集。

    1冊の本との出会いが児玉さんを俳優の世界に誘ったというエピソードや洋書に耽る理由が頗る面白い。また、この本の中で紹介される海外ミステリーや冒険小説も共感を覚えるものも多く、読んでみたいものばかりだった。書評やエッセイから児玉さんが如何に本を愛していたのかが窺える。

    児玉さんが亡くなられて、四年が過ぎるが、今もって、これだけ本の世界を語れる俳優は他には見当たらない。児玉さんには、もっと、もっと本の世界について語って欲しかった…

  • 故児玉清氏のエッセイ、書評集。

    恥ずかしながら児玉氏が大の読書家で多くの書評をしていることを知ったのは比較的最近のことだ。
    ある小説の解説が、何と的確かつ力強いことに感動し、解説者の名前を見ると「児玉 清(俳優)」とあった。なるほど「アタックチャンス」の児玉氏だけに力強さが有るのだと妙に納得し、何冊か児玉氏の解説読みたさに書籍を選んだ。
    ところがしばらくして児玉氏の訃報を聞き、青天の霹靂、読書の大先輩を失ったとショックを覚えた。

    海外ミステリーの紹介では、ところどころの「~だぜ。」とスギちゃんばりの決め台詞。ドラマ「HIRO」や「鹿男あおによし」での初老でありながらつぶらで悪戯心を隠し持つ少年のような瞳は、ミステリーへの好奇心からあふれ出たものだったのだろうと納得。

    ああ、もっと長生きをして多くの本を紹介していただきたかった。と悔やみつつご冥福を祈るばかりだ。

  • 2019/03/12読了


    遺稿集とはいえ、しっかりまとまりそして読み応えのあるエッセイでした。
    児玉清さんの本との人生観や思いが詰め込まれている。
    なにより、面白い!と思わせる、本、物語の紹介の仕方はとても勉強になります。人に「面白そう!」と思われるような書評はそれ自体が面白いもので、なかなかかけるものではないし。
    まさかの俳優人生、結婚、人生は不思議なめぐりあわせの連続であること。本好きな人から学ぶことは多いものです。

  • 書評のあたりが良く
    最後のあたりは、タイトルだけで
    あまり興味がわかないので
    ひとまず読まずに一旦読了とした。
    ディック・フランシスやディーヴァーの話題が出てきたあたりがピーク
    今、児玉さんが生きていたらどんな
    本を勧めたかたなど色々と考えてしまった。

  • 児玉さん久しぶり~と声をかけながら手に取った。

     児玉さんが読んできた中でインパクトのあった本について、一冊一冊章に分かれて書いてある。
     読書記録でもつけていたのだろうか?と思ったが、私も読書を振り返るときその一冊を挙げることができた。ちょっとうれしかった。

  • 児玉さんが、とても情熱的で驚いた
    とにかく本が好き
    好きな本を見つけたときの喜び
    好きな作家や本について語るときのはしゃぐ感じ
    恋愛ものもたくさん読んでおられたこと
    驚きだらけだった
    また、児玉さんが感じていた日本に対する疑問や不満について、
    私が日本を出た理由がまさに同じものだった
    いっきに親近感がわいた

  • 児玉清の遺稿集。最後の文藝春秋掲載物は老人の繰り言で残念。前半の書評集は、ごびが「だぜ」になるなど、児玉清でなければ許されないギリギリのところまで行ってしまってるものの、良い。

  • ミステリー好きな私としては、児玉さんの紹介されている文章自体にドキドキし、今すぐ本屋さんに駆け込みたい衝動が何度襲ってきたことか!
    これからも上質でおしゃれな、紳士淑女なミステリーをたくさん読みたい。

    「日本、そして日本人へ」は、年寄りの愚痴とはおっしゃっているが、すべてが共感できる事柄ばかり。
    私の考え方が古いのか、ヨーロッパ的なのかはわからないけれど、日本は確かに幼いと思う。

  • クイズ番組の司会者は、狂おしいほどのミステリー好きだった。ヤラレタぜ!

  • 遺稿集。一章で読書愛を感じ二章で沢山の推し本紹介、三章で氏の歴史を知り、四章は説教臭いと感じたがあとがきで納得。これほど本を愛した人はいないと感じた。

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