ストロボ (新潮文庫 し 42-3)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 683
感想 : 60
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  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101270234

感想・レビュー・書評

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  • 1人の写真家の人生を50代から遡っていく連作集。ん?最近読んだなこの構成。本作はもっと分かりやすく彼の辿った道のりが徐々に明らかになっていく構成は見事。どの短編にも「死」が絡んでおり泣かせる。私自身はこういうのは好まないのだが泣けるものな泣けるのでしょうがない。写真家、喜多川が絶妙にダメ男なのが、またにくい。読み進めるごとに夫婦の物語なのだと実感していく。それが最初の1編の遺影のラストに重なっていくのが堪らないのだ。若さ故のがむしゃらさや仕事に対する向き合い方を見つめる良作だった。


  • 一人のカメラマンの人生を振り返る、連作短編集。飽きの来ない作品に仕上がっている。
    第五章と、第四章はお勧め。

  • ずいぶん前に借りて読んで面白かったので、買ってしまった本。

  • あぁ、そういうことか。
    フィルムと同じという。すごく良かった。読みやすいのに、少し時間が掛かってしまったのは、心理描写が丁寧に書かれていて、それを読み落としたくないと思ったからか。男性の作者にしては、出てくる女性が魅力的。晴美の章が一番グッと来て、最後は涙が出そうになった。逆に第4章で期待が高まった分、その後それを超える章がなかったなぁとは思ったが、それは読む人や読むタイミングで違うのだと思う。そして最後の回収で納得できるのだろう。

  • こういう、エピソード多き人生を送りたい。一瞬一瞬これだけ濃くて一生懸命生きてても、歳をとって振り返ると後悔が残るものかとちょっと怖くなった。カメラ欲しい。

  • 喜多川光司50歳。写真家としての地位と名声は手にしたが、写真に対するかつての情熱がなくなっているのを感じた彼は、自らの来し方を振り返る。
    40代、30代、20代…時を遡るように配置された5つの章からなる短編。
    人の行動にはその人なりの理由がある。そんな出来事をミステリー仕立てにして読ませる。
    同じ世代の男性なら、我が身に置き換えてひりひりと、身に詰まされるものがあるかもしれない。
    これまで読んだ長編ミステリーとは印象が違う作品だった。

  • とあるカメラマンの人生を、記憶をさかのぼるように描写した話。
    読み始めて、若干違和感があったが、進めるうちに、その意図が理解できて、ハマり込んでしまった。

  • 人生のアルバムをめくるように、若い頃のがむしゃらや、自分の写真家としての信念を見つめ直して行く

  • いい意味で、男臭い感じの小説
    男の矜持がガンガン伝わってくる感じが好き

  • 結論から話がはじまり徐々に話が戻る不思議な構成です。
    青春時代を逆戻りしていくので話がわかりずらいです。

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著者プロフィール

真保裕一(しんぽ・ゆういち)
1961年東京都生まれ。91年に『連鎖』で江戸川乱歩賞を受賞。96年に『ホワイトアウト』で吉川英治文学新人賞、97年に『奪取』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞長編部門、2006年『灰色の北壁』で新田次郎賞を受賞。他の書著に『アマルフィ』『天使の報酬』『アンダルシア』の「外交官シリーズ」や『デパートへ行こう!』『ローカル線で行こう!』『遊園地に行こう!』『オリンピックへ行こう!』の「行こう!シリーズ」、『ダーク・ブルー』『シークレット・エクスプレス』『真・慶安太平記』などがある。


「2022年 『暗闇のアリア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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