緋の河 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (640ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101254852

作品紹介・あらすじ

釧路に生まれた秀男は、色白小柄で人形のように愛らしく、幼少期から「女になりかけ」とからかわれた。父に殴られ兄に蔑まれ教師に抑圧されても男らしくなどできず、優しい母と姉、初恋相手の同級生男子が支えだった。やがて家を飛び出し、札幌、東京、大阪の夜の街、そして芸能界へ道を切り拓いていく。自分らしく生きるため逆境で闘い続けた先駆者が放つ、人生の煌めき。心奮う傑作長編。

感想・レビュー・書評

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  • カルーセル麻紀の傘寿を祝うトークイベントが札幌市内で開催…性別適合手術など“18禁”の話題で大盛況 : スポーツ報知
    https://hochi.news/articles/20220330-OHT1T51137.html

    桜木紫乃 さん「緋の河」インタビュー 「この世にないもの」を目指す主人公、モデルはカルーセル麻紀さん|好書好日
    https://book.asahi.com/article/12724315

    花村信子 | Nobuko Hanamura - イラストレーター
    https://www.hanamuranobuko.com/html/index.php

    桜木紫乃 『緋の河』 | 新潮社
    https://www.shinchosha.co.jp/book/125485/
    https://www.shinchosha.co.jp/book/327725/

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「緋の河」桜木紫乃著|日刊ゲンダイDIGITAL
      https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/b...
      「緋の河」桜木紫乃著|日刊ゲンダイDIGITAL
      https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/306756
      2022/06/16
  • 桜木紫乃『緋の河』新潮文庫。

    デビュー以来、ずっと読み続けている作家なので特に内容も確認せず、購入したのだが……

    ついに小説の世界にも本格的にLGBTの波が押し寄せて来たのか。LGBTを多様性の一つと受け止め、容認せよというのが世の中の風潮であるが、昭和の古い頭ではどうにも理解出来ず、拒否反応を示してしまう。

    カルーセル麻紀を題材にした小説。理解出来ない苦手な嫌悪感を感じる世界。こういう世界を全く理解出来ないのだから、面白い訳が無い。

    これまでに読んだ桜木紫乃の小説では最低評価だ。題材にしても、ストーリーにしても評価出来るところが無い。

    釧路に生まれた平川秀男は幼少期から色白の小柄で人形のように愛らしく、『女になりかけ』とからかわれながら育つ。

    高校生になった秀男はゲイボーイになることを夢見て家を飛び出し、札幌のゲイバーで働く。その後、東京、大阪の夜の街、そして芸能界へと新たな夢を追い求める。

    正直に言って、LGBTとか性的マイノリティとか最近は綺麗なワードが飛び交っているが、個人的には病気としか思えない。

    本体価格950円
    ★★

  • 今でこそLGBTに対する世間の理解は深まりつつありますが、当時の風当たりは相当厳しかったと想像できます。その中で、自分を曲げずに生き抜いた秀男の強さはなかなか真似できるものではないと思います。一方で、父や兄の対応も仕方ない面もあるなかなと思いました。母や姉が理解者であったことは、秀男にとって1番ありがたかったことではないかと思います。

  • 分厚い本だったが、最後までするすると読めた。
    実際はもっとドロドロしてたんだろうけど、美しい表現で綺麗にまとまってた。
    カルーセル麻紀さん
    先駆けみたいな存在だったもんね。ご苦労多かったと思う。

  • 桜木紫乃さんのトークショーでカルーセル麻紀さんが釧路出身と知り、同郷繋がりの本作が気になって読んでみました。やはり釧路の描写が抜群に良い。生きたことない時代なのに風景が見える。
    今みたいなLGBTなんて言葉も存在しない時代だったろうに、自分を貫かれて今も元気に活躍されててよかったなぁと思う。

  • 衝撃的なエピソードいっぱいですぐ読めたー

    行きづらかったやろなぁーでも意思を突き通してすごいなぁ

  • *どうしてあたしは男の体で生まれたんだろう――。自分らしく生きるため逆境で闘い続けた先駆者が放つ、唯一無二の人生の煌めき*

    カルーセル麻紀さんを基にした小説だったんですね。
    知らずに手に取り、なんだかえらく自信過剰な人だなあ…と不思議に思いつつ読んだのですが、なるほど。
    時代背景を考えると、まさにパイオニアですね。
    LGBT関係なく、そんなにも確固たる信念のある方ってすごいなあと感服する今日この頃。

  • 戦後間もない釧路に育った一人の少年は、物心つく頃にはもうかわいいもの、きれいなものに憧れる女の心を持っていた。
    学校に上がっていじめられても、厳格な父から咎められても、秀男はそんな自分を偽ることなく、あたしはあたし、と生きる道を定め釧路を飛び出す‥。
    生きづらさを嘆くよりも、前へ前へと進む秀男。特に少年時代を丁寧に描き、釧路を出たのちの秀男を突き動かしたものが何であったかを読み手に思い至らせる。
    作者と同郷のカルーセル麻紀をモデルにした本書、続編もある。

  • 釧路に生まれた秀男は小さい頃から色白 小柄かわいい子供だった。
    小学生になった頃から(女に成りかけ)とからかわれながら小 中と育ったいつも強い男を味方につけるため中学の頃から身に付いてた「自分を守るため」初恋の人が東京の相撲部屋に入った心の支えがなく成ったが母と姉が助けてくれた、家出をし大変な道ではあるが札幌 東京 大阪と夜の街をゲイとして歩く、いろいろな葛藤がある中最後はテレビに出芸能界でと歩く様に成る

  • 文庫版ではなく単行本で読了。
    文庫も装丁を引き継いだ方が良かったのでは、と思う。

    カルーセル真紀さんをモデルにした小説。
    世代的に活躍を存じ上げないのだけれども
    意志の強さ、実現していく胆力、決断力がどれも魅力的で羨ましくて仕方ない。
    私にはショコちゃんのような強さもなく、マメコからしたら蔑みの対象のような意志薄弱さだろう。

    続編の孤城の蝶が楽しみ。

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著者プロフィール

一九六五年釧路市生まれ。
裁判所職員を経て、二〇〇二年『雪虫』で第82回オール読物新人賞受賞。
著書に『風葬』(文藝春秋)、『氷平原』(文藝春秋)、『凍原』(小学館)、『恋肌』(角川書店)がある。

「2010年 『北の作家 書下ろしアンソロジーvol.2 utage・宴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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